ずーみんのはがき絵七十二候②

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はがき絵いろはうた五周目(その5)

2024-10-19 16:50:01 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第五回目、「か」「よ」「た」の3つです。

 

 

 

 

『か』・・・かき氷

 かき氷の氷イチゴを描きました。シロップではなく、フルーツジャムを使った高級なものを描きました。「涼」という字を書き添えて、さらに涼しさをアップしようと試みました。

 「かき氷」は俳句では夏の季語です。

・匙舐めて童たのしも夏氷      山口 誓子

・今日ぎりになりし祭や氷水     久保田 万太郎

・一卓の皆訛りけりかき氷      ずーみん

・大空と海あをければかき氷     ずーみん

「夏氷」も「かき氷」もともに親季語「氷水」の子季語(傍題)です。

 

 

 

 

『よ』・・・夜の空港

 描いているうちにBGM「ミスターロンリー」が頭の中を流れてきました。

 

 

 遠い地平線が消えて

 深々とした夜の闇に 心を休めるとき

 遥か雲海の上を 音もなく流れ去る気流が

 限りない宇宙の営みを告げています

 満天の星をいただく 果てしない光の海を

 豊かに流れゆく風に 心を開けば

 きらめく星座の物語も聞こえてくる

 夜のしじまの なんと饒舌なことでしょうか

 光と影の境に消えていった

 はるかな地平線も

 まぶたに浮かんでまいります

 

 夜間飛行の ジェット機の翼に点滅するランプは

 遠ざかるにつれ 次第に 

 星の瞬きと区別がつかなくなります

 お送りしております このお絵かきが

 美しく あなたの夢に

 溶け込んでいきますように・・・

 

・空港や春の蠍座しかと見て      宮坂 静生

・空港や駆け寄る人の夏帽子      和田 健三

・空港の芒の白穂挙手の礼       山口 誓子

・帰国して夜の空港夏の果       ずーみん

 

 

 

 

『た』・・・だちびん(抱瓶)

 今回は沖縄の陶器製携帯用酒瓶である抱瓶(だちびん)を合作しました。腰に当てるように断面が三日月型になっています。ひもを通すように作られていますので、腰に結わえ付けるのか、肩から吊るすかするのでしょう。形がとてもステキで、本来の酒器としての使い方のほかにも、お見立てで花活けなど色々に使えそうな器です。画像検索してみますと、いろんな柄がありましたが、伝統的なこの魚の柄がやはり一番面白く感じました。お酒(きっと泡盛)を注ぎ込む口と、抱瓶から注ぎ出す口とがあります。
 「泡盛」が季語であるなどとは思いもしませんでしたが、夏の季語になっています。焼酎も泡盛もかつては暑気を払うために好まれたそうですが、現在では年間を通して飲まれています。
 
泡盛やほどよき頃に島の唄      春田 淳子
 
・泡盛の一斗甕据ゑ婚の家       山本 初枝
 
・泡盛は出せぬと水不足の酒肆     ずーみん

はがき絵いろはうた五周目(その4)

2024-09-28 06:39:25 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第四回目、「ぬ」「る」そして「を」をとばして「わ」の3つです。

 

 

 

 

『ぬ』・・・ぬまえび

 「相方」なる人物とミナミヌマエビを描きました。体が透けて見えますので、「透明」の「透」の字を書こうと思ったのに、勘違いをして「澄」と書いてしまいました。「清澄」の「澄」ですね。絵の感じと調和して、気に入った字が書けたのですが、本当に書きたかった字はこれではありませんでした。

 子どもの頃、家からそう遠くない池にこのエビがどうした拍子か大繁殖して、たくさんすくって帰ったことを思い出しました。大繁殖は一年だけで、その後は落ち着きましたが、いつ行ってもエビがすくえる楽しい池でした。「新池(しんいけ)」と呼んでいましたが、私が住む地域には「新池」と呼ばれている池がいくつもあり、この名前はあまり役に立ちませんでした。

 この絵の「ミナミヌマエビ」の他に、「ヤマトヌマエビ」という種もいて、同じ池に二種ともいる、なんてこともあるそうです。私が池ですくってきて、家の水槽で飼っていたのは「ミナミヌマエビ」だったと思います。すくってきたときにすでに抱卵している個体もいて、卵が孵化する様子も見ることができました。水槽から飛び出す奴もいて、網などで飛び出しを防止しておかないと、部屋の床に「身投げ」してしまいます。思えば豊かな自然がまだ残っていたのだなあと感慨深いです。

 手元の歳時記を開いてみましたが、ヌマエビは俳句の季語になっていないようです。淡水のエビでは「手長蝦」が夏の季語です。
 
・藻の花や水ゆるやかに手長蝦      正岡 子規
 
・手長蝦つれては暗き雨きたる      水原 秋櫻子
 
・走り去る子らのバケツや手長蝦     ずーみん

 

 

 

 

 

『る』・・・盧舎那仏

 奈良 東大寺の大仏様を描きました。切り絵の作品を参考にさせていただいて描きましたので、モノクロの作品になっています。

 「大仏は見るものにして尊ばず」などという罰当たりな言葉があります。確かに、まずその大きさに圧倒されてしまい、信仰心すら忘れてしまう、というのはうなずけます。

 文字は「慢」です。「慢心」の「慢」、「我慢」の「慢」という文字です。「我慢」というのは、「ワクチン接種の痛みを我慢する」というときの「我慢」とは違い、「自己を高く見て他人を軽視する心」のことを言います。大仏様はあまりにも大きいので、その分自己の小ささに気づかせてくださいます。それまでの「慢心」がリセットされたような気になって、大仏殿を後にするのですが、すぐに忘れてしまいます。南大門の仁王様を見てもう一度思い出すようにいたしましょう。
 
・お山焼大仏殿もただならね      長谷川 櫂
 
・寒雀大仏殿を栖ひなる        山口 誓子
 
・月上る大仏殿の足場かな       正岡 子規

 大仏様そのものではなく、大仏殿を読んだ句ばかり選んでしまいました。大仏様も大仏殿も国宝です。大仏殿の前の石畳に注目してみますと、色の違う石が敷いてあります。南大門から大仏殿に向かって真っすぐ敷かれている石畳の、真ん中にインド産の石、その両側に中国産の石、その外側に韓国産の石、そしてその周りに日本産の石が敷き詰められています。仏教伝来の道筋を示してあるのですね。

 

 

 

 

 

『わ』・・・若鮎(和菓子)

 鮎の形をした和菓子を描きました。近所の店では「若鮎」と書いて売っています。鮎菓子ともいうそうです。カステラ生地で求肥を包んだ和菓子で、鮎の形を模し、目やえらぶた、ヒレなどを焦げ目で表現しています。

 相方なる人物と合作するのに、何か夏らしいものを、涼しさを感じることができるものを、ということで魚の鮎を描こうということになりました。「鮎」というワードで検索すると、水中を泳いでいるもの、すでに釣り上げられたもの、もう塩焼きになってしまっているものなどの他に、和菓子の画像が出てきました。涼しさや爽やかさは泳いでいる姿なのでしょうが、お菓子の魅力も捨てがたく、今回はお菓子の鮎を描くことにしました。
 俳句において「鮎」は夏の季語です。 その 一方、稚魚のうちは体が透き通っていることから「氷魚(ひうお)」と呼ばれ、こちらは冬の季語となっています。 また、「若鮎」といえば春の季語であり、産卵期のアユを指 す「落ち鮎」は秋の季語とされています。
 
・いたどりの花活けてあり鮎料理         北川 まどか
 
・月さして燠のほこほこと鮎を焼く        飯田 蛇笏
 
・水中に逵(つじ)はありけり囮(おとり)鮎   ずーみん

はがき絵いろはうた五周目(その3)

2024-09-22 23:04:15 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第三回目、「と」「ち」「り」の3つです。

 

 

 

『と』・・・とうきび

 トウモロコシの絵を描きました。北海道在住の相方は「とうきび」と呼ぶそうです。そういえば大阪府在住の私にも「なんば」という呼び方がありました。最近は「とうもろこし」と呼ぶことが多く、「なんば」という呼び方を忘れかけていました。地方によって呼び方が色々あるということは、それだけ親しまれている作物だということでしょう。品種改良によって糖度が20度超え、というニュースも耳にしました。かつては焼いて食べるしかなかったと思うのですが、現在では焼くより蒸したり、茹でたりして食べることが多いですね。レンジでチンするのがお手軽でおいしいです。食べて幸せな気分になることから、「幸」という字を書き添えてあります。

 真夏から収穫できるようですが、俳句では秋の季語に分類されています。

・唐黍を焼き公園の要所占む       後藤 比奈夫

・子を負ふて唐秬かぢる子守哉      正岡 子規 

・畑中に唐もろこしと案山子かな     山口 青邨

 

 

 

 

 

『ち』・・・チョコレート

 いろいろなチョコレートを描きました。描いていてとても楽しかったことを思い出します。どれも一口で食べられそうな大きさにそろえて描きました。確かバレンタインデーが近いからと、この絵を描いたのだと記憶しています。「想」という字を書いたところ、相方が手を加えて文字が光りだしました。

 「チョコレート」は俳句の季語ではありません。「バレンタインデー」は当然、春の季語なので、バレンタインデーを連想するしかない「義理チョコ」などは季語として扱ってもいいかもしれません。

・チョコレートとけて元日昏れてゐる       藤木 清子

・チヨコレートの売場広げて二月来る       中村 和子

・バレンタインチョコ持つ娘みな美しき      ずーみん

 

 

 

『り』・・・リコーダー

 リコーダーを描いて「奏」という字を書き添えてみました。

 木で作られる楽器(木管楽器)ですが、よくできたものから型をとり、樹脂製で大量生産できます。学童用などはそのようにして作るそうです。

 季語ではないので、他の季語と取り合わせて一句を成さねばなりません。

・つきみそうリコーダーならラの音だ      ひろしげ8さい

・夏の日にリコーダーふく「シー」の音     二井 あきな

・春の陽の窓からリコーダーのカノン      鳥

・リコーダー斉奏ぶれず梅雨に入る       SAZANAMI

 


はがき絵いろはうた五周目(その2)

2024-09-14 10:11:57 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第二回目、「に」「ほ」「へ」の3つです。

 

 

 

 

『に』・・・日本水仙

 香り高き水仙の花を描きました。ヒガンバナ科の多年草です。ニホンスイセンの他にも、ラッパスイセンなど、色や形の違う品種がたくさんあるのですが、私はここに描いたニホンスイセンが好きです。清楚な感じがします。

 全草有毒だそうです。ニラやネギ、ノビルなどと似た葉の姿から、誤食する事故が起きています。球根を玉ねぎと間違えて、という事故もあるようです。

 冬から春にかけて白や黄色の花を咲かせる種がほとんどです。俳句では冬の季語になっています。

・うづたかき書物の中に水仙花        山口青邨

・むらがれる水仙の芽に荷を解かん      中村汀女

・母の居間父の墓前に水仙花         星野立子

・寄り添ふも向き合ふもあり水仙花      ずーみん

 

 

 

 

 

『ほ』・・・ボルボックス

 緑藻の一種、ボルボックスを描きました。池や川、田などの淡水にいます。この絵のように球状の群体を作るので、肉眼でも何となく見えたりします。群体の直径は数百㎛にもなるそうです。体細胞に2本の鞭毛を持ち、くるくると回りながら移動します。和名の「オオヒゲマワリ」の由来となっている動きです。ボルボックスの語源もラテン語のVolvo(回転する)からきています。自動車のVOLVOと同じ語源でしょう。田植えの済んだ田をのぞき込んでいると、このような小さい生き物がたくさん見られます。ハングルで「삶다」(「生きる」という意味)の語幹「삶」だけを書いて「生」という名詞みたいな感じにしてみました。

 「ボルボックス」も、あるいは「プランクトン」も俳句の季語ではありません。他の季語と取り合わせて一句を成す必要があります。

・雲の峰ボルボックスに成りました      ツナみなつ

・田水ぬくしボルボックスの回るらし     ずーみん 

 

 

 

『へ』・・・ペンギン

 Merry Christmasと書いてあることからも、それとわかりますが、クリスマスカードとして描いたものです。ピアノを弾いているペンギン、氷のスツールに座っています。立っている3羽のペンギンたちはピアノを聞いているのか、ピアノに合わせて歌っているのか、上空には雪の結晶をかたどった音符が浮かび、遠景に氷の山、ペンギンたちも氷山(流氷?)に乗っているようです。

 ペンギンは俳句の季語になっていませんので、他の季語と取り合わせて一句を成さねばなりません。

・寒水に翔ぶペンギンの速さかな      遊雀

・ペンギンの一羽おくれし春の月      有馬 朗人

・ペンギンの仰角は9°鰯雲          あたなごっち 

 


はがき絵いろはうた五周目(その1)

2024-09-08 01:46:18 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第一回目、「い」「ろ」「は」でスタートです。

 

 

 

 

『い』・・・漁火(いさりび)

 夜、魚を獲るために漁船で焚くかがり火のことでしたが、松明からアセチレンランプへ、電気照明へと変わっています。現在ではLEDも使われているそうです。強い光を発しているこの絵はイカ釣り船でしょうか。文字も「漁火」と書き入れました。

 「漁火」は素敵な言葉ですが、俳句の季語にはなっていません。他の季語と取り合わせて一句を成す必要があります。読みは「いさりび」ですが、「ぎょか」と音読みにした句もあります。

・烏賊釣りの漁火遠くよされ節       櫛田 と志子

・こほろぎの闇や漁り火高うして      山口 誓子

・聖夜またたく漁り火の消ゆるころ     鷹羽 狩行

・漁火もほつほつと夏料理かな       高野 素十

 

 

 

 

 

『ろ』・・・ロールケーキ

 ロールケーキを描いて、ひらがなで「ふわ」と書き添えました。実は「はがき絵いろはうた」の一周目にもロールケーキが登場しています。一周目のロールケーキははがきに描いたもの、五周目の今回はお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵、という違いがあります。

 「ロールケーキ」も「ケーキ」も季語ではないと思いますが、「クリスマスケーキ」なら季語になります。「苺ケーキ」とすれば「苺」が初夏の季語になります。

・住み込みの夜のケーキの苺かな       IKKO

・ケーキ焼く子が厨占め春休         稲畑 汀子

・栃咲くや少女あふれるケーキ店       松本 照子

 メイクアップアーティストのIKKOさんが「プレバト」という番組の中で発表された句を紹介しています。「才能あり第一位」だったと記憶しています。

 

 

 

 

 

『は』・・・バゲット

 バゲットは「杖」という意味のフランス語。この絵のようなフランスパンの一種も表します。小麦粉と塩、水、イーストだけで作られるフランスの伝統的なパンです。「滋味がある」という言葉がありますが、その「滋」という字を書き添えてみました。

 「バゲット」「フランスパン」ともに俳句の季語にはなっていませんので、他の季語と取り合わせて一句を成す必要があります。

・春一番フランスパンの長袋        塩田 博久

・バゲットのやうな二の腕夏来たる     山本 正幸

・春着の娘フランスパンを抱いて来る    柚口 満