ずーみんのはがき絵七十二候②

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はがき絵いろはうた五周目(その4)

2024-09-28 06:39:25 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第四回目、「ぬ」「る」そして「を」をとばして「わ」の3つです。

 

 

 

 

『ぬ』・・・ぬまえび

 「相方」なる人物とミナミヌマエビを描きました。体が透けて見えますので、「透明」の「透」の字を書こうと思ったのに、勘違いをして「澄」と書いてしまいました。「清澄」の「澄」ですね。絵の感じと調和して、気に入った字が書けたのですが、本当に書きたかった字はこれではありませんでした。

 子どもの頃、家からそう遠くない池にこのエビがどうした拍子か大繁殖して、たくさんすくって帰ったことを思い出しました。大繁殖は一年だけで、その後は落ち着きましたが、いつ行ってもエビがすくえる楽しい池でした。「新池(しんいけ)」と呼んでいましたが、私が住む地域には「新池」と呼ばれている池がいくつもあり、この名前はあまり役に立ちませんでした。

 この絵の「ミナミヌマエビ」の他に、「ヤマトヌマエビ」という種もいて、同じ池に二種ともいる、なんてこともあるそうです。私が池ですくってきて、家の水槽で飼っていたのは「ミナミヌマエビ」だったと思います。すくってきたときにすでに抱卵している個体もいて、卵が孵化する様子も見ることができました。水槽から飛び出す奴もいて、網などで飛び出しを防止しておかないと、部屋の床に「身投げ」してしまいます。思えば豊かな自然がまだ残っていたのだなあと感慨深いです。

 手元の歳時記を開いてみましたが、ヌマエビは俳句の季語になっていないようです。淡水のエビでは「手長蝦」が夏の季語です。
 
・藻の花や水ゆるやかに手長蝦      正岡 子規
 
・手長蝦つれては暗き雨きたる      水原 秋櫻子
 
・走り去る子らのバケツや手長蝦     ずーみん

 

 

 

 

 

『る』・・・盧舎那仏

 奈良 東大寺の大仏様を描きました。切り絵の作品を参考にさせていただいて描きましたので、モノクロの作品になっています。

 「大仏は見るものにして尊ばず」などという罰当たりな言葉があります。確かに、まずその大きさに圧倒されてしまい、信仰心すら忘れてしまう、というのはうなずけます。

 文字は「慢」です。「慢心」の「慢」、「我慢」の「慢」という文字です。「我慢」というのは、「ワクチン接種の痛みを我慢する」というときの「我慢」とは違い、「自己を高く見て他人を軽視する心」のことを言います。大仏様はあまりにも大きいので、その分自己の小ささに気づかせてくださいます。それまでの「慢心」がリセットされたような気になって、大仏殿を後にするのですが、すぐに忘れてしまいます。南大門の仁王様を見てもう一度思い出すようにいたしましょう。
 
・お山焼大仏殿もただならね      長谷川 櫂
 
・寒雀大仏殿を栖ひなる        山口 誓子
 
・月上る大仏殿の足場かな       正岡 子規

 大仏様そのものではなく、大仏殿を読んだ句ばかり選んでしまいました。大仏様も大仏殿も国宝です。大仏殿の前の石畳に注目してみますと、色の違う石が敷いてあります。南大門から大仏殿に向かって真っすぐ敷かれている石畳の、真ん中にインド産の石、その両側に中国産の石、その外側に韓国産の石、そしてその周りに日本産の石が敷き詰められています。仏教伝来の道筋を示してあるのですね。

 

 

 

 

 

『わ』・・・若鮎(和菓子)

 鮎の形をした和菓子を描きました。近所の店では「若鮎」と書いて売っています。鮎菓子ともいうそうです。カステラ生地で求肥を包んだ和菓子で、鮎の形を模し、目やえらぶた、ヒレなどを焦げ目で表現しています。

 相方なる人物と合作するのに、何か夏らしいものを、涼しさを感じることができるものを、ということで魚の鮎を描こうということになりました。「鮎」というワードで検索すると、水中を泳いでいるもの、すでに釣り上げられたもの、もう塩焼きになってしまっているものなどの他に、和菓子の画像が出てきました。涼しさや爽やかさは泳いでいる姿なのでしょうが、お菓子の魅力も捨てがたく、今回はお菓子の鮎を描くことにしました。
 俳句において「鮎」は夏の季語です。 その 一方、稚魚のうちは体が透き通っていることから「氷魚(ひうお)」と呼ばれ、こちらは冬の季語となっています。 また、「若鮎」といえば春の季語であり、産卵期のアユを指 す「落ち鮎」は秋の季語とされています。
 
・いたどりの花活けてあり鮎料理         北川 まどか
 
・月さして燠のほこほこと鮎を焼く        飯田 蛇笏
 
・水中に逵(つじ)はありけり囮(おとり)鮎   ずーみん

はがき絵いろはうた五周目(その3)

2024-09-22 23:04:15 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第三回目、「と」「ち」「り」の3つです。

 

 

 

『と』・・・とうきび

 トウモロコシの絵を描きました。北海道在住の相方は「とうきび」と呼ぶそうです。そういえば大阪府在住の私にも「なんば」という呼び方がありました。最近は「とうもろこし」と呼ぶことが多く、「なんば」という呼び方を忘れかけていました。地方によって呼び方が色々あるということは、それだけ親しまれている作物だということでしょう。品種改良によって糖度が20度超え、というニュースも耳にしました。かつては焼いて食べるしかなかったと思うのですが、現在では焼くより蒸したり、茹でたりして食べることが多いですね。レンジでチンするのがお手軽でおいしいです。食べて幸せな気分になることから、「幸」という字を書き添えてあります。

 真夏から収穫できるようですが、俳句では秋の季語に分類されています。

・唐黍を焼き公園の要所占む       後藤 比奈夫

・子を負ふて唐秬かぢる子守哉      正岡 子規 

・畑中に唐もろこしと案山子かな     山口 青邨

 

 

 

 

 

『ち』・・・チョコレート

 いろいろなチョコレートを描きました。描いていてとても楽しかったことを思い出します。どれも一口で食べられそうな大きさにそろえて描きました。確かバレンタインデーが近いからと、この絵を描いたのだと記憶しています。「想」という字を書いたところ、相方が手を加えて文字が光りだしました。

 「チョコレート」は俳句の季語ではありません。「バレンタインデー」は当然、春の季語なので、バレンタインデーを連想するしかない「義理チョコ」などは季語として扱ってもいいかもしれません。

・チョコレートとけて元日昏れてゐる       藤木 清子

・チヨコレートの売場広げて二月来る       中村 和子

・バレンタインチョコ持つ娘みな美しき      ずーみん

 

 

 

『り』・・・リコーダー

 リコーダーを描いて「奏」という字を書き添えてみました。

 木で作られる楽器(木管楽器)ですが、よくできたものから型をとり、樹脂製で大量生産できます。学童用などはそのようにして作るそうです。

 季語ではないので、他の季語と取り合わせて一句を成さねばなりません。

・つきみそうリコーダーならラの音だ      ひろしげ8さい

・夏の日にリコーダーふく「シー」の音     二井 あきな

・春の陽の窓からリコーダーのカノン      鳥

・リコーダー斉奏ぶれず梅雨に入る       SAZANAMI

 


はがき絵いろはうた五周目(その2)

2024-09-14 10:11:57 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第二回目、「に」「ほ」「へ」の3つです。

 

 

 

 

『に』・・・日本水仙

 香り高き水仙の花を描きました。ヒガンバナ科の多年草です。ニホンスイセンの他にも、ラッパスイセンなど、色や形の違う品種がたくさんあるのですが、私はここに描いたニホンスイセンが好きです。清楚な感じがします。

 全草有毒だそうです。ニラやネギ、ノビルなどと似た葉の姿から、誤食する事故が起きています。球根を玉ねぎと間違えて、という事故もあるようです。

 冬から春にかけて白や黄色の花を咲かせる種がほとんどです。俳句では冬の季語になっています。

・うづたかき書物の中に水仙花        山口青邨

・むらがれる水仙の芽に荷を解かん      中村汀女

・母の居間父の墓前に水仙花         星野立子

・寄り添ふも向き合ふもあり水仙花      ずーみん

 

 

 

 

 

『ほ』・・・ボルボックス

 緑藻の一種、ボルボックスを描きました。池や川、田などの淡水にいます。この絵のように球状の群体を作るので、肉眼でも何となく見えたりします。群体の直径は数百㎛にもなるそうです。体細胞に2本の鞭毛を持ち、くるくると回りながら移動します。和名の「オオヒゲマワリ」の由来となっている動きです。ボルボックスの語源もラテン語のVolvo(回転する)からきています。自動車のVOLVOと同じ語源でしょう。田植えの済んだ田をのぞき込んでいると、このような小さい生き物がたくさん見られます。ハングルで「삶다」(「生きる」という意味)の語幹「삶」だけを書いて「生」という名詞みたいな感じにしてみました。

 「ボルボックス」も、あるいは「プランクトン」も俳句の季語ではありません。他の季語と取り合わせて一句を成す必要があります。

・雲の峰ボルボックスに成りました      ツナみなつ

・田水ぬくしボルボックスの回るらし     ずーみん 

 

 

 

『へ』・・・ペンギン

 Merry Christmasと書いてあることからも、それとわかりますが、クリスマスカードとして描いたものです。ピアノを弾いているペンギン、氷のスツールに座っています。立っている3羽のペンギンたちはピアノを聞いているのか、ピアノに合わせて歌っているのか、上空には雪の結晶をかたどった音符が浮かび、遠景に氷の山、ペンギンたちも氷山(流氷?)に乗っているようです。

 ペンギンは俳句の季語になっていませんので、他の季語と取り合わせて一句を成さねばなりません。

・寒水に翔ぶペンギンの速さかな      遊雀

・ペンギンの一羽おくれし春の月      有馬 朗人

・ペンギンの仰角は9°鰯雲          あたなごっち 

 


はがき絵いろはうた五周目(その1)

2024-09-08 01:46:18 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが五周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 五周目もお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 それでは五周目の第一回目、「い」「ろ」「は」でスタートです。

 

 

 

 

『い』・・・漁火(いさりび)

 夜、魚を獲るために漁船で焚くかがり火のことでしたが、松明からアセチレンランプへ、電気照明へと変わっています。現在ではLEDも使われているそうです。強い光を発しているこの絵はイカ釣り船でしょうか。文字も「漁火」と書き入れました。

 「漁火」は素敵な言葉ですが、俳句の季語にはなっていません。他の季語と取り合わせて一句を成す必要があります。読みは「いさりび」ですが、「ぎょか」と音読みにした句もあります。

・烏賊釣りの漁火遠くよされ節       櫛田 と志子

・こほろぎの闇や漁り火高うして      山口 誓子

・聖夜またたく漁り火の消ゆるころ     鷹羽 狩行

・漁火もほつほつと夏料理かな       高野 素十

 

 

 

 

 

『ろ』・・・ロールケーキ

 ロールケーキを描いて、ひらがなで「ふわ」と書き添えました。実は「はがき絵いろはうた」の一周目にもロールケーキが登場しています。一周目のロールケーキははがきに描いたもの、五周目の今回はお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵、という違いがあります。

 「ロールケーキ」も「ケーキ」も季語ではないと思いますが、「クリスマスケーキ」なら季語になります。「苺ケーキ」とすれば「苺」が初夏の季語になります。

・住み込みの夜のケーキの苺かな       IKKO

・ケーキ焼く子が厨占め春休         稲畑 汀子

・栃咲くや少女あふれるケーキ店       松本 照子

 メイクアップアーティストのIKKOさんが「プレバト」という番組の中で発表された句を紹介しています。「才能あり第一位」だったと記憶しています。

 

 

 

 

 

『は』・・・バゲット

 バゲットは「杖」という意味のフランス語。この絵のようなフランスパンの一種も表します。小麦粉と塩、水、イーストだけで作られるフランスの伝統的なパンです。「滋味がある」という言葉がありますが、その「滋」という字を書き添えてみました。

 「バゲット」「フランスパン」ともに俳句の季語にはなっていませんので、他の季語と取り合わせて一句を成す必要があります。

・春一番フランスパンの長袋        塩田 博久

・バゲットのやうな二の腕夏来たる     山本 正幸

・春着の娘フランスパンを抱いて来る    柚口 満