路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【余禄】:海に三方を囲まれている能登半島の沿岸には…

2024-02-19 02:04:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【余禄】:海に三方を囲まれている能登半島の沿岸には…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:海に三方を囲まれている能登半島の沿岸には…

  海に三方を囲まれている能登半島の沿岸には、寄(よ)り神(がみ)と呼ばれる信仰が伝わる地域がある。海から漂着したとされる神々や、石などの神体をまつり、豊漁や豊穣(ほうじょう)を祈る

 
水揚げされた寒ブリを仕分ける漁師ら=石川県七尾市の鰀目漁港で2024年1月10日午前4時5分、北山夏帆撮影

 ▲酒だるに乗って来る神など、物語はさまざまだ。1973年に刊行された「能登 寄り神と海の村」(日本放送出版協会)によると、当時100を超す伝承が確認できた。信仰は祭事と結びつく。夏祭りで大きな奉燈(ほうとう)をかつぐ幻想的な「キリコ」や、豊漁や安全を祈る旧正月行事の「起舟(きしゅう)」などが地域に根付いてきた

隆起により、海底が露出した深見漁港=石川県輪島市門前町深見で2024年2月1日、高尾具成撮影

 ▲能登半島地震では石川県に69ある漁港の約9割が被害を受け、漁業が深刻な打撃を受けた。住居や港湾の被災に加え、地震による海底隆起で環境が一変した地域もある。寄り神をまつる神社も多くが被災した。漁業に携わる人々や、地域の苦境を思うと胸が痛む

 ▲寒ブリ漁、底引き網、刺し網など能登の漁業は多様さで知られる。石川県漁業協同組合の「X」(ツイッター)からは、困難な中で少しずつ漁を再開している様子が伝わる。「一歩一歩進むしかありません」と専務理事の福平伸一郎さんは語る▲漁港の集約や再編を巡る議論も地元では出始めているようだ。離職者を増やさぬためには、商業や観光なども合わせたビジョンの構築が欠かせまい

 ▲能登など北陸では春ごろから「あい(あえ)の風」という海風が吹き、恵みをもたらすといわれる。人口減少や高齢化は全国の漁業に共通の課題でもある。行政や民間も力を合わせ、支援の風を起こす時だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2024年02月18日  02:04:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【玉川徹氏】:「いつまで続くか分からないけど毎日食べる」サンマ愛語る…今年不漁予想も一転豊漁

2023-09-29 08:47:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【玉川徹氏】:「いつまで続くか分からないけど毎日食べる」サンマ愛語る…今年不漁予想も一転豊漁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【玉川徹氏】:「いつまで続くか分からないけど毎日食べる」サンマ愛語る…今年不漁予想も一転豊漁 

 元テレビ朝日社員玉川徹氏が29日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。不漁の予想が一転、豊漁となっているサンマについて、あふれ出るようなサンマ愛を語った。

玉川徹氏(2019年撮影)玉川徹氏(2019年撮影)

 玉川氏はサンマについて、「大好きです。ここのところ毎日食べている。焼くだけでこんなにおいしい魚はありがたい」とサンマを絶賛。番組では10~11月が最盛期で今後豊漁が続くかは不明としたが、「いつまで続くか分からないけどとりあえず毎日食べます」と語った。

 サンマは近年、不漁が続いており、今年も7、8月には不漁が予想されていたが9月に入って一転、豊漁が続いている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・不漁の予想が一転、豊漁となっているサンマについて】  2023年09月29日  08:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:<深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり>。堀口…

2023-04-10 07:01:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【筆洗】:<深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり>。堀口…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:<深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり>。堀口…

 <深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり>。堀口大学の歌だが、その深海魚の写真を見れば小さいながらも「まなこ」はちゃんと付いている。クサウオ科の「スネイルフィッシュ」である

 ▼東京海洋大学と西オーストラリア大学などの国際研究チームが伊豆・小笠原海溝の水深八、三三六メートルでこの「スネイルフィッシュ」の撮影に成功し、「最も深い場所で撮影された魚」としてギネス世界記録にこのほど認定された

 ▼体長約二〇センチでオタマジャクシに似ているが、全身がゼラチンのようなもので覆われている。骨は軟らかく、頭蓋骨を構成する骨には隙間があるという。六〇〇気圧以上という超深海層の水圧に耐えることができる特殊な体なのだろう

 ▼魚類が生息できる限界の水深は八、四〇〇メートルというから、今回の「スネイルフィッシュ」の記録を破るのは、もはや難しいかもしれない。<光に遠く住むもの>の永久王者と呼びたくなる

 ▼王座を奪われたマリアナクサウオ(マリアナ海溝・八、一七八メートル)もクサウオ科でこのランクの上位にはクサウオ科の魚が目立つ。クサウオの語源は石川・加賀地方の方言と関係があるらしい。いやなもの、つまらないものという意味で「くさい」というそうだ

 ▼ばかにされ、うとんじられた魚が深海の暗さと冷たさに耐えて、今、脚光を浴びる。そんな物語を想像したくなる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2023年04月10日  06:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【余禄】:青魚の代表格であるサバ…

2023-03-31 02:03:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【余禄】:青魚の代表格であるサバ…

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:青魚の代表格であるサバ…

 青魚の代表格であるサバ。語源は諸説あるが、「多い」の意味の古語「さは」が転じたという説も有力だ。「さばを読む」も数が多くて正確に数えられないことから生まれたという。昔から大量に取れたことは確かだろう

 ▲傷みやすいが、塩漬けすれば保存がきく。福井の若狭湾と京都を結ぶ「鯖(さば)街道」は人気の観光スポットだが、古い歴史の背景がある。今昔物語には奈良の大仏の開眼供養の際、聖武天皇が夢のお告げに従ってサバ売りの老人を式典に参加させ、サバが仏典に変わったという説話が載っている

 ▲1970年代までは漁獲高の2割前後を占めていた。一方で下(げ)魚(ざかな)扱いされることも多かった。戦前には缶詰にもカツオのラベルをつける業者が後を絶たなかったそうだ

 ▲サバ缶がツナ缶に並ぶ人気商品になったのはこの10年だ。体によい不飽和脂肪酸を多く含み、健康志向にマッチした。ところが昨年来の歴史的不漁で原料が不足し、販売休止や4月1日からの値上げが相次いで発表された

 ▲漁獲量が激減したサンマをめぐる国際会議で漁獲枠の削減などが合意されたばかり。それでも資源回復の見通しはたたない。「次はサバ」では日本人の食生活もさみしくなる

 ▲サバは夏の季語だが、通年で取れる。随筆「若狭春鯖のなれずし」で福井県小浜市のサバを称賛したのは美食家の北大路魯山人(きたおおじ・ろさんじん)だ。「とても下魚とは思えないまでに上品な小味をもち、一度口にしたら忘れがたい風味をもつ美肴(びこう)」。何としても守りたい日本の味である。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2023年03月29日  02:06:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「鎮西八郎為朝御宿(ちんぜいはちろうためともおんやど)」。…

2022-12-13 07:58:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【筆洗】:「鎮西八郎為朝御宿(ちんぜいはちろうためともおんやど)」。…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「鎮西八郎為朝御宿(ちんぜいはちろうためともおんやど)」。…

 「鎮西八郎為朝御宿(ちんぜいはちろうためともおんやど)」。アワビの貝殻にそう書いて、戸口につるしておく。「わが家には源為朝のような大豪傑が泊まっているんだから入ってきてはならない」。疫病神へのおどし文句なのだろう。四国地方に伝わる魔除(まよ)けだそうだ

 ▼殻の硬さや祝いのノシに使われる縁起の良さも関係あるのか、かつてアワビの殻は魔除けによく使われた。大阪では風邪の流行時、殻に「子ども留守」と書き、つるしたという。風邪に対し「子どもはいないので入ってきても無駄よ」という意味だろう

 ▼病除けにネズミ除け、ヘビ除け、家庭円満。かつての「効用」を聞けば昔から日本人はアワビをずいぶんと頼りにしていたか

 ▼今度はアワビを疫病神から守る「鎮西八郎為朝」が必要なのだろう。メガイアワビ、クロアワビ、マダカアワビ。日本で採取される三種類のアワビが生き物の絶滅危険度を評価した国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに入った

 ▼三段階のランク中二番目に深刻なレベルで「近いうち野生種は絶滅の危険が高い」。わが身には縁のない高級食材なれど、そう聞けば心もとない

 ▼乱獲や密漁、気候変動がアワビを苦しめている疫病神らしい。退治に挑みたい。「磯のアワビの片思い」。昔からかなわぬ恋のたとえとなる、アワビだが、このままでは縄文期からの味を失い、恋しさに悩み続けることになるかもしれぬ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2022年12月13日  07:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【熊本県】:熊本産アサリ、産地偽装問題受け制限していた出荷先拡大へ 偽装防止策が整ったと判断

2022-05-30 23:33:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【熊本県】:熊本産アサリ、産地偽装問題受け制限していた出荷先拡大へ 偽装防止策が整ったと判断

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【熊本県】:熊本産アサリ、産地偽装問題受け制限していた出荷先拡大へ 偽装防止策が整ったと判断 

 熊本県は30日、輸入アサリの産地偽装問題を受けて、熊本と福岡県に制限していた熊本産アサリの出荷先を、6月11日から拡大することを決めた。独自のトレーサビリティー(生産流通履歴)制度などの偽装防止策が整ったと判断した。ただ流通の一部を担う認定工場が限られるため、当面は西日本を中心に販売される見込みだ。

 熊本県は流通過程を記録するデータベースを構築。漁協や水産業者は水揚げや入荷の日時などを登録し、砂抜き・選別などの作業は認定工場で行う。県や県漁連が流通過程で不正な取引がないかどうか監視する。

 販売は県が認証した協力店に限定する。店頭には産地証明書を掲示し、記載されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、出荷漁協や水揚げ日を確認できる。

 県庁で30日にアサリのブランド再生の協議会を開催。終了後、蒲島郁夫知事は「より正確に、正しく流通したアサリを出荷できる」と話した。

 県は、熊本と福岡の約370の協力店で試験的に販売し、対策の運用方法などを確認。出荷拡大に向け、協力店への参加事業者を募集している。現在、認定工場は熊本と山口県の計5カ所にとどまっている。

 アサリの産地偽装を巡っては、農林水産省が2月に公表した販売実態調査で、熊本県の漁獲量を大幅に上回る「熊本産」の流通が判明。県は出荷を停止し、4月中旬に漁を再開した。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・ 地方自治・熊本県・輸入アサリの産地偽装問題】  2022年05月30日  23:33:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【なるほドリ・ワイド】:アサリの産地偽装=回答・野呂賢治

2022-05-01 06:00:00 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【なるほドリ・ワイド】:アサリの産地偽装=回答・野呂賢治

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【なるほドリ・ワイド】:アサリの産地偽装=回答・野呂賢治

 <気になる>

 中国や韓国から輸入(ゆにゅう)されたアサリが「熊本県産」と偽装(ぎそう)されて大量に流通していた問題で、熊本県や消費者庁、農林水産省が再発防止に乗り出しました。産地偽装が横行(おうこう)した背景や県独自のトレーサビリティー(生産流通(りゅうつう)履歴(りれき))制度、偽装の温床(おんしょう)になったといわれる食品表示法の「長いところルール」見直しなどについて解説します。残り2054文字(全文2248文字)

 ※:この記事は有料記事です。ご登録から1カ月間は99円!!。いますぐ登録して続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 西部朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【なるほドリ・ワイド】  2022年05月01日  06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:諫早湾閉め切り25年 有明海再生、国の責務だ

2022-04-30 07:05:50 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【社説】:諫早湾閉め切り25年 有明海再生、国の責務だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:諫早湾閉め切り25年 有明海再生、国の責務だ 

 長崎県での国営諫早湾干拓事業で、約7キロの堤防が閉め切られて、今月で25年になる。

 地元では混迷が続く。漁場悪化に悩む漁業者は排水門の開門を求め、片や干拓地の塩害を懸念する営農者は反対し、複数の訴訟が起こされた。おまけに「開門」「開門しない」といった正反対の司法判断が併存するため、溝は深まっている。

 3月には、開門を命じた唯一の確定判決を無効とする判断を福岡高裁が示した。別の関連訴訟で最高裁は「開門しない」と判断しており、ねじれていた司法判断が今後、「非開門」で統一される見通しとなっている。

 たとえ統一されたとしても、絡まった糸を解きほぐすのは難しい。もはや裁判だけでは限界があろう。そうなったのは国の責任だ。地元の分断解消に向け努力しなければならない。

 有明海の諫早湾干拓は、平地の少ない長崎県に広大な水田を造るという、戦後の食糧難の頃の構想が発端。その後、目的は農地造成と高潮対策に変わり、1986年に国が事業計画を決定した。97年4月、疑問や反対の声を押し切って堤防を閉め切った。排水門に設置された鋼鉄製の板が相次いで落とされる光景は「ギロチン」と呼ばれ、衝撃的だった。「止まらない公共事業」の象徴ともなった。

 総事業費は約2530億円に上る。堤防内に約670ヘクタールの農地と、農業用水を供給する調整池約2600ヘクタールを整備した。

 営農者は、耕作面積が全国平均の数倍の規模で野菜や花などを栽培しているという。半面、「宝の海」といわれた有明海では赤潮が頻発し、特産の高級二枚貝タイラギが激減、ノリの色落ちが続いている。

 司法判断のねじれは、福岡高裁が2010年に開門を命じたのがきっかけ。当時の民主党政権は上告せず「開門」判決が確定したが、別の裁判で開門を認めない判決が後に示された。

 政権交代後、国は「事情が変わった」として14年に開門の強制執行禁止を求め、今回の訴訟を起こした。一、二審を経て最高裁は19年、事情の変化に関する審理が尽くされていないとして、高裁に差し戻した。

 そして、今回の福岡高裁の判決である。開門を命じた確定判決の効力を否定した。国の言い分を認めたとはいえ、「付言」で注文も付けている。「双方当事者とも求める有明海の再生に向けての施策の検討と、その調整のための協議を継続、加速させる必要がある」と指摘。統一的解決のための尽力を関係者も含めて、強く期待している。

 国は、重く受け止めなければならない。「開門」判決が確定したのに実行しなかったのは、国だからだ。湾閉め切りと漁場悪化との関連を解明する機会を逃してしまった。

 福岡高裁からの和解の呼び掛けにも応じなかった。「開門の余地を残した協議の席には着けない」として、漁業者に歩み寄るきっかけを自ら放棄した。

 そもそも、干拓の必要性を十分検討したのか。他の多くの公共事業と同様、進めること自体が目的になっていなかったか。環境への影響調査は十分か…。

 政府はまず、こうした疑問に答えなければならない。その上で従来の硬直した姿勢を改め、漁業への影響を直視し、有明海の再生に乗り出すべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月30日  07:05:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:日露サケ・マス交渉妥結 漁業守る取り組み継続を

2022-04-27 02:05:40 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

《社説②》:日露サケ・マス交渉妥結 漁業守る取り組み継続を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:日露サケ・マス交渉妥結 漁業守る取り組み継続を

 サケ・マス漁に関する日露の交渉が妥結した。ウクライナ情勢が緊迫化する中、交渉の行方が心配されたが、日本の漁獲枠は昨年と同規模になることが固まった。

 日露の漁業交渉は、民間の協定に基づくものも含めて主に四つある。妥結したのは、日本の200カイリ水域で国内の漁船が水揚げするサケ・マスに関するものだ。例年、春に交渉している。

 サケ・マスの場合、自国の海で漁をしても漁業者側は産卵場所のある川の所在国に協力費などを支払う必要がある。国連海洋法条約が所在国の権利を認める「母川(ぼせん)国主義」をとっているためだ。

 今回の交渉で、日本側が所在国であるロシア側に支払う協力費の下限は2億円となった。漁獲量の低迷を反映し、昨年から6000万円引き下げられた。水産庁はサケ・マスの資源管理などに充てられると説明している。 

 日露間では今後、歯舞群島・貝殻島周辺の昆布漁を巡る交渉が行われる。北方領土周辺で秋に予定されるホッケ漁などの手続きも必要となる。年末には双方の水域で相手国にサンマやサバなどの漁獲量を割り当てる交渉も控える。

 日本が「固有の領土」と主張する北方領土の周辺水域で漁業活動が円滑に行えるよう政府はロシア側と交渉を続ける必要がある。 

 交渉以外にも、気がかりなことがある。ロシア当局が日本の漁船に乗り込んで操業違反の有無を調べる「臨検」が近年、増えているという。

 昨年5~6月には日本の漁船が一時拿捕(だほ)・連行され、政府がロシア側に乗組員の即時釈放を要求する事案も起きた。今後も漁船の安全に十分目配りすべきだ。

 ウクライナ侵攻を受けて、日本は欧米とともにロシアに強力な経済制裁を科している。非人道的な戦争を一刻も早く終結させるために、今後も圧力をかけ続けることが不可欠となる。

 一方で、日本の漁業者や国民に与える悪影響を抑える努力も必要だ。ロシア側と交渉を続け、漁業などの分野で関係を維持していく際には、国際社会の理解を得ることも重要になる。

 政府には、交渉の経緯や結果などを丁寧に説明することが求められる。

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【社説①】:サケ・マス交渉 漁業権益守る努力必要

2022-04-26 05:05:25 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【社説①】:サケ・マス交渉 漁業権益守る努力必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:サケ・マス交渉 漁業権益守る努力必要 

 日本が200カイリ内で行うサケ・マス流し網漁に関するロシアとの政府間交渉が妥結した。漁獲量上限は前年同様2050トンという。

 漁獲実績に応じロシア側に支払う協力費は2億~3億13万円となった。不漁が続き、日本側の要求で下限額は6千万円下がった。

 サケ・マスは産卵した川のある国に資源の利益があり、日本の水域でもソ連時代の1985年から両国で操業条件を決めていた。

 ロシアのウクライナ侵攻では日本も経済制裁を科す。国際法違反の侵略戦争を続けるロシアとの交渉自体に批判の声もあるだろう。

 だが漁業権益は守る必要がある。協力費の利用対象もロシアの水産研究などに限定するという。

 今後は北方領土周辺の漁業交渉が続く。政府は漁業者の権利と安全を守る努力を続けてほしい。

 水産庁によると25日に正式署名し、来月初旬から操業が始まる見通しだ。交渉長期化で遅れたが、盛漁期には間に合いそうだ。

 この漁で取れるシロザケはトキシラズと呼ばれ、脂がのった高級魚として全国的に人気がある。

 今年は根室市などの19隻が出漁準備中だ。好漁を期待したい。

 昨年は7月までの漁期で漁獲は31隻で652トンだった。近年は地球温暖化の影響からか不漁傾向で協力費負担が重くなっていた。

 6月には北方領土・貝殻島周辺コンブ漁を控え、近く民間ベースの交渉が予想される。秋以降も北方四島周辺水域での安全操業や、双方の200カイリ内での操業条件を決める地先沖合漁業が続く。

 今回の決着が道を開いたことになり、その点は評価したい。

 気がかりなのはロシア側の出方だ。水産庁は今回「純粋に漁業分野だけに関する協議を行えた」と言うが、ウクライナ情勢次第で対応を変える恐れは否定できない。

 2014年のロシアのクリミア併合でも日本はG7に追随し制裁を実施したが、16年からロシア200カイリ内で日本漁船のサケ・マス流し網漁が禁止された。資源保護が名目だが報復との見方もある。

 今回は日本を「非友好国」と名指ししており、一連の交渉が妥結してもロシアによる過剰な取り締まりや拿捕(だほ)の懸念は拭えない。

 国は漁業者の安全を守るため、周辺に目を光らせつつ、連絡ルートは確保してほしい。

 経済制裁の中で漁業交渉をなぜ例外とするのか、国民に説明し理解を得ることも大切だ。各国に「抜け道」と映らぬよう可能な限り交渉経緯の透明化も求めたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月24日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【特集 気候変動】:手遅れになる前に… カキ養殖に忍び寄る影響

2022-04-19 04:30:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【特集 気候変動】:手遅れになる前に… カキ養殖に忍び寄る影響

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【特集 気候変動】:手遅れになる前に… カキ養殖に忍び寄る影響 

 日本のカキ養殖の現場で気候変動の影響が表れ始めている。二酸化炭素(CO2)濃度上昇に伴う「海洋酸性化」が進行し、一時的にカキの生育に適さないレベルに達していることが初めて確認されたと北海道大の研究者らのチームが発表した。今のところカキの生育への影響はみられないが、関係者は観測と対策の重要性を訴えている。

水揚げされたカキ=東広島市で2012年10月1日午前9時40分、竹内紀臣撮影

 「海洋酸性化はじわじわと進行している現象で、『気づいたときには手遅れ』となってしまうことが怖い」。日本のマガキ生産額の約8割を占める宮城、岡山、広島の3県の養殖海域での調査や分析に参加した藤井賢彦・北海道大准教授(環境科学・海洋学)は話す。

 海洋酸性化は、大気中のCO2を海洋が吸収して、現在は弱アルカリ性の海水の酸性化が長期にわたって進行する現象。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書(2013年)によると、数値が小さいほど酸性度が高いことを示す「水素イオン指数(pH)」は、CO2増加により海の表層水で産業革命前に比べて0・1程度低下した。酸性度が高くなると、貝や甲殻類などは炭酸カルシウムの殻や骨格などを作りにくくなる。米国西海岸では05~09年、海洋酸性化の影響とみられる養殖マガキの幼生大量死が発生し、世界的に注目が集まった。

酸性度などの観測機器を設置する様子=岡山県備前市で(日本財団提供)

 日本での調査は、日本財団とNPO法人「里海づくり研究会議」が中心となって進める「海洋酸性化適応プロジェクト」の一環。3県の養殖場や周辺海域で、20年8月(広島県は21年6月)~21年12月、pHや、生物の炭酸カルシウムの作りやすさを示す「アラゴナイト飽和度」を調べた。アラゴナイト飽和度はpHや水温などから算出するもので、値が1を下回ると化学的に炭酸カルシウムを作れなくなるとされる。

岡山県で採取したマガキの幼生。右下のスケールは0・2ミリ=NPO法人里海づくり研究会議・田中丈裕氏提供

 

 米国のマガキ幼生の飼育実験によると、アラゴナイト飽和度が1・5という指標を下回ると、殻の形の異常などの悪影響が出始めるとされる。今回の観測・分析での最低値は、岡山で0・6、宮城では1・4。広島も1以下になるときがあり、3海域すべてで1・5を下回る場合があることが確認された。藤井准教授によると、夏に大雨が降った後などに一時的にpHやアラゴナイト飽和度が下がることがあった。大雨で淡水が流入して塩分濃度が低下したり、流れ込んだ有機物を微生物が分解する過程でCO2が発生したりしたことで、短期的にアラゴナイト飽和度が1・5を下回った可能性があるという。長期的にはアラゴナイト飽和度は、海洋酸性化によって押し下げられ低下傾向にあるとみられる。

 ただし、3海域のうち最もアラゴナイト飽和度が低くなることがあった岡山でも、マガキの幼生に殻の異常などの被害は見られなかった。藤井准教授は「自然環境ではpH以外の要素も複合的に関わる。日本沿岸のpH観測態勢も充実すべきだ」と話す。

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《社説②》:諫早湾閉め切り25年 暮らし翻弄した国の責任

2022-04-19 02:02:20 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

《社説②》:諫早湾閉め切り25年 暮らし翻弄した国の責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:諫早湾閉め切り25年 暮らし翻弄した国の責任 

 国が長崎県で実施した干拓事業により、諫早湾が潮受け堤防で閉め切られてから25年がたった。

 堤防の排水門を開けるかどうかの問題は、いまだに解決していない。地域に根ざした人々の暮らしは、翻弄(ほんろう)され続けている。

 「宝の海」と呼ばれた有明海で赤潮が頻繁に発生するようになった。高級貝のタイラギが取れなくなり、ノリの色落ちも深刻だ。 

 一方で、干拓地には大規模な区画の農地が整備され、タマネギやレタスなどが栽培されている。

 漁業者は、堤防による閉め切りが不漁の原因だとして開門を求めている。営農者は開門すれば塩害が起きるなどと反対している。

 それぞれが裁判を起こし、開門を命じる判決と禁じる判決が、いずれも確定した。割れた司法判断により、混迷は深まった。 

 こうした事態を生じさせた責任は国にある。

 干拓事業は1950年代、コメ増産のため構想された。時代が変わり、必要性がなくなったにもかかわらず、高潮対策などの防災目的を前面に出して着工した。「事業ありき」と言わざるを得ない。

 開門命令判決は12年前、当時の菅直人首相が受け入れる決断をしたことで確定した。だが政府は、営農者らが納得できる対策を打ち出せず、判決に従わなかった。 

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年04月14日  02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【特集 ウクライナ侵攻】:サケ・マス、出漁できず 日露交渉停滞 北海道の漁業者「祈るだけ」

2022-04-10 09:20:30 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【特集 ウクライナ侵攻】:サケ・マス、出漁できず 日露交渉停滞 北海道の漁業者「祈るだけ」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【特集 ウクライナ侵攻】:サケ・マス、出漁できず 日露交渉停滞 北海道の漁業者「祈るだけ」 

 日本の200カイリ内に出漁するサケ・マス流し網漁が10日に解禁される予定だったが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で日露政府間の漁業交渉が開かれず、漁業者が出漁できない状況にある。漁業者からは「1日でも早く出られるよう、ただ祈るだけ」とため息が漏れる。【本間浩昭】

漁業交渉すら始まらないため、漁港の外れで陸にあげられたままの小型サケ・マス漁船=根室市の歯舞漁港で2022年4月9日午前10時13分、本間浩昭撮影

 9日、北海道根室市の歯舞漁港。例年であれば、脂の乗ったシロザケやカラフトマスを求めて出漁する小型サケ・マス漁船が、大漁旗や日の丸を掲げて10日午前0時を「いまだ遅し」と待ち受ける光景がある。だが、今年は岸壁にサケ・マス漁船の姿はなく、漁港の外れで陸にあげられたままだ。 

 日本の200カイリ内で操業するのにロシアとの漁業交渉が必要なのは、生まれた川を有する国に管轄権がある「母川国主義」による。春先から初夏にかけて日本の排他的経済水域(EEZ)内に回遊して来るサケ類の9割以上は、ロシアの川で生まれたものとされる。1992年以降は、日本200カイリ内の小型サケ・マス漁もロシア側に漁業協力費を支払う形で行われるようになった。

 漁業協力費や漁獲割当量などの操業条件は原則として毎年春、操業に先だつ漁業交渉で決められてきた。新型コロナウイルス感染拡大により過去2年はオンライン会議となったが、今年は開催のめどすら立っていない。ロシアによるウクライナ侵攻が、戦場とは遠く離れた日本での出漁を阻んでいる形だ。 

 水産庁の神谷(こうや)崇長官は3月7日の参院予算委員会で「交渉を実施すべく調整する」と答弁したが、ロシア側から前向きの回答は「ない」とされる。太平洋小型さけ・ます漁業協会(札幌市)の菅原豊専務は「情報がなく、やきもきしているが、とにかく早期に交渉してほしい。漁期を逃せば魚はいなくなってしまう」と焦る。

 交渉を行うべく調整が行われているとの報道もあるが、仮に交渉に入れたとしても、相手は日本を「非友好国」に指定したロシアだ。政府も8日に、在日ロシア大使館の外交官らに国外退去を求めている。こうした情勢下で「漁業交渉が開けるのか」と懐疑的な声も漏れる。盛漁期となる4月下旬に間に合うかどうかさえ見通せない。

家族らに見送られて日本200カイリの漁場に出漁するサケ・マス小型船=根室市の歯舞漁港で2021年4月10日午前0時、本間浩昭撮影 

 サケ・マス漁はここ数年、不漁が続いている。昨年操業した小型船も満足な漁獲がなかった。小型船は最盛期には172隻を数えたが、今年は昨年より12隻少ない19隻が出漁を予定するのみだ。

 出漁準備をほぼ整えているという根室市内の漁業者の一人は「4~6年に1度、どんと取れる年もあり、今年あたり豊漁かもしれないと期待していた」とこぼす。「日本の200カイリ内で操業するのに、漁業協力金を払わなければならないというのは腑(ふ)に落ちなかったが、当時はその分、多く水揚げすれば何とでもなった。でも、不漁続きの近年は違う。本当に魚がいないんだ」と遠い目をした。

 そして、「それにしても、遠く離れた地での戦争の影響だよ。とんだとばっちりだ」と、うなだれた。

 元稿:毎日新聞社 北海道のニュース 【企業・産業】  2022年04月10日  09:20:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【迫る】:水族館館長のレジェンド 安部義孝さん(その1) 古代魚から生命を学ぶ

2022-04-03 02:05:20 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【迫る】:水族館館長のレジェンド 安部義孝さん(その1) 古代魚から生命を学ぶ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【迫る】:水族館館長のレジェンド 安部義孝さん(その1) 古代魚から生命を学ぶ 

 薄暗い展示室に足を踏み入れ右側に並んだ水槽をのぞくと、オーストラリアハイギョやシロチョウザメ、スポッテッドガーなど「生きた化石」と呼ばれる古代魚がゆったりと泳いでいた。奥に進んで目に映ったのは、体長1メートルを超えるシーラカンスの標本だ。

アクアマリンふくしまの名誉館長、安部義孝さん。葛西臨海水族園のマグロの水槽を眺めながら、1989年の同園開園に尽力した思い出を振り返った=東京都江戸川区で2021年12月12日、吉田航太撮影

 アクアマリンふくしまの名誉館長、安部義孝さん。葛西臨海水族園のマグロの水槽を眺めながら、1989年の同園開園に尽力した思い出を振り返った=東京都江戸川区で2021年12月12日、吉田航太撮影

 水族館「アクアマリンふくしま」(福島県いわき市)は、訪れた人に地球誕生からの46億年の歴史を意識してもらいながら、生命の進化がどんなものかをたどってもらう「生きた博物館」ならではの演出で、私たちを迎えてくれる。水族館の定番のイルカショーはない。

 「新型コロナ禍と東日本大震災。この10年余りで2度もハイギョたちから『生命の進化』を考えさせられるとは」。2021年暮れ、名誉館長を務める安部義孝さん(81)と東京都内で会うと、自然災害とパンデミック(世界的大流行)を進化に結び付けて語り始めた。残り1576文字(全文1943文字)

 ※:この記事は有料記事です。創刊150年ありがとうキャンペーン 今なら2カ月無料トライアル! 〆切迫る!残り3日 いますぐ登録して続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【連載・私が思う日本】  2022年04月03日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【迫る】:水族館館長のレジェンド 安部義孝さん(その2止) イルカショー、頼らない

2022-04-03 02:05:10 | 【水産資源・漁業・水産加工・缶詰・鰻・鮪・鮨・回転寿司】:

【迫る】:水族館館長のレジェンド 安部義孝さん(その2止) イルカショー、頼らない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【迫る】:水族館館長のレジェンド 安部義孝さん(その2止) イルカショー、頼らない 

 新しい水族館を東京湾に面した葛西臨海公園に造る――。上野動物園の開園100周年に合わせ、鈴木俊一東京都知事(当時)の肝煎りの計画がスタートしたのは1981年。そのバトンを安部義孝さん(81)は85年春に引き継いだ。

 

葛西臨海水族園の園長を務めた安部義孝さん(右)。現在の園長、錦織一臣さんと意見を交わしながら今後の水族館の在り方を模索する=東京都江戸川区の同園で2021年12月12日、吉田航太撮影

 葛西臨海水族園の園長を務めた安部義孝さん(右)。現在の園長、錦織一臣さんと意見を交わしながら今後の水族館の在り方を模索する=東京都江戸川区の同園で2021年12月12日、吉田航太撮影

 時代を問わず、水族館の人気アトラクションと言えば「イルカショー」「ラッコの展示」「ダイバーによる餌付けショー」が定番。経営側からは「三種の神器」と呼ばれ「神器なくして経営は難しい」というのが「業界」の常識だった。

 85年秋、安部さんもイルカショーを盛り込んだ葛西臨海水族園の計画をまとめようとした。だが、鈴木知事に報告を上げると「新しい水族館としてどこが日本一? どこが世界一なの? 総花的だ」と一蹴された。残り2796文字(全文3110文字)

 ※:この記事は有料記事です。創刊150年ありがとうキャンペーン 今なら2カ月無料トライアル! 〆切迫る!残り3日 いますぐ登録して続きをお読み下さい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【連載・私が思う日本】  2022年04月03日  02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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