路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【中山知子の取材備忘録・05.12】:崖っぷち岸田首相「なんとしても私の手で」北朝鮮拉致問題は進展?最後の日朝首脳会談から20年

2024-05-27 07:45:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【中山知子の取材備忘録・05.12】:崖っぷち岸田首相「なんとしても私の手で」北朝鮮拉致問題は進展?最後の日朝首脳会談から20年

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・05.12】:崖っぷち岸田首相「なんとしても私の手で」北朝鮮拉致問題は進展?最後の日朝首脳会談から20年

 20年前の2004年5月22日、北朝鮮の平壌にいた。小泉純一郎首相(当時)の2度目の北朝鮮訪問に同行取材するため前日に平壌に入りし、22日の首脳会談取材に備えた。現地に到着してプレスセンターが置かれた高麗ホテルに荷物を置き、同行した社でいくつかのグループに分けられ、それぞれに北朝鮮側の担当者が同行した状態でバスに乗り、平壌市内の「表の顔」を見て回ったりした。

日朝首脳会談
開催国 朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国

 2002年9月、第1回会談

 制服姿の女子学生が歩いていたり、結婚式を挙げているカップルがいたり…。自由行動はできず、先方の決めたルートや予定に従って移動し、食事の場所も同様だった。ただ02年9月17日の最初の小泉訪朝に日帰り同行取材した際は、空港からのバス移動中に街並みを見るのが精いっぱいで、日本と変わらない初夏の日差しのもとで、高層のビルが並び立つどこか機械的な街の雰囲気は、いろんな意味で新鮮に映った。

 しかし、この国のどこかに日本人を含む多くの拉致被害者がいるのだと考えると、表向きは平和そうに見せるショーウインドー都市の「裏の顔」に思いをはせざるを得なかった。

 最初の訪朝は拉致被害者のうちの5人の帰国につながったが、2度目の小泉訪朝では被害者の帰国は実現できず、安否不明の10人について早急の「再調査」を求めて金正日総書記(当時)の了解を得ただけで、被害者家族8人のうち5人が帰国したにとどまった(その後3人も帰国)。当時の拉致被害者家族会からの「最悪の結果」と批判を受けた小泉氏は「すべての責任は私にある。批判は甘んじて受ける」と述べたが、結果的にその後、日朝首脳会談は開かれることはなかった。小泉氏とともに訪朝もした安倍晋三元首相の時代にも新しい流れには至らず、小泉訪朝後には北朝鮮の指導者が替わり、現在の金正恩朝鮮労働党総書記はミサイル発射を繰り返し国際社会の批判にさらされ、直接対話できるような状況ではない事態に陥った。

平壌市内中心部には市民の姿もみられた(02年9月撮影)
平壌市内中心部には市民の姿もみられた(02年9月撮影)

 最後の首相訪朝からまもなく20年。岸田文雄首相は最近、「私自身の手で拉致問題を解決するという強い決意のもと、全力で取り組む」と繰り返し、日朝首脳会談に意欲をみせ続けている。北朝鮮側が今年1月の能登半島地震の際に金総書記の異例のお見舞いメッセージを送ったり、正恩氏の妹・与正氏が岸田首相の訪朝の可能性に触れたり、はねつけたり。一方、首相はこれまで、さまざまなルートを通じて北朝鮮側に働きかけを続けていることを認めており、政界関係者によると「すわ訪朝か」と想定させるようなタイミングもあったという。そんな経緯もあり「外交の岸田」を自任する首相の訪朝説は、ずっとくすぶり続けている。

北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める国民大集会に出席し、あいさつする岸田文雄首相(2024年5月11日撮影)

北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める国民大集会に出席し、あいさつする岸田文雄首相(2024年5月11日撮影)

 5月11日、東京都内で開かれた北朝鮮による拉致被害者の帰国を求める「国民大集会」では、被害者家族会の即時一括帰国を要請する家族会の声に、岸田首相は「日朝首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベル協議を進める。早期実現に向けた働きかけを一層強めたい」と述べ、この場でも「なんとしても私自身の手で、拉致問題を解決するという強い決意のもとで全力で取り組む」と訴えた。

 昨年11月の同集会でも、首相は「早期の会談実現へ向けて、働きかけを一層強めていく」とほぼ同じフレーズを口にしていたが、家族会が今年2月にまとめた新たな活動方針では、被害者の親世代の家族が存命の間に即時帰国が実現するなら、人道支援、独自制裁解除に反対しないとし、岸田首相には新たなプレッシャーがかかる形となった。

 裏金問題や政治姿勢への国民の批判で、支持率がほとんど上向かず崖っぷちに立たされている岸田首相にとって、外交、特に日朝関係進展による局面打開は「反転攻勢への大きな足掛かり」(関係者)ともいわれている。真偽は別にして首相訪朝説が飛び交うのも、そんな背景が影響しているようだ。ただ、外交は相手あってのもので自分の意向だけではどうにもならない。またミサイル発射などで非難を浴びる北朝鮮側と会談するのは、相当の準備や覚悟、シミュレーションも必要。今回ばかりは「やってます感」「外交の岸田」アピールだけではすまないジレンマの中で、首相は依然さまざまな可能性を探っているとの指摘がある。

 最後の日朝首脳会談からまもなく20年。北朝鮮をめぐり積み重なってきた問題に関しては、首相の「次の一手」に大きな関心が注がれている。【中山知子】(ニッカンスポーツ・コム/社会コラム「取材備忘録」)

中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2024年05月12日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・03.06】:“ほぼトラ”前提に新世界秩序構築が各国のテーマ 作れるか日朝新時代

2024-03-13 07:40:20 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【政界地獄耳・03.06】:“ほぼトラ”前提に新世界秩序構築が各国のテーマ 作れるか日朝新時代

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・03.06】:“ほぼトラ”前提に新世界秩序構築が各国のテーマ 作れるか日朝新時代 

 ★22年11月に離任したロシアの駐日大使・ミハイル・ガルージンが外務次官(旧ソ連圏担当)に転出。その間は臨時代理大使として公使参事官・ゲンナーディー・オヴェチコが務めていたが、新駐日大使・ニコライ・ノズドレフが着任した。ガルージンも務めたロシア外務省第3アジア局長を歴任した日本通。日ロ漁業交渉の担当者で日本語も堪能。新日ロ関係の足がかりとなるかが注目される。

<picture>新たに着任したロシアのノズドレフ駐日大使=モスクワで2018年5月、大前仁撮影</picture>
新たに着任したロシアのノズドレフ駐日大使=モスクワで2018年5月、大前仁撮影

  ★4日、首相・岸田文雄は北朝鮮による拉致被害者の家族会と首相官邸で面会した。首相は「皆様の差し迫った思いを強く感じる。日朝間の明るい未来を描くため私自身主体的に動かなければならない」と改めて日朝首脳会談の早期実現に自信を見せた。1月5日、能登半島地震に対して北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が「岸田文雄閣下。日本で不幸にも、年初から地震によって多くの人命被害と物的な損失を受けたという知らせに接し、遺族と被災者に深い同情とお見舞いの意を表します」とした異例のお見舞い電報を送った。以来、両国で水面下の積極外交が進んでいるようだが、コリア国際研究所・朴斗鎮(パク・トゥジン)は2月14日の韓国とキューバとの国交正常化が拍車をかけたと指摘する。これで韓国が国交のない国はシリアと北朝鮮だけとなった。キューバを押さえたのなら、日本を揺さぶると考えたか。2月25日、家族会は「被害者の親世代が存命のうちに全被害者の一括帰国が実現するなら、日本独自の制裁解除に反対しない」とシグナルを発信した。

 ★来年には「ほぼトラ」で米トランプ大統領が就任することを前提に、どんな世界になるのかの新世界秩序構築が各国のテーマになるはず。内政で手柄が欲しい岸田政権は、今なら日朝会談に飛びついてくるという北朝鮮の情勢分析のまま、しっぽを振っていまいか。トランプが在韓・在日米軍撤退を言い出したら、東アジアの秩序は崩壊する。それより前に日朝新時代を作ることはできるか。このタイミングでのロシア駐日大使着任は興味深い。(K)※敬称略

政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年03月06日  06:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

2024-03-05 07:52:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さん…

 いい男だ。1987年、石川県の寺越友枝さんは息子の武志さんと北朝鮮で24年ぶりに再会した際、そう思ったという

 ▼息子は13歳の時、志賀町から叔父2人と漁に出て日本海で行方不明に。87年に叔父の1人から届いた手紙で生存が分かり実現した、平壌での面会である

 ▼記憶の中の息子はクリクリの丸刈りの中学生で、野球のバットが当たってできた傷が額にある。現れた中年男性に傷を見つけ確信し、涙を流してからまじまじと眺めて抱いた冒頭の感想。自著で「親が言うのはおかしいかもしれませんが」と断り、ほれぼれしたと明かしている。母親らしい感慨とも思える

 ▼友枝さんが92歳で亡くなった。訪朝は66回。武志さんの一時帰国も2002年に実現した。遭難し北朝鮮に助けられたと拉致を否定する息子を信じるとして拉致被害者の家族会を離れたが、葛藤はあった

 ▼訪朝時にこっそり真相を尋ねると黙りこむ息子。異国で一定の地位と家庭を得ている。連れ戻したいが、自分が「拉致だ。返せ」と言えばどうなるか。思いをのみこみ、通えば会える。監視がつき、全て本音で語りあえないとしても

 ▼家族会を離れる前、横田めぐみさんの母早紀江さんがこう言ったという。「友枝さんが決めていいんですよ。信じる道を。武志さんの母親は一人だけですから」。息子のために耐え、愛情を注いだ母。安らかにと祈る。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年03月01日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・02.23】:チャンスなのか罠なのか 北朝鮮との「新しい未来」は開けるか

2024-02-29 07:40:10 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【政界地獄耳・02.23】:チャンスなのか罠なのか 北朝鮮との「新しい未来」は開けるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・02.23】:チャンスなのか罠なのか 北朝鮮との「新しい未来」は開けるか 

 ★来週の政倫審開催で揺れる国会だが、水面下で北朝鮮とのハイレベル協議が急速に進み始めた。発端は今月9日の衆院予算委員会。前外務副大臣・山田賢司の質問だ。首相・岸田文雄が施政方針演説で北朝鮮の拉致被害者について「最重要課題」と位置付けたことを受け、「今までの協議とどう違うのか」と問いただした。首相は「私直轄のハイレベル協議は私自身が主体的に動いてトップ同士の関係を構築」と説明した。山田は首相に「一刻の猶予もない」と畳みかけると、首相は「諸懸案解決に向け、(朝鮮労働党総書記)金正恩(キム・ジョンウン)との首脳会談実現すべく進めている」と自信を見せた。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

 ★ここまでの答弁では、いつもながらの答弁の印象はぬぐえないが、15日、北朝鮮の朝鮮中央通信が反応。金正恩の妹で党中央委員会宣伝・扇動副部長、金与正(キム・ヨジョン)が個人の見解としながらも「日本が政治的決断を下せば両国は新しい未来を共に開ける」「日本が北朝鮮の正当防衛権に言いがかりをつけたり、拉致問題を障害物にしなければ首相が平壌を訪問する日が来る可能性もある」と、極めて示唆的なアドバルーンを揚げた。

 ★おおかた、さまざまな水面下の動きを表面化させるために両国が仕掛けた部分はあるだろうが、官邸も外務省もこのシグナルを重要視している。ことに首相が投げかけたボールに談話という形を取りながら答えた部分に1つの回答がありそうだ。首相も答弁の中で拉致に対しての怒りを抑えて答弁しており、事態が首相の人気取りだけではなく長期的なやりとりの中で生まれた発言であることがうかがえる。元衆院副議長・衛藤征士郎が会長を務める超党派の日朝国交正常化推進議連も動きだし、首相訪朝を後押ししたい考えだ。北朝鮮はロシアと蜜月が伝えられ、強力な後ろ盾を得て外交に自信を持っているが、チャンスなのか罠(わな)なのか、協議が進むことを願いたい。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2024年02月23日  08:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:平和統一の放棄 南北分断の固定を憂う

2024-02-28 07:18:50 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【社説①】:平和統一の放棄 南北分断の固定を憂う

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:平和統一の放棄 南北分断の固定を憂う 

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が、韓国を「もはや同族関係ではない。敵対的な二つの国家」と宣言し、緊張が高まっている。

 祖父の金日成(キムイルソン)主席、父の金正日(キムジョンイル)総書記から引き継いだ平和統一路線を転換すれば、東アジアの不安定化は避けられず、日本人拉致問題の解決も遠のく。南北が再び交渉の席に戻ることを求めたい。

 正恩氏は1月、日本の国会に相当する最高人民会議で、海上の境界線である北方限界線(NLL)に言及し「(韓国が)0・001ミリメートルでも侵犯するなら、戦争挑発とみなす」と述べた。
 
 NLLに近い延坪島(ヨンピョンド)には2010年、北朝鮮から約170発の砲弾が撃ち込まれ、4人が死亡した。1月には周辺海域で砲撃の応酬もあり住民の不安は募る。
 さらに正恩氏は2月中旬、新型地対艦ミサイルの発射実験を指導し「国境線水域での軍事的態勢を強化する」と重ねて主張した。
 
 正恩氏が挑発を繰り返すのは、4月10日投開票の韓国総選挙を前にした尹錫悦(ユンソンニョル)政権への揺さぶりや、11月の米大統領選でトランプ氏が返り咲くことに備えるため、との指摘がある。
 
 また、経済的に豊かで自由な韓国への北朝鮮国民の憧れが、体制維持の最大リスクになると認識した正恩氏が、意図的に「敵対的な二つの国家」をつくり出そうとしているとの見方もできる。
 
 正恩氏が昨年9月、軍事協力を通じてロシアのプーチン大統領と急接近し、自らの核・ミサイル開発に自信を深めていることも背景にあるのだろう。
 
 米国務省元高官、ロバート・カーリン氏ら専門家は「正恩氏は戦争の決断をした」と分析。19年の米朝首脳会談の決裂後、北朝鮮は対米正常化を断念し、中国やロシアなど権威主義勢力に依存して体制維持を図る方針に転じたと指摘し、1950年の朝鮮戦争勃発と同様「最も危険」と警告した。
 
 東アジアには、権威勢力と民主主義陣営との対立とは異なる独自の歴史と交流がある。民族の悲願である平和統一の理想を捨て、分断が固定化されてはならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月27日  08:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【外交】:「金正恩総書記がゴキゲンないまこそ、この固い扉をこじ開ける…!」岸田文雄首相が全力を注ぐ22年ぶり電撃訪朝計画「驚愕の条件」

2024-02-23 08:04:20 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【外交】:「金正恩総書記がゴキゲンないまこそ、この固い扉をこじ開ける…!」岸田文雄首相が全力を注ぐ22年ぶり電撃訪朝計画「驚愕の条件」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外交】:「金正恩総書記がゴキゲンないまこそ、この固い扉をこじ開ける…!」岸田文雄首相が全力を注ぐ22年ぶり電撃訪朝計画「驚愕の条件」

 「条件は整った。あとはゴーサインを待つだけだ」―。支持率が下がる一方でも、岸田総理が不敵な笑みを浮かべているのは、一発逆転の秘策があるからだ。訪朝作戦の裏側を緊急リポートする。

【写真】文在寅の「引退後の姿」がヤバすぎる…衝撃ショットを見る!

◆三代目という共通点

 「総書記の考え方が、最近ようやくわかってきたんだ。言ってしまえば、彼も私と同じ世襲政治家だ。どこかで父や祖父を超えたい、認められたいという気持ちがあるんだろう。私にはよくわかるんだよ……」

◆煽て倒される金正恩

 そのロシアの窮地を救った重要なプレイヤーが、正恩なのだ。外務省関係者が解説する。  「プーチンからの武器支援の懇願を受けた正恩は、100万発を超えるウクライナ攻撃用の砲弾や、自爆型ドローンをロシアに贈りました。  

 ■週刊現代(講談社)

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【政策・外交・北朝鮮・担当:週刊現代(講談社)編集部】  2024年02月23日  07:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【日本一詳しい北朝鮮分析】:「金与正の遠吠え」が日米韓を走らせた!

2024-02-23 08:04:10 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【日本一詳しい北朝鮮分析】:「金与正の遠吠え」が日米韓を走らせた!

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日本一詳しい北朝鮮分析】:「金与正の遠吠え」が日米韓を走らせた!

 朝鮮中央通信は2月15日午後8時に「金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会副部長の談話」を報じた。「談話」は、岸田文雄首相の2月9日の衆院予算委員会での「日朝間の現在の状況を大胆に変えるべき必要性を強く感じる」、「自分自身が朝鮮民主主義人民共和国国務委員長と主動的に関係を結ぶことが極めて重要であり、現在多様な経路を通じて引き続き努力している」との発言に対する反応であった。特に岸田首相が「大胆に変えるべき必要性」を強調したことが注目された。

 金与正党副部長の「談話」は「岸田首相の今回の発言が、過去の束縛から大胆に脱して朝日関係を前進させようとする真意に端を発したものであるなら肯定的なものと評価することができない理由はないと考える」と岸田首相の発言を肯定的に評価した。

 さらに「条件」を付けた上で「両国が近くなることができない理由などないであろうし、首相が平壌を訪問する日が来ることもあり得る」と岸田首相の平壌訪問の可能性にまで言及するというサービスぶりを見せて注目を集めた。問題は「条件」であった。

 ◆談話の主体も、対価もレベルアップ

 北朝鮮は、岸田首相が昨年5月27日に「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」で行った「首脳会談早期実現のため、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」という発言に対し、2日後の同29日に朴(パク)サンギル外務次官が「関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が互いに会えない理由はない」という談話を発表して驚かせた。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

 今回の金与正談話は、談話を出した主体を外務次官から党副部長に、談話の内容も「両国が会えない理由がない」から「首相が平壌を訪問する日が来ることもあり得る」とレベルアップしたものだ。日本政府に、より魅力的な「成果」を見せつけたと言ってよい。

 金与正氏は単なる「党副部長」というよりは、「最高指導者の妹」である。さらに、金与正党副部長はこれまで対南(韓国)問題や対米問題で談話を発表してきたが、対日問題での公開的な発言はこれが初めてであり、活動領域を日朝関係まで広げた点でも注目された。

 北朝鮮は昨年5月に外務次官の談話を出し、そして、今年1月には、能登半島地震への金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の慰労電を岸田首相に送った。北朝鮮の最高指導者が日本の災害で日本の首相に慰労電を送ることは異例であり、岸田首相を「閣下」と呼称したことも異例であった。

 今回、それに続く金与正談話は、明らかに一定の意図を持って対日攻勢を掛けているとみられた。そのレベルが金正恩党総書記の妹という政権中枢から発されたことには意味があるように見えた。

 ◆「拉致問題は解決済み」、「核・ミサイル容認」が前提条件

 しかし、「平壌訪問」には大きな障壁があるようだ。「談話」は、「すでにすべて解決した拉致問題や、朝日関係改善とは何の縁もない核・ミサイル問題」を持ち出さないことを平壌訪問の前提条件にしており、これでは、日本政府が交渉を進められるはずがない。

 「談話」は「これまで日本が、すでにすべて解決した拉致問題や、朝日関係改善とは何の縁もない核・ミサイル問題を前提として持ち出し続けてきたことによって両国関係が数十年にわたり悪化の一途をたどることとなったということは、誰もが認める事実である」とした。その上で「日本がわが方の正当防衛権に対して不当に食って掛かる悪習を振り払い、すでに解決した拉致問題を両国関係展望の障害物として置くことさえしなければ両国が近くなることができない理由などないであろうし、首相が平壌を訪問する日が来ることもあり得るであろう」とし、正当防衛権の発動として行ったという核・ミサイル開発に文句を言わず、拉致問題を関係改善の障害物にしなければ、岸田首相の平壌訪問も可能であるとした。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

 つまり、「談話」は、北朝鮮は、拉致問題は解決済みであり、再交渉の対象ではないとし、核・ミサイル開発は北朝鮮の自衛権の問題であり、日朝関係改善とは関係がないと主張している。拉致問題についてこれ以上、言及せず、北朝鮮が核兵器やミサイルを持つことを認めた上で、日朝関係を改善するために平壌へ来るのなら受け入れることもできるという、これまで以上に従来の北朝鮮の原則的な立場に変化がないことを示した。

 「談話」は「首相が平壌を訪問する日が来ることもあり得る」と、何か、北朝鮮側が大きく譲歩でもしたかのような印象を与えながら、そこへたどり着くためには大きな「障壁」があることを明確にしたといえるもので、北朝鮮の「譲歩」にはほど遠い。巧みな宣伝扇動のテクニックだ。

 ◆韓国はすでに疑心暗鬼

 金与正談話の内実は上記のように厳しいものだが、「日本の首相の平壌訪問」というアドバルーンに、韓国では早速、日朝接近だという疑心暗鬼が生まれている。

 韓国紙「中央日報」は2月15日付で「米国・日本に向けた北朝鮮の直接取引の動き…韓国が疎外されてはいけない」という社説を掲載し、「しかし、(韓国)政府はこの過程で韓国が疎外されたり、見通しが立たなくなったりする状況を管理するために積極的に取り組まなければいけない」と、日朝接近で韓国が疎外されてはならないと警戒心を露わにした。同社説は「日帝強制支配(植民地支配)や韓国戦争(朝鮮戦争)など韓国の意志とは関係なく苦痛に耐えなければならなかった教訓を忘れるべきでない。北朝鮮の非核化交渉は米国が行い、経済的補償などは韓国が負担するジュネーブ合意(1994年)や9・19共同声明(2005年)を繰り返してはならない」と主張した。だが、今回の談話を前述の歴史的事案や非核化交渉の過去の事案と比較するのは論理の飛躍であり、冷静な判断とは思えない。日朝はまだ接触すら十分に出来ていない中で、こういう反応が出ること自体が、北朝鮮の思うつぼである。

 「朝鮮日報」も同日、「岸田首相の訪朝とトランプ再選に期待する北朝鮮…韓米日協力に揺さぶり攻勢」と題した記事を掲載し「北朝鮮は日本の岸田文雄首相の平壌訪問というカードを利用し、韓米日三角協力の構図に揺さぶりをかける意図を隠そうとしない」と指摘した。

 これに対し、韓国外務省当局者は、日朝の接触について「北の非核化と韓(朝鮮)半島の平和・安定に助けになる方向で行われなくてはならない」とし「韓国政府は日朝接触を含め北の核や北韓問題について日本側と緊密に意思疎通を行っている」と語り、日朝接触は北朝鮮の非核化に寄与する方向で行わなければならないとした。韓国政府は日朝交渉への評価に言及することを避けながら、日朝交渉は北朝鮮の「非核化」や「半島の平和・安定」に寄与するものでなければならないと注文を付けた。

 韓国の反応は日朝の動きに猜疑心を抱いているように映った。

 ◆米「北朝鮮とのあらゆる外交や対話を支持する」

 米国は韓国と異なった反応を示した。米国務省のジュン・パク副次官補は2月15日、一部の外国メディアとの懇談会で、金与正党副部長の談話に関連し、日朝対話が実現すれば支持する姿勢を示した。記者団に「北朝鮮とのあらゆる外交や対話を支持する。今後を見守るべきだが、拉致問題解決に向けた日本政府の努力を強力に支援する」と語った。

 ジュン・パク副次官補は「何か起きるかもしれないと言うには早過ぎる」とした上で「北朝鮮はこの間、ロシア、中国を除いた他の国との対話・外交に関心がなかった」と指摘した。

 米国家安全保障会議(NSC)のラップフーバー・インド太平洋部長も2月15日のセミナーで「米国だけでなく、同盟国の北朝鮮関与を支持する」と述べ、日朝の接触を支持する姿勢を見せた。

 北朝鮮がこの間、あまりにミサイル開発に邁進し、対話や外交に背を向けていたために、米国自身でなくとも同盟国と対話姿勢を示すのは歓迎すべきだという姿勢であった。

 米国のこの対応は賢明な対応であった。北朝鮮の対日攻勢は日米韓3国連携への牽制であり、くさびと見られる中で、米国が公開的に日本に批判的な、もしくは懐疑的な姿勢を示すことは、日米韓連携にマイナスになり、北朝鮮の思うつぼだ。

 日本の北村滋内閣情報官は2018年7月にベトナムでキム・ソンヘ統一戦線策略室長と秘密接触をしたが、この事実を明らかにしたのは米国のワシントン・ポストであった。これは日本政府が事前に米国に伝えず北朝鮮と秘密接触をしていたことを米国が不快に思い、米メディアに情報をリークしたとされた。

 今回の対応はこうした対応と異なり、日本の拉致問題の特殊性を理解し、日朝交渉を支持する姿勢を見せるとともに、日米韓の連携に影響を与えないように対応したとみられた。不満があれば、日米は水面下でやりとりすれば良いことで、公開的にやり合うことにメリットはない。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

 ◆韓国・キューバ国交樹立の外交打撃を取り繕う効果も

 一方、韓国外務省は2月14日夜(日本時間)、韓国とキューバの国連代表部が米ニューヨークで書簡を交わし、両国が国交を樹立したと発表した。北朝鮮にとってキューバは伝統的な友好国であり、大きな打撃であることは言うまでもない。

 北朝鮮が翌日の2月15日夜に金与正談話を発表したが、このタイミングでの談話発表は、韓国とキューバの国交樹立の外交的打撃を「日本カード」を出して、取り繕うとする意図が反映したものであろう。キューバが韓国との国交樹立で北朝鮮を裏切ったことで、北朝鮮が「背信感」を抱いたことは間違いない。金正恩党総書記は、昨年末の党中央委第8期第9回全員会議(総会)拡大会議でで、「社会主義国の政権党との関係発展に力を入れながら」、「米国と西側の覇権戦略に反旗を翻す反帝・自主的な国々との関係をより一層発展させて、わが国家の支持・連帯の基盤をさらに固めて国際的規模で反帝共同行動、共同闘争を果敢に展開していく」とした。しかし「社会主義国の政権党」であり、「米国と西側の覇権戦略に反旗を翻す反帝・自主的な国々」の中核メンバーであるキューバが経済的な実利のために韓国との国交を結んだのだから、金正恩党総書記の党中央委総会で示した方針に大打撃となるしかない。

 朝鮮中央通信は2月14日に、金正日総書記の誕生日(同16日)を迎え、平壌駐在外交団が同13日に花かごや祝賀書簡を北朝鮮側に伝えたと報じた。朝鮮中央通信はこの行事にロシア大使、ベトナム大使、シリア大使が参加したことを伝えたが、キューバについては言及しなかった。また、朝鮮労働党中央委員会は2月14日に平壌駐在外交団のための宴会を催したが、ここでも外交団長であるロシア大使の発言だけが報じられ、キューバへの言及はなかった。北朝鮮メディアがキューバへの言及を避けているのはキューバが韓国と国交を樹立したことへの不快感の表明とみられた。

 しかし、北朝鮮が急接近しているロシアも、経済的な結びつきの強い中国もすでに韓国との国交を持っており、キューバが韓国と国交を結んだとしても、北朝鮮側がキューバとの国交を断絶するような事態は起きないとの見方が有力だ。しかし、一時的には、キューバとの緊張関係が続くであろう。

 ◆金与正は「個人の見解」を強調したが

 金与正党副部長の「談話」は最後に「今後、岸田首相の内心を見守らなければならないであろう」とした上で「これはあくまでも、私個人の見解であって、私は公式に朝日関係を評価する立場ではない」と付け加えた。

 国営の朝鮮中央通信が「朝鮮労働党中央委員会副部長」の「談話」を伝えたのに、その「談話」の内容が「私個人の見解」であるはずがない。

 金与正党副部長の談話は時々「委任により」という言葉が挿入されることがある。これは金正恩党総書記の「委任」を受けて発表しているという意味だ。「委任により」がない場合は自らの責任で発表したということだが、これも公式のメディアで発表される場合は金正恩党総書記の同意を取っているのは間違いない。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

 今回はそういうスタイルの上にわざわざ「私は公式に朝日関係を評価する立場ではない」とし「私個人の見解」とした。金与正氏はこれまで対米、対南(韓国)に関する談話を発表したが、対日問題で発言をするのは初めてだ。

 北朝鮮の対日外交はこれまでいくつものルートがあった。第一は外務省ルートだ。これも外務省とその傘下団体の対外連絡協会や朝日交流協会、第二は党統一戦線部や、この傘下団体のアジア太平洋委員会だ。第三は公安機関である国家保衛省を通じたラインだ。

 金与正氏は現在、党宣伝扇動部の副部長とみられている。党宣伝扇動部の副部長が対日問題に言及するのは権限外のことであろう。しかし、対南や対米についても、本来は金与正氏の職務権限外である。しかし、金与正氏は対米、対南で談話を出すなどその政策決定に強く関与してきた。現在、党書記局には国際担当書記、対南担当書記がおらず空席だ。これは金与正党副部長の活動を制約しないための措置とも見える。

 かつて、小泉純一郎首相と金正日総書記の首脳会談のために、田中均外務省アジア大洋州局長とミスターXこと、柳京(リュ・ギョン)国家保衛部(当時)副部長が両国の最高指導者に直結する人物として小泉首相の訪朝を準備した。しかし、現在の北朝鮮には対日政策のコントロールタワーとなる責任者が不在の状況だ。北朝鮮が本気で対日交渉を動かそうとすれば、「ミスターX」のような存在が必要になるが、北朝鮮はまだそのような状況ではないと判断しているようだ。金与正氏は今回談話を出したが、そういう対日責任者ではないことを確認したといえる。

 金与正氏の談話は朝鮮中央通信では報じられたが、一般人民が接することのできる党機関紙「労働新聞」や内閣と最高人民会議の機関紙「民主朝鮮」、朝鮮中央放送(ラジオ)、や朝鮮中央テレビでは報道されなかった。

 ◆日本政府は、「留意」するが、拉致問題は解決済みではない

 こうした中で、日本政府はどう対応したのか。林芳正官房長官は2月16日の記者会見で「留意している。評価を含めてそれ以上の詳細は交渉に影響を及ぼす恐れがあるため差し控える」と述べた。だが、北朝鮮が拉致問題を「解決済み」などとしたことに対しては「解決されたとの主張は全く受け入れられない。日朝平壌宣言に基づき拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決する方針に変わりはない」と金与正党副部長の談話内容を批判した。北朝鮮側の狙いを問われたが、コメントを差し控えた。

 拉致は解決済みという北朝鮮を非難すれば、対話への道が途絶えかねない。かといって、「平壌訪問も可能」という誘いに乗れば、拉致問題や核・ミサイル問題への対応が非難される。日本政府としても対応に苦慮するしかない。

 岸田首相は2月9日の衆院予算委員会で、日朝間の秘密接触の有無などには言及せず、日朝首脳会談実現への環境整備について「私が自ら必要な判断を行う。具体的にさまざまな働きかけを行っている。そういった現状だ」と強調した。岸田首相は「具体的にさまざまな働きかけ」が何であるかは明らかにしなかった。しかし、金与正党副部長の「談話」は「現在までわが国家指導部は朝日関係改善のためのいかなる構想も持っておらず、接触にも何の関心もないと知っている」とし、北朝鮮指導部が日朝関係改善の青写真もなく、接触に関心がないとした。これを見ると、日本政府の「さまざまな働きかけ」とは、接触を求めているが、北朝鮮側が応じていないということのように見える。

 ◆「日米韓」で、「日本」が当面の揺さぶり対象

 金正恩党総書記は、昨年末の党中央委総会でも、「わが共和国(北朝鮮)に対する敵視政策を実現する上で最も忠実な手先、『忠犬』となっている南朝鮮の連中と日本の連中をより執拗に引き入れて両者、3者協力の拡大を謀り、反朝鮮共助体制を構築するための米国の策動は安保不安を抱えている南朝鮮の連中の利害関係とマッチして、今年に入って一層ひどく拡大された」と日米韓3者の連携、日韓、米韓の連携を強く非難した。

 米国のバイデン米大統領、日本の岸田首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、昨年8月に米ワシントン近郊の米大統領山荘キャンプデービッドで日米韓3カ国首脳会談を行い、北朝鮮だけでなく、中国に対しても連携を強化するとした。この「キャンプデービッド原則」は、3カ国で政権交代があってもよいように枠組みを提示したといえる。

 北朝鮮はこの「キャンプデービット原則」で示された日米韓3国連携に強い反発を示し、これに対抗しようとしている。北朝鮮にとって韓国は「交戦中の敵国」であり、米国はこの3カ国連携の主導者であると認識している。そうなると当然、日米韓の連携を揺さぶろうとすれば、そのターゲットは日本ということだ。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

 北朝鮮の昨年5月の外務次官談話、今年1月の能登半島地震の見舞い電報、今回の金与正談話という波状的な対日アプローチは日朝関係をめぐる外交攻防であると同時に、日米韓3カ国連携に対する揺さぶりでもあろう。こうしたアプローチは今後も続くとみられる。

 一方、日朝関係については、北朝鮮は昨年5月の外務次官談話で「日本は言葉ではなく、実践行動で問題解決の意志を示さなければならない」と日本へ要求したが、岸田政権は日米韓の軍事的な協力関係強化を図ったが、日朝関係改善への具体的な動きは見せなかった。岸田首相は今年2月9日の衆院予算委員会で「私が自ら必要な判断を行う」、「昨今の日朝関係の現状に照らし、大胆に現状を変えなければならない必要性を強く感じる」と踏み込んだ発言をしたが、何を「大胆に変えなければならない」のかは不明だ。 北朝鮮側は「日朝間の接触に関心がない」としている。接触をしたいのであれば、日本政府の対北朝鮮政策の姿勢が変わったということを「実践行動」で示せということのようだ。

 ◆「希望」掲げ、受け入れられない「条件」提示

 金与正談話は、「私自身が主体的に動いて、トップ同士の関係を構築する」と言う岸田首相に「平壌訪問も可能」という「希望」を提示した。しかし、その「希望」を実現するためには拉致問題や核・ミサイル問題は問題にしないという、日本側としては到底、受け入れ難い「条件」を付けた。

 しかし、日本側としては、北朝鮮が設定した枠組みの抜け穴を探さなくてはならない。あり得るとすれば「前提条件を付けず、あらゆる関心事を協議する」という合意下で首脳会談を行い、結果として日本側は最大の関心事である拉致問題や核・ミサイル問題にも言及するという形になるしかないように見える。当然、北朝鮮側は制裁解除や国交正常化、過去の清算などを持ち出してくるだろう。これに対する何らかの対応も必要になるだろう。

 しかし、現在は、日朝間の水面下の接触も切れた状態だ。敵対国同士であれ、相手が何を考えているかを知る必要がある。日朝は公開的であれ、水面下であれ、何らかの対話ルートを早急に構築するべきだ。その中で、何らかの「抜け穴」を見つけなければならない。

 北朝鮮の金与正党副部長の日朝関係に対する「個人の見解」なる談話が、日本だけでなく、韓国や米国にも波紋を呼んでいる。わずかA4用紙1枚の「個人の見解」がこれほど論議の対象になるのだから、北朝鮮の宣伝扇動技術はたいしたものである。

 ■PERSON

 1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース 政治 【政策・外交・北朝鮮・担当:平井 久志 ジャーナリスト】  2024年02月22日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:北の「統一」放棄 軍事行動の危険度が増した

2024-02-05 05:01:50 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【社説①】:北の「統一」放棄 軍事行動の危険度が増した

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:北の「統一」放棄 軍事行動の危険度が増した

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が、韓国との平和統一の放棄を宣言した。北朝鮮が対韓軍事行動を起こす危険度が一段と増した。日米韓は抑止力強化を急ぐべきだ。

 金総書記は最高人民会議での施政演説で、韓国について「和解と統一の相手とみなすのは深刻な時代錯誤になる」とし、「第1の敵対国、不変の主敵」と憲法で位置づけるべきだと述べた。

 さらに、「およそ80年間の北南関係史に終止符を打つ」とも主張し、「自主・平和統一・民族大団結」という統一の3大原則を憲法から削除するよう指示した。韓国との対話の窓口となる機関も廃止するという。

 これに関連し、統一を目指す精神の象徴だった平壌の祖国統一3大憲章記念塔が撤去された。

 「平和統一」は、空文化していたとはいえ、金日成主席以来の対韓国政策の中核だった。金総書記は、祖父から父の金正日氏を経て引き継がれてきた大原則の転換になぜいま踏み切ったのか。

 北朝鮮が韓国と戦争を始める布石ではないかとの懸念が国際社会で高まるのは当然だろう。

 特に、韓国への核攻撃を示唆する金総書記の言動が目立っていることが心配だ。昨年末には「敵が核で挑発してくる時は核攻撃も 躊躇ちゅうちょ しない」と述べた。戦術核弾頭を搭載できる巡航ミサイルの発射も繰り返している。

 軍事的威嚇を強め、米国が直接交渉や制裁解除に応じることを狙っているとの見方もあるが、そのこと自体、言語道断だ。衝突を招きかねない 恫喝どうかつ は許されない。

 一連の動きの背景に、韓国の尹錫悦政権が日米と連携して北朝鮮に厳しい姿勢をとっていることへの反発があるのは間違いない。

 だが、日米韓の結束を招いたのは、北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁決議を無視して核・ミサイル開発を強行しているからだ。

 北朝鮮の後ろ盾となっている安保理常任理事国の中国とロシアの言動も問題だ。北朝鮮がミサイル発射を繰り返しても、両国は追加制裁を阻んできた。

 特にロシアは、北朝鮮からの武器提供の見返りに、衛星発射の技術開発を支援した疑いが持たれている。中露は、北朝鮮を増長させる行いを即刻やめるべきだ。

 北朝鮮を抑止するためには、日米韓が結束を強め、万が一に備えることが欠かせない。同時に、金総書記が暴走すれば体制崩壊につながるという警告のメッセージを発信する必要がある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年02月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【視点】:北朝鮮の脅威論 「圧力」だけに振り切らぬように 政治部・我那覇圭

2024-01-17 06:54:20 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【視点】:北朝鮮の脅威論 「圧力」だけに振り切らぬように 政治部・我那覇圭

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点】:北朝鮮の脅威論 「圧力」だけに振り切らぬように 政治部・我那覇圭

 昨年12月半ばに韓国を訪れ、北西部の非武装地帯(DMZ)にある「都羅展望台」に足を運んだ。曇天の下、軍事境界線の向こうに広がる北朝鮮の大地を眺めると、工業団地がある開城の建物群が確認できた。さらに展望台に設置された望遠鏡からは、肩を並べて歩いたり、自転車で走ったりする現地の人たちの姿も見えた。

軍事境界線の向こうに広がる北朝鮮の様子=韓国北西部の「都羅展望台」で

軍事境界線の向こうに広がる北朝鮮の様子=韓国北西部の「都羅展望台」で

 日本ののどかな地方都市のようにも映ったが、展望台周辺に目を転じると、立ち入りは厳しく制限され、地雷が敷設されていることを警告する表示板があちこちに掲げられていた。休戦から70年を過ぎても緊張が続く現実を改めて突き付けられ、近くの建物の壁に白くすすけた文字で書かれた「分断の終わり、統一の始まり」というメッセージがもの悲しく感じられた。
 
 昨今の情勢を考えると、南北の分断が終わる気配はなく、むしろ平和的な統一は遠のくばかりだ。北朝鮮メディアによれば、昨年末には金正恩朝鮮労働党総書記が、韓国との関係を「もはや同族ではなく敵対的な二つの国家、交戦国の関係に固定化された」と主張。今年に入ってから、朝鮮半島西側の黄海に向けて砲撃を繰り返している。
 
 昨年1年間を振り返っても、北朝鮮は発射の兆候を捉えにくい固体燃料式を含む弾道ミサイルをたびたび発射し、技術の進展をアピール。軍事偵察衛星も打ち上げ、2017年以来となる7回目の核実験の可能性が取り沙汰された。一方で、北朝鮮の国民の厳しい暮らしぶりは変わらず伝えられており、国民の犠牲の上に軍事的な挑発を重ねる為政者の振る舞いには、憤りしか感じない。
 
 これに対し、日米韓の3カ国は、北朝鮮の脅威などを理由に軍事的な連携で対抗しようとしている。昨年8月には米ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドで首脳会談を行い、安全保障の協力を「新たな高み」へと引き上げる合意を交わした。首脳や閣僚級の会談を定例化し、自衛隊と米韓両軍による共同訓練の定例化も打ち出した。
 
 訪韓中に取材する機会を得た元北朝鮮公使で保守系与党「国民の力」に所属する国会議員の太永浩(テヨンホ)氏も、この合意を高く評価し、「韓日が北朝鮮の核、ミサイルの脅威にどう共同して対応できるかが一番重要だ」と強調。合意内容を日韓両国の議会でも後押しする必要性を訴えた。韓国政府関係者からも、日本との連携に期待する複数の声を聞いた。
 
 日本国内でも、北朝鮮脅威論を背景に「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有や防衛費の増額などが議論されている。核兵器で威嚇する相手に対して抑止力が必要だとしても、軍事力の強化に傾注し、戦後日本が築き上げた「平和国家」を揺るがす議論には危険性も潜む。対北への「圧力」に傾注することで、「対話」の可能性がかき消されないか注視したい。
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】  2024年01月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:北の核・ミサイル 資金源の遮断急がねば

2023-12-21 08:26:40 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【社説②】:北の核・ミサイル 資金源の遮断急がねば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:北の核・ミサイル 資金源の遮断急がねば 

 北朝鮮が18日、首都平壌付近から北東の日本海に向けて、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」1発を発射した。
 
 火星18は全米を射程に入れる固体燃料式の新型ICBMで、高角度のロフテッド軌道で打ち上げたものとみられる。国連安全保障理事会決議に違反する行為であり、断じて容認できない。
 
 北朝鮮の弾道ミサイル発射は人工衛星の打ち上げも含めて今年21回目。17日の短距離弾道ミサイルの発射に続き2日連続だった。
 
 開発を急ぐ最大の目的は、射程が異なるミサイル発射で日米韓3カ国の攻撃が可能だと威嚇し、核を保有する軍事大国として対米交渉などで外交の主導権を確保することにあるのだろう。
 
 しかし、国連総会の軍縮委員会は10月、北朝鮮は「核保有国の地位を得ることは決してできない」とする決議案を採択した。
 
 北朝鮮は国際社会の声を誠実に受け止めねばなるまい。
 
 国際社会にとって喫緊の課題は北朝鮮が近年の制裁で落ち込んだ外貨収入を獲得するための新たな手段としている不正なサイバー活動を阻止することである。
 
 北朝鮮に対する制裁状況を調べる国連安保理の専門家パネルは9月に中間報告書を公表し、同国が2022年、世界各地の金融機関や暗号資産(仮想通貨)業者などへのサイバー攻撃で、推定17億ドル(約2450億円)を盗んだと指摘した。21年の4億ドルから激増しており過去最高だという。
 
 盗んだ資金の大半は核・ミサイル開発に充てられたとみられる。日米韓3カ国を軸に国際的な連携を強め、不法な外貨獲得の遮断を急ぐよう求めたい。
 
 安保理では、度重なるミサイル発射を巡り、拒否権を持つ常任理事国の中国やロシアが北朝鮮を擁護する姿勢を崩しておらず、国連が一致して行動することができない状況が続いている。
 
 中ロ両国の無責任な振る舞いは地域情勢を緊張させる重大な原因になっている。日米韓3カ国は結束してこうした現状も国際社会に強く訴えていかねばなるまい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年12月21日  08:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【Jアラート】:「こんなに早く発射とは」対象地域、防災無線鳴り響いた沖縄

2023-11-22 00:38:30 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【Jアラート】:「こんなに早く発射とは」対象地域、防災無線鳴り響いた沖縄

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【Jアラート】:「こんなに早く発射とは」対象地域、防災無線鳴り響いた沖縄 

 全国瞬時警報システム(Jアラート)の対象地域となった沖縄県では21日夜、北朝鮮からのミサイル発射を知らせるけたたましい防災無線が繰り返し鳴り響いた。県庁では、Jアラートが発出された当時、2人態勢で警戒しており、職員らが登庁して被害の確認など情報収集に当たった。職員の一人は「こんなに早いとは」とこぼした。

沖縄県石垣市役所で対応に追われる職員ら(共同)

 

 宮古島市の無職、平良賢治さん(68)は車で自宅に向かう途中、Jアラートで打ち上げを知り、慌てて近くのスーパーに駆け込んだ。「何か起きたら怖くて建物を探した。落下したらどうしようと毎回怖い。なぜこんなことをするのか」と不安げだった。

 一方、友人と飲食店にいた宮古島市の40代男性は「楽しい気分がそがれるので、携帯の通知を切ってしまった。島内の自衛隊増強を進めるために、政府が危機をアピールしているように思える」とあきれていた。

 与那国町役場では、電話が鳴る中、職員数人が大きな声をかけ合いながら対応に追われた。午後11時15分ごろには、避難の呼びかけを解除する防災無線が鳴り響き、職員は「予定より早い発射で驚いた」と慌ただしく話した。

 石垣市の中心部はJアラートが鳴っても多くの人が飲食を楽しむなど、普段と変わらない様子だった。石垣市の会社員金城拓海さん(26)は今年3回目の発射にうんざりした様子。「予告より前のタイミングでまさかこんなに早く打つと思っていなかった」と語った。

 沖縄県で警戒に当たっていた陸上自衛隊幹部は「元からルールなんて守らない国ですから」と冷ややかだった。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・全国瞬時警報システム(Jアラート)・北朝鮮からのミサイル発射を知らせる】  2023年11月22日  00:38:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・07.21】:北朝鮮のミサイルに中露合同演習 日本海は「世界で最も危険な海」に

2023-07-28 07:40:10 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【政界地獄耳・07.21】:北朝鮮のミサイルに中露合同演習 日本海は「世界で最も危険な海」に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.21】:北朝鮮のミサイルに中露合同演習 日本海は「世界で最も危険な海」に 

 ★19日は日本海があわただしい日を送ったといえる。北朝鮮はこの日未明に平壌(ピョンヤン)近郊の順安(スナン)近くから日本海、日本の排他的経済水域(EEZ)に向け短距離弾道ミサイル(SRBM)2発を発射した。戦略原子力潜水艦としては42年ぶりに韓国の釜山海軍作戦司令部基地に18日入港した戦略・戦術核弾頭を装着できるトライデント2核ミサイル24基で武装した米原潜「ケンタッキー」を韓国大統領・尹錫悦(ユン・ソンニョル)が19日に訪問。指揮統制室とミサイル統制室、ミサイル貯蔵庫などを視察した。米原潜を外国首脳に見せるのは初めてという。またソウルでは米韓政府の核戦略を協議する「核協議グループ(NCG)」の初会合が開かれた。

 ★一方、中国人民解放軍機関紙「解放軍報」は日本海域で中露合同演習を発表した。演習名は「北部・連合2023」。「戦略的海上通路の安全守護」が目的で18日から29日まで行われる予定。ロシア国防省によればウラジオストクの基地から太平洋艦隊所属の艦艇が東海(日本海)で合同演習に対潜駆逐艦「アドミラル・トリブツ」と「アドミラル・パンテレーエフ」の2隻と哨戒艦などを派遣したといい、人民解放軍の北部戦区の青島海軍基地艦隊から誘導ミサイル駆逐艦「チチハル」「貴陽」、誘導ミサイル小型駆逐艦「棗荘」「日照」、総合補給艦「太湖」などが参加、いずれも「ケンタッキー」を想定した対潜編成で、北朝鮮のミサイル実験も呼応しているとみられる。米側も「ケンタッキー」を派遣することで中露がどのクラスの艦船を出してくるかは大いに興味のあるところだろう。これでは日本海を舞台にした日米韓に対して中露北連合といえる。

 ★18日、防衛相・浜田靖一は「重大な関心を持って警戒監視に万全を期す」とした。20日、韓国紙「ハンギョレ新聞」は「いつしか東海(日本海)は、世界で最も危険な海」と評した。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年07月21日  07:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:北ミサイル発射 日米韓連携で抑止力強化急げ

2023-06-17 05:00:50 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【社説②】:北ミサイル発射 日米韓連携で抑止力強化急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:北ミサイル発射 日米韓連携で抑止力強化急げ

 北朝鮮が、日本海に向けて再び弾道ミサイルを発射した。日米韓3か国は連携を強化し、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を抑止する態勢づくりを急がねばならない。

 北朝鮮西岸付近から15日夜、東方向に少なくとも2発の弾道ミサイルが発射された。防衛省によると、2発の飛行距離は約850~900キロ・メートルで、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。

 近くの海域では、鳥取県所属のベニズワイガニのカニかご漁船が操業中だった。乗組員は、「何かが落ちた大きな音を聞いた」という。ミサイルが落下した際の音だったのではないか。

 国民の生命が危険にさらされ、一歩間違えれば大惨事になっていた。漁業者らの安全を脅かし、地域と世界の安定を揺るがす行為は断じて容認できない。

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議は、弾道ミサイルの発射を禁じている。岸田首相が「国際社会全体への挑発をエスカレートさせる暴挙だ」と、強く非難したのは当然である。

 今回発射されたミサイルは、既存の防衛システムでは迎撃が難しい変則軌道で飛行したとみられている。夜間発射と合わせ、ミサイルの技術・性能の向上や臨戦態勢を誇示し、日米韓を 牽制けんせい する意図があったのだろう。

 米韓両軍が15日まで、韓国と北朝鮮の軍事境界線付近で大規模な合同訓練を実施したのに対し、北朝鮮国防省は「徹底的に対応する」との談話も出していた。

 北朝鮮は5月末に、「軍事偵察衛星打ち上げ」に失敗した後、再度実施すると明言している。今度は打ち上げ期間やロケットの落下海域を事前に通告しない可能性があるという。言語道断だ。

 浜田防衛相は、自衛隊に発令していた破壊措置命令を延長した。国民の安全を守るため、万全の態勢をとってもらいたい。

 日米韓の高官は、今回の発射を受け、「日米韓の協力が挑発によって揺らぐことはない」とする共同声明を出した。

 北朝鮮は、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「完成」を宣言済みだ。韓国などを標的とする戦術核兵器の開発も進めている。

 北朝鮮に対する日米韓の脅威認識を一致させ、対処していくことが重要だ。北朝鮮のミサイル情報の即時共有態勢を早期に構築し、3か国の共同訓練も拡充して、抑止力を向上させる必要がある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年06月17日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:北朝鮮「衛星」失敗 再発射の暴挙を許さない

2023-06-03 06:00:40 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【社説】:北朝鮮「衛星」失敗 再発射の暴挙を許さない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:北朝鮮「衛星」失敗 再発射の暴挙を許さない 

 北朝鮮が軍事偵察衛星を発射し、その「失敗」を素直に認めた。同時に次の発射断行も表明しており、自らの技術への自信と余裕の裏返しなのかもしれない。

 衛星の打ち上げが成功すれば、北朝鮮の軍事的脅威が新たな段階に入ることになる。日米韓は連携を密にして北朝鮮に対する国際的な圧力を強めなければならない。

 北朝鮮は5月31日から6月11日の間に「人工衛星」と称する物体を打ち上げると、日本に通告した。31日の早朝、事実上の弾道ミサイルに衛星を搭載して発射したものの、朝鮮半島西方の黄海に墜落した。その後すぐに、新型エンジンなどに技術的欠陥があったと認め、それを克服するとも表明している。

 この衛星は、韓国や米国の軍や関連施設、日本の自衛隊などの動向を監視する「目」の役割を持つとみられる。今後複数の衛星を打ち上げ、より正確な情報をつかみ、有事の際、攻撃の精度を上げる狙いがうかがえる。

 北朝鮮はこれまで、米国本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む大小のミサイル開発に注力してきた。そうして積み重ねた技術も応用し、宇宙軌道への衛星投入を目指しているとされる。

 北朝鮮がいかなる方便を使おうとも、国連安全保障理事会決議が禁止する「弾道ミサイル技術を使った打ち上げ」であり、暴挙は明らかだ。

 安保理はさらなる制裁に踏み切るべきだが、中国やロシアの賛同を得る必要がある。現状では難しいとみられ、それが北朝鮮の背中を押している面がある。日米韓は両国への働きかけを強めたい。

 広島で先月開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、法に基づく国際秩序の堅持を改めて確認し、韓国も北朝鮮の核・ミサイルの脅威を厳しく批判した。

 北朝鮮が今の軍事偏重路線を改めねば、中国など一部の国々を除き国際社会では孤立を深めるばかりであり、その認識を持つべきだ。

 日本政府は今回、自衛隊にミサイルの破壊措置命令を出した。沖縄県に配備している地対空誘導弾パトリオット「PAC3」部隊のうち石垣島では台風の影響で展開できなかった。検証が必要だ。

 金正恩(キムジョンウン)体制下での弾道ミサイル発射は2012年以降で150発を超えた。過去の体制とは比較にならぬ数だ。

 むろん過剰な反応は慎むべきだが、私たちが避けねばならないのは「またか」と事態に慣れてしまうことだ。事実を冷静に注視したい。

 北朝鮮は今回、韓国には発射を通告していない。日本には、岸田文雄首相が提唱する日朝首脳会談に応じる可能性を外務次官談話でほのめかした。その真意は不明だが、日米韓の足並みの乱れを誘う揺さぶりかもしれない。

 日本には最重要課題の一つに拉致問題がある。今回の動きを慎重に見極めたい。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2023年06月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:北朝鮮の「軍事衛星」 再度の打ち上げ、食い止めよ

2023-06-02 07:00:25 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁】

【社説】:北朝鮮の「軍事衛星」 再度の打ち上げ、食い止めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:北朝鮮の「軍事衛星」 再度の打ち上げ、食い止めよ 

 北朝鮮がミサイルを発射したもよう―。全国瞬時警報システム(Jアラート)が早朝に速報された沖縄県をはじめ、またかと身を震わせた人も多かろう。幸い日本上空に飛来せず、朝鮮半島西方の海上に落下した。

 北朝鮮は今月11日までの間に人工衛星を打ち上げると予告していた。事実上の長距離弾道ミサイルとみられ、いかなる目的であれ国連安全保障理事会の決議に違反する。国際社会への挑戦であり、許されない。

 一方で北朝鮮の狙いを正確に読み解く必要もあるだろう。

 この発射は、これまでとは様相が異なる。「軍事偵察衛星」のロケットだと、北朝鮮が初めて発表したからだ。北朝鮮が衛星打ち上げと称する発射は過去に繰り返し行われてきたが、ミサイル技術を高める口実と考えられていた。しかし今回の衛星は米国などの軍事行動を追跡、監視、判別するものだと事前の声明に明記している。

 米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験、米韓軍事演習などに抗する矢継ぎ早のミサイル発射。これまでの北朝鮮の暴挙は、あからさまな威嚇に思えた。

 きのうの発射は周到に戦略を練った、軍事作戦上の行動とみていい。「偵察情報収集能力の確保」は朝鮮労働党の5カ年計画に盛り込まれ、偵察衛星1号機の完成が伝えられていた。しかも即座に発射の失敗と墜落海域のほか、新型エンジンシステムの安定性など推定される事故原因まで明らかにし、早期の2回目の発射を表明した。

 体面より実行を優先したとも言え、むしろ自信があるように見える。仮に北朝鮮が偵察衛星を手にすればデータを地上に送って正確に目標を攻撃することが可能になり、軍事的脅威のレベルは上がる。再度の打ち上げは中止させなければならない。

 日本も飛来するミサイルの動きに即応するのに加え、こうした現実を踏まえた対応が必要となる。どう歯止めを講じればいいのか。経済制裁の強化には限界があり、ウクライナの戦争で国連安保理は機能不全だ。それでも中国なども含めた国際社会と幅広く連携していく努力は、惜しむべきではない。

 米韓両国は4月、北朝鮮に対して核抑止力の強化や弾道ミサイル搭載可能な原子力潜水艦の韓国派遣などで合意した。冷え込んでいた日韓の防衛協力も首脳のシャトル外交復活で関係が修復されつつある。先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の場も利用して「日米韓」による包囲網は強まった。

 ただ米国の「核の傘」を誇示し、軍事的圧力を強化するばかりでは、相手に核・ミサイル開発を加速させる口実を与えかねない。「核には核」という発想には明るい未来はない。

 岸田文雄首相は北朝鮮の打ち上げ通告の前に、かねて条件なしで臨みたいとする日朝首脳会談に向け、「私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と述べていた。北朝鮮の外務次官も条件付きながら「両国が会えない理由はない」として日朝協議の可能性に言及した。

 相手の真意はいまだ読めず、糸口があると考えるのは早計だろう。ただ日朝交渉の原点に立ち返れば、圧力とともに対話の窓口を開け、硬軟織り交ぜて向き合う姿勢は欠かせない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年06月01日  07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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