路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【視点】:暗雲漂う中国経済 統制強化に不安と嫌気 中国総局・新貝憲弘

2024-02-11 07:25:20 | 【中国・共産党・香港・台湾・一帯一路、「国家の安全」、個人の権利を抑圧する統治】

【視点】:暗雲漂う中国経済 統制強化に不安と嫌気 中国総局・新貝憲弘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【視点】:暗雲漂う中国経済 統制強化に不安と嫌気 中国総局・新貝憲弘

 中国経済に暗雲が漂っている。上海の株式市場は昨年後半からの下落傾向が止まらず、中国政府の景気対策は「見かけだけで中身がない」(政府系シンクタンク研究者)と見透かされて効果はいまひとつ。しかも「市場や企業にとって、政策のないことが最良の政策の時もある」「政府の権限縮小こそが経済の活力」(経済メディア)とまで皮肉られる始末だ。

 原因として不動産危機や地方財政難などが挙げられるが、根本には習近平(しゅうきんぺい)政権の政策に対する「信頼の欠如」(独立系シンクタンク)がある。統制強化が経済にも及び、民間企業は改革開放路線が終わるのではと疑心暗鬼に陥り、外資も嫌気がさしている。
 
 その一例が習政権が今年の経済方針の一つに挙げた「中国経済光明論」。前向きな話題を積極的に取り上げて景気浮揚のムードを喚起しようという「経済宣伝と世論の誘導」で、昨年の輸出入実績では自動車輸出が日本を抜いて世界一となったことや東南アジアとの貿易拡大を官製メディアがアピールした。メディアを管理する中央宣伝部の意向を受けたものとみられるが、米ドルベースで総額が減少した点や欧米との貿易縮小には触れなかった。
 
 都合の悪いデータの公表を控える傾向も目立つ。国家統計局は、昨年7月分から16~24歳の若者失業率の公表を取りやめた。大学新卒者の就職難で若者の失業率が社会問題になったことが背景にあったといわれ、昨年12月分から学生分のデータを除いて公表を再開した。この結果、数値は改善したが実態は分かりにくくなった。
 
 さらに「反スパイ法」が外資の中国ビジネス環境に影を落とす。担当部門の国家安全部は「発展と安全は両輪」と強調するが、国家の利益に反する行為を行ったとして日本人を含めた外国人を拘束しており、外国企業の腰が引けているのは言うまでもない。
 
 これでは「中国市場を選ぶことはリスクではなくチャンスだ」(李強(りきょう)首相)と呼びかけても誰も信じないだろう。中国の大手IT企業に勤める友人は「中国経済を動かしているのは中央宣伝部と国家統計局、国家安全部の3部門だと言われている」と憂える。
 
 経済誌「財新週刊」も社説で、今求められるのは「教条(主義)から脱却して現実と向き合うことだ」と中国経済光明論をやゆした。ただ、習氏の権力が強すぎて誰も異論を唱えられない雰囲気があり「当面は統制強化の流れは変わらない」(友人)と諦めの声が漏れる。
 
 先の社説は、社会全体が混乱した文化大革命(1966~76年)に触れ「国民経済は崩壊の危機に瀕(ひん)しても政府は『状況は良い』『ますます良くなる』と唱え、先進国だけでなく周辺国からも取り残された」と指摘した。毛沢東(もうたくとう)に誰も逆らえなかった当時と同じ歴史を繰り返すのだろうか。(中国総局)
 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【視点】  2024年02月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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