路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②】:頼政権と中国 火種としない知恵絞れ

2024-05-20 07:23:40 | 【中国・共産党・香港・台湾・一帯一路、「国家の安全」、個人の権利を抑圧する統治】

【社説②】:頼政権と中国 火種としない知恵絞れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:頼政権と中国 火種としない知恵絞れ

 台湾で与党・民進党の頼清徳(らいせいとく)氏が総統として率いる新政権が20日にスタートする。1月の総統選で中国は頼氏を台湾独立派と敵視して「戦争か平和の選択」になると主張。軍事演習も行って「圧力」をかけたが、中国が当選を望んだ野党・国民党候補などを破り、頼氏が当選した。

 1996年に総統直接選挙が実現して以降、同一政党が初めて3期連続で政権を担うことになる。その民意は、統一も独立も求めない蔡英文(さいえいぶん)政権の「現状維持」の継続による東アジアの平和・安定にあるといえる。中台双方が台湾海峡を地域の火種とせぬよう知恵を絞ることが肝要だ。
 船出する頼政権の不安要因の一つが頼総統の「独立志向」だ。行政院長(首相)時代に立法院(国会)での答弁で「私は台湾独立のための堅実な仕事人」と発言し、物議をかもしたが、総統候補になってからは独立色を抑え、蔡路線の継承を訴えてきた。
 頼氏は政権発足に先立って4月に記者会見を開き、蔡政権で行政院秘書長を務めた卓栄泰(たくえいたい)氏を新内閣の行政院長に任命すると発表した。蔡路線の継承を示唆する人事は、各種世論調査で「現状維持」支持が約7割を占める台湾の人たちに安心感を与えたといえる。
 一方、中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席は中台統一を歴史の必然とし「武力行使の放棄は決して約束しない」と強調している。だが、軍事的威圧を強めれば、安定を求める台湾の民意を中国から離反させることは総統選結果からも明らかだ。
 中台双方に何よりも求めたいのは、2016年の蔡政権の発足時から中国が拒否している政治レベルの対話再開への努力である。
 日米など民主主義の価値を共有する関係国も、台湾との結束を強め、中台の政治対話再開の動きを後押ししたい。日本は台湾との正式な外交関係はないが、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出など経済的な結びつきは深い。
 頼政権には直面する台湾東部沖地震の対策のほか、賃金格差や住宅価格高騰など内政の課題も山積している。悩ましいのは、立法委員選挙で民進党51対国民党52で敗れ、国民党に議長ポストを握られた「ねじれ議会」となることだ。
 頼氏は台南市長時代から野党との対決も辞さない姿勢で知られてきたが、野党との調整を含め柔軟な議会運営に努める必要がある。
 
 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年05月17日  08:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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