鍵を外して戸を開けると、橋の向こうは雨にけぶっていた 薄紫のひやりとした空気の中で、今日のストーリーがささやかれるから 赤い椿からすべり落ちる滴に耳を傾け・・立ち尽くす ひとつの朝がページを開き ひとつの物語を雨音が語り続ける。 あなたの声を聞きわけることができたなら 見たことも聞いたこともない世界が開けるだろうに