石ころ

命の管理 (ルカ16章)




イエスは、弟子たちにも次のように言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄使いしていると、告げ口をする者があった。
そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』
管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。
そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』(ルカ16:1~4)


そこで、管理人は借りのある者の借りを半分に誤魔化してやり、恩を売るのである。主人はこの抜け目のなさをほめるとある。
管理しているものが命を指しているならこの話しは分かり易い。人は任されている命を世で無駄遣いしている。しかし、この世から放り出される日は必ず来るのだから、その日のために抜け目なく備える者であれということである。

そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。(ルカ16:9)
世の富みを用いて何をするのか、人に尊ばれるためではなく、永遠の住まいを持っておられるイエス様を友とすることを考えるのである。

ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。
だから、不正にまみれた富について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。
また、他人のものについて忠実でなければ、だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。
どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」(ルカ16:9~13)


「ごく小さな事」とは若い日の命の意識であり、「大きな事」とは死を目前にした者の命の意識である。大方の人にとって命のことは、死が迫るまでは取るに足りないことなのである。それよりは今日、明日の富みの方が心を占めているからである。
しかし、主はその両方を得ることは出来ず、あなたはどちらに仕えているのかと問われる。若い日から小さく思える命のことに仕えることは、神を愛することである。

金に執着するファリサイ派の人々が、この一部始終を聞いて、イエスをあざ笑った。
そこで、イエスは言われた。「あなたたちは人に自分の正しさを見せびらかすが、神はあなたたちの心をご存じである。人に尊ばれるものは、神には忌み嫌われるものだ。
律法と預言者は、ヨハネの時までである。それ以来、神の国の福音が告げ知らされ、だれもが力ずくでそこに入ろうとしている。
しかし、律法の文字の一画がなくなるよりは、天地の消えうせる方が易しい。
妻を離縁して他の女を妻にする者はだれでも、姦通の罪を犯すことになる。離縁された女を妻にする者も姦通の罪を犯すことになる。」(ルカ16:14~18)


人の目に見えるものは神には嫌われるものである。見える律法によるならその行いは完全でなければならない。神に仕える者が、富みにも仕えることは姦淫を犯すことである。

この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、
その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。
やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。
そして、金持ちは陰府でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。(ルカ16:20~23)


乞食のラザロには仕える富はなかった。死だけがいつも彼の側にあり、彼の一縷の望は神の憐れみだけであった。
金持ちにとって命は小さなこと、いや目にも入らぬ事であったろう。彼には富の良いもので忙しく、命のことを考える間さえなかった。
彼の側には死にかけたラザロが備えられてあったけれど、彼の目には入らなかった。

ゲヘナの苦しみの中から、せめて兄弟に忠告して欲しいと願うがそれは叶えられない。
たとえ、目の前で死があり生き返るのを見ても、それは人ごとでしかないからである。


神の愛によって自分を守り、永遠の命へ導いてくださる、わたしたちの主イエス・キリストの憐れみを待ち望みなさい。(ユダ1:21)

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