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石ころ

喜びの芽

雨が、ポロポロとこぼれ落ちるような空模様の中を、今の内なら歩けると、小さな傘を手にしてとび出してゆく。教えられた腹式呼吸で歩き出すと、すぐに体はぽっかぽか。

冬枯れの道にも、イヌフグリの細かな青い花がぽつんぽつんと咲いている。もう少しすると群生して、空を映しているかのように咲くのだろう・・。

ただ、梢のみの桜の木も、栗の木も、細かな枝にはぷっくりと、赤っぽい小さな芽を並べて、準備万端整ったと春風の吹く日を待っている。

でも今日は、少しからだが重たくて、少し歩みが遅くなる。これも生きていると言う証拠。体だって晴れたり曇ったり・・、今日は体も雨模様。

それでも、心は弾んでいる。先日からのあれこれを思い出したら嬉しくて、自然に感謝があふれるから・・。

手術をしてくださった先生が「順調ですね」と言ってくださった時、「毎日、感動しているんです。」思わず主人の後ろから言ってしまった時の、とても嬉しそうな先生の笑顔。主が喜ばせてくださったのだとそれが嬉しかった。

保険会社の人に問い合わせた時、「保険は出ますよ。」と手続きを教えてくださった。電話を切る前に、「とても良く見えるようになったんです。ありがとう」と伝えると、「それは良かったですね。そのように使って頂いてとても良かったです!」事務的な声が一変して、真っ赤な血の温もりを感じるように弾んだから、すべてのことに主が共にいてくださり、一緒に喜こばせてくださったのだとそれが嬉しくて、ちょっと体は重いけど心はずっと弾んでいる。

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