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■いっぽ展 Leda × Rui (2024年4月30日~5月5日、札幌)

2024年05月03日 09時07分00秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 2022年に札幌大谷大を卒業した2人の絵画展。
 水彩画を掛け軸ふうに仕立てた Leda さんと、非常に精緻なペン画の Rui さんです。
 Rui さんが全体の4分の3の壁面を占めていてポストカードなども売っていたので、ついRuiさん中心の記事になってしまい、Leda さんの作品の写真を撮ってくるのを忘れました。すみません。

 Rui さんは大学では版画を学んでいましたが、本当に取り組みたいのはペン画ということで、版画はシルクスクリーン3点だけ。ペン画は17点ありました。

 そのペン画ですが、驚くほど細かな筆致の幻想世界を描いています。
 ブログの写真で見ても、真価はわからないと思いますので、ぜひ連休中に実物に接してみてほしいです。
 冒頭画像は、左から「月夜の青い鳥」「惑星誕生」「不思議な夜」。

 「月夜の青い鳥」や、「森のクリスマス」などは、アクセント的に色を入れているのが効果をあげています。
 「不思議な夜」は、ゴシックホラーに出てきそうな重厚な門が目を引きます。
 作者は、れんがなどの質感を描くのに力を入れたと話していました。
 


 手前は「Remodeling factory」。
 1167×910ミリと、今回の出品作で最大で、昨年の全道展で「八木賞」に輝いた作品です。
 無機質な工場の描写がSF的ですが、そこに曲線が効果的に用いられているのが、Rui さんの特質だといえそうです。
 自動車製造のラインや、惑星のかけらのような物体が宇宙空間に浮かぶ、ふしぎな世界が展開されています。

 いま、SF的と書きましたが、長岡秀星のようないかにもSFっぽい絵ではなく、かといってゴシックホラーでもなく、怪奇ふうでもハイパーリアルな人物画でもないのです。
 そういう、典型的な何かに寄せた絵ではない、カテゴライズのできない作品を、説明し批評するのは、なかなかむつかしいことです。
 繰り返しになりますが、実物をじっくりと見てほしいと思います。


2024年4月30日(火)~5月5日(日)午前10時~午後7時(最終日~5時)
ギャラリー大通美術館(札幌市中央区大通西5 大五ビル)

□Rui さんの Twitter(X) @gh_qsv
□Rui さんの Instagram uju1611
□Rui さんの Pixiv https://www.pixiv.net/users/99257301



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