新古今和歌集の部屋

古来風躰抄と万葉集 抄出の原則

奈良 大神神社

さて、今は歌の姿詞も、折につけつつ、やうやう変りまかること、撰集どもに見えたるを、まづ万葉集より端々申し侍るべし。しかるを、この集は初めには四季を立てて、古き事を初めとしたるなるべし。

初めの巻の初めには、泊瀬朝倉の宮の御于天皇(あめのしたをさめたまふすべらみこと)代、大泊瀬稚武天皇の御歌をぞ初めの歌とは記し置きて侍るめる。これは、雄略天皇と申す、神武天皇より二十二代にあたらせ給へるにや。されども、この御製長歌にて侍れば、これをば略して、ただ三十一文字の歌を、端々記し侍るなり。これも四季を立てなどもなにかはとて、ただ初めの巻より記しつけ侍るなり。

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