十訓抄第一　可施人惠事一ノ二 天智天皇、世につつみ給ふことありて、筑前の國上座の郡朝倉といふ所の山中に、黒木の屋を造りておはしけるを、木の丸殿といふ。圓木にて造るゆゑなり。 今...

梅　　　枝 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　四番目物・執心女物　作者不明 身延山僧が行脚の途中、摂津の住吉の浦でにわか雨に会い、庵に宿を求め、室内に舞楽...

十訓抄第一　可施人惠事一ノ十八 後德大寺左大臣、小侍從と聞えし歌よみに通ひ給ひけり。ある夜、ものがたりして、曉歸りけるほどに、この人の供なりける藏人といふものに、いまだ入りもやら...

松　　　風 　　　　　　　　　　　　　　　　　三番目物・本鬘物　世阿弥作 一人の僧が須磨を訪ね、一本の松を見つけ、浦の男から行平が須磨に流されていた時に愛した松風、村雨とい...

　春歌上 春たつ心をよみ侍ける　　　　攝政太政大臣 みよし野は山もかすみてしら雪のふ...

十訓抄第一　可施人惠事一ノ三十六 近ごろの歌仙には、民部卿定家、宮内卿家隆とて、一雙に...

蝉　　　丸 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　四番目物　狂女物　作者不明 延喜帝は、侍従の清貫に命じて盲目の第四皇子蝉丸を逢坂山に捨てさせる。清貫は宮を出家させ、蓑と...

述懷百首に若菜　　　　　　　　　俊成卿 澤におふるわかなならねどいたづらに年をつむにも袖はぬれけり 日吉社によみて奉りける子日の哥 さゝ波やしがのはま松ふりにけりたが世に...

十訓抄第一　可施人惠事一ノ四十七 かやうの振舞のみにあらず、詩歌などにつけても、必ず禁...

舟　　　　橋 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　四番目物・執心男物　世阿弥作 熊野の山伏一行が陸奥平泉への途中上野国佐野の里の川辺で、橋建立勧進の男女に会い、佐野の舟橋...