ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

鳴く鹿の声に目ざめてしのぶかな見はてぬ夢の秋の思を

2018-02-07 03:05:43 | 古今抜粋

鳴く鹿の声に目ざめてしのぶかな見はてぬ夢の秋の思を    慈円


慈円は澄んだ憂愁を歌う。

鹿の声は人間の心に何かを投げかけるものだ。

彼らはただ純粋にだれかを恋うている。

さみしいからそばにいてほしいと。

それを聞く時、人間は遠く隔たっている何かへのはげしい郷愁にとらわれ、そこから痛い情動を発し、鹿のように歌を詠うのだ。


鹿のごと鳴かざる人の声ひくくわがみの玉の痛みをぞ打つ    揺之





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