蕎麦屋になりたい脱サラ親爺のブログ

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更科そばにチャレンジ!! ❷

2019年07月28日 | 日記

 更科そばを完成させるためには、更科そばを知ることが不可欠と考え、更科発祥の老舗店に行ってきました。
 発祥といえる三つのお店 ①「麻布永坂 更科本店」 ②「永坂更科 布屋太兵衛」 ③「総本家 更科堀井」は、いずれも麻布十番駅から徒歩圏にあります。今回訪れたのは②と③の二店舗です。

 最初に訪れたのは、「総本家 更科堀井」です。

 

 
 お目当ての更科そばが出てきました。

 切り幅が見事に揃っているきれいなおそばです。一口啜るとそば特有の香りは強くないものの、ほんのり旨味があり風味豊かで喉越しの良いおそばでした。
 店員の方にいろいろとお話を伺ったところ、つなぎの小麦粉を二割配合した二八そばであることが分かりました。なるほど喉越しの良さはそこから来ているのかと納得しました。また、機械打ち(切り作業も含め)であることも分かりました。

 

 更科堀井を後にして、次に向かったのは「永坂更科 布屋太兵衛」です。

 ここでも更科そばを注文。 

 なんと、もり汁(つゆ)が二種類出てきました。店員の方からこのおそばには甘い方をお薦めしていると説明を受けました。せっかくなので二種類の汁で食べ比べをしたかったので、蕎麦猪口をもう一つお願いしました。

 ここのおそばは、食感が最初のお店で食べたものと異なり、表面がつるっとしていないと言うか、喉越しよりもおそばの存在感(食感)を楽しめる感じでした。
 もり汁に関してはから汁の方が良かったです。甘い方がお薦めと言っていた店員さんと再度話をする機会があったので、私の感想をお伝えしたところ、その店員さんも個人的にはから汁が好みだとか。ここのおそばは十割(すなわち更科粉100%)で機械打ちであることも教えていただきました。

 
 今回、二種類のおそばをいただきましたが、それぞれ個性があり、いずれも美味しいおそばでした。この体験を生かして、いよいよ本格的に試作段階に入っていきたいと思います。

 

 

 
 


更科そばにチャレンジ!! ❶

2019年07月22日 | 日記

 5月18日の「くにじ」グランドオープンからしばらく続いた連日のご予約も、このところ予約の入らない日がちらほら。そういう日は自動的にお店はお休みになります。そんな時は営業している日には出来ないことをやって、有意義な時間にしたいと考えています。

 今まさに取り組んでいるテーマがあります。更科そばをメニューに加えることです。今のところ結果はどうなるか分かりませんが、その顛末をブログに書いていこうと思います。

 俗にいう江戸の三大蕎麦とは、「砂場(すなば)」「更科(さらしな)」「藪(やぶ)」の事を指します。私のそば打ちの師匠が上野藪そばの三代目主人に師事されていることから、当店のおそばは藪系ということになります。そのお二人で書かれた本は、そば打ちのバイブルとして日々活用しています。

 今回、更科そばに取り組むことにしたのは、師匠のアドバイスがあったからです。「打つのはテクニックが必要で難易度は高いが、完成させることが出来ればお客様の選択肢が増え、ニーズにお応えすることが出来る。チャレンジする価値は十分にある」と。

 「更科蕎麦」(御膳蕎麦または御前蕎麦とも呼ばれます)は、ソバの実の胚乳の中心部分の粉(一番粉*)を使って作るおそばです。白いおそばです。
 *ソバの実を石臼で挽くと、最初にとれるのが一番粉(更科粉・御膳粉)と呼び、次に挽きだされるのが二番粉その次が三番粉・・・
 一番粉はグルテン(たんぱく質)が少なく、でんぷんを多く含むことから、非常につながりにくいため打つ際には工夫が必要となります。このあたりが難しいところです。 

 ものは試し、とりあえず打ってみました!! 試作品です。御膳粉7割、小麦粉3割です。

  

 初めてにしては、つながっていて喉越しの良いおそばにはなりましたが、このレベルでは満足できません。

 家族にはソーメンみたいといわれました。
 

 目指しますのは 御膳粉十割の 更科蕎麦です!!

 

 

 


福祝(ふくいわい)の酒蔵見学

2019年07月05日 | 日記

「おすすめの日本酒は?」と、よくお客さんから尋ねられます。
「千葉県君津市のお酒、福祝」と、お薦めしています。

福祝の特別純米(山田錦55%磨き)は、やわらかな香り、瑞々しく丸みのある口当たり、山田錦の旨味をしっかりと感じさせてくれる後味のきれいなお酒です。

 

 昨日(7月4日)、福祝を造っている『藤平酒造(とうへいしゅぞう)』さん https://fukuiwai.com/ の酒蔵を見学してきました。

 

 常務の藤平淳三様に酒蔵を案内していただきました。 

 

 酒蔵は大正時代に建てられたそうです。

 天井を見上げると、大きな梁が屋根をしっかりと支えていて、屋根裏には杉の皮がびっしりと貼られています。取材があるとこの天井がよく話題として取り上げられるそうです。

 お酒の仕込みで極めて重要となる水は、千葉県で唯一「平成の名水百選」に選ばれた久留里の水です。町には水汲み広場があり誰でもこの名水を楽しむことが出来るようです。喫茶店の人がよく汲みに来るみたいです。この名水を試飲しましたが、くせがなくすっきりとした飲みやすいお水でした。この名水でお蕎麦を打ってみたいものです。

 ここの水の硬度(水に含まれるミネラルの含有量の目安となる指標。含有量の多いものを硬水、少ないものを軟水と呼ぶ)は、中硬水に分類されます。硬度によってお酒の性質が違ってきます。灘の男酒、伏見の女酒と称されていますが、灘の宮水が硬水であるのに対し、伏見の水質は軟水傾向です。

 

 米を蒸す工程をここで行います。伝統的なこの巨釜が今でも現役で使われています。奥に設置されているのが放冷器(淡緑色)です。

 米を下の写真の金属製の容器に入れ、釜の上にセットして熱せられた水蒸気で約1時間蒸してから放冷器で冷ますまでの作業になります。

 

 次の工程は、蒸米に麹菌を繁殖させる作業「製麹」です。
 高温多湿な環境が必要となるので、麹部屋(麹室・こうじむろ)と呼ばれる場所で作業が行われます。


 

 30年~40年間使ってきた麹づくりの棚。

 

 最近導入した製麹機。


 棚作業で用いられる木箱。

 説明の中で印象に残ったことが二つありました。
 一つは、ここでの作業によって体重が二ケタ落ちること。
 もう一つは、目指す酒質に応じて、麹菌の繁殖度合いを意識的に調整していることです。大吟醸酒の場合は米の表面は菌糸の繁殖がまばらであるが、内部の芯には繁殖している状態にしていくそうです。

 

 次の工程では、酒母造り・醪(もろみ)造りが行われます。

 

そして、アルコール発酵が終了した醪は、自動圧搾機によって液体(日本酒)と固形物(酒粕)に分けられます。

 

絞ったお酒は、タンクに一旦貯蔵し、火入れを一回施してから瓶詰し、冷蔵7~8℃で保管されます。

 

生酒は―4℃で出荷待ちです。

 

この後ようやく市場に出荷され我々の手元に届くことになります。

  

見学の後もいろいろとお話を聞かせていただき大変勉強になりました。


帰りに、お店用と自宅用に何本か仕入れました。そのうちの一本がこれです。

早速飲んでみましたが、抜群に美味しいお酒でした。

藤平酒造の皆様いろいろとありがとうございました。