これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

チョコレートケーキ大学

2014年08月03日 15時55分20秒 | エッセイ
 受験生の娘につきあって、成蹊大学オープンキャンパスに行ってきた。今年は8月2日、3日で行われる。
「こんにちは~」
 受付では、青いTシャツを着た学生たちが元気にあいさつしてくれた。どの大学でも、アンケートを書いてくれた参加者にはプレゼントを用意しているし、飲み物も無料でもらえる。キャンパス内を回るツアーもあり、暑い時期ではあるけれど楽しいイベントには違いない。
「ええっと、経済学部の体験講義はどこかな」
「5号館だって」
「モノが売れる仕組みづくりって書いてある」
「面白そうだね」
 ガイダンスや授業が退屈だと、大学のやる気を疑ってしまうが、この講義はよくまとまっていた。
「いい商品だったら売れる、というわけではありません。企業は、売るための様々な活動をしています」
 オシャレな女性の准教授が、マーケチング、もといマーケティングについて、高校生にもわかりやすく説明を始める。
 たとえば、1964年に発売された「かっぱえびせん」は、今年で50周年を迎えるロングセラー商品である。1本は5cm、0.5g、そして10本の切れ込みが入っているが、売れ続けるために短冊形や細めスティック形を発売するなど、サイズ・形状展開や味展開の工夫をしたという。さらに、地域限定商品を作ったり、2004年には「1才からのかっぱえびせん」を売り出し、対象年齢の拡大を図ったらしい。
 准教授の講義はまだまだ続く。
「マーケティングの4Pを説明するには、1971年発売のカップヌードルがいい例になります」
 4Pとは、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションをいう。カップヌードルは、1個100円で発売されたが、強気の価格が裏目に出て、スーパーからは相手にされなかったそうだ。しかし、日清食品は値下げをせず、自衛隊、としまえん、東京スタジアムでのテスト販売を経て、銀座のデパートで売り出したというから驚いた。浅間山荘事件で、自衛隊員がカップヌードルを食べている姿が報道されたり、銀座の歩行者天国でデモンストレーションをしたりして、「新しくてカッコいい食べ物」というイメージが広まった結果、ブレイクにつながったらしい。
「家にポットがないという、現代の若者に合わせた『カップヌードルごはん』も販売されています」
 今は、お湯をわかしてお茶をいれることをしない若者が多い。ペットボトルのお茶を買ってきて、レンジでチンして飲む時代になっている。これに合わせて開発された商品というから、結構な衝撃だった。
 45分の講義が終わり、教室内には大きな拍手が起きた。楽しい講義を聞き、誰もが得した気分になったのだろう。
 さて、私とつき合いの長い方なら、このあと何が起きるか、予想がつくのではないだろうか。
 帰りにスーパーに寄り、買い物をした。



 そう、私も娘も、影響を受けやすいのだ。
「カップヌードルが食べたくなった」
「ミキはカップヌードルごはんを食べてみたい~」
 カップヌードルごはんは、お湯を注いで3分というわけにはいかない。
 まず、フタを取る。中はこんな感じになっていた。



 次に、160ccの水を入れる。



 よくかき混ぜてから、電子レンジで5分30秒(500wの場合)加熱する。



 チーン。



「あっちっち」
 容器が熱くなるので、取り出すときには注意が必要だ。フタについていた「仕上げ香味油」をかけ、再度かき混ぜてできあがり。
 ひと口もらったら、カップヌードル味の炊き込みご飯のようで、なかなか美味しかった。
 ところで、成蹊大学のシックな本館を別のサイトに投稿したら、フォロワーさんが「チョコレートケーキみたいですね」というコメントをくれた。



 そういわれれば、よく似ている。チョコレート色の外壁に、ちょっぴり生クリームが飾られているみたいに見えてきた。
「じゃあ、チョコレートケーキが食べたくなったでしょ」と、突っ込みたくなる人がいるかもしれない。
 いえいえ。
 今日のおやつは、かっぱえびせんですから。


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コメント (8)
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