これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

伝言ゲーム ~2017年の出来事①~

2017年11月30日 20時00分30秒 | エッセイ
 高校時代の恩師の奥様から電話がかかってきたとき、来るべきものが来たとわかった。
 亡くなったのだ。
 昔の友達に葬儀の連絡をするため卒業アルバムを出す。昭和の個人情報はダダ洩れで、アルバムの巻末に住所や電話番号まで載っているから怖い。卒業してから、かれこれ三十年余り。果たして連絡がつくのかと訝しんでいたら、結構つながるのだ、これが。
「圭子は今ここに住んでいませんが、申し伝えますので、お名前とご用件をお願いします」
「では、由紀に言っておきますので、葬儀の詳細を教えていただけますか」
 友人たちは結婚して家を出ていたけれど、親御さんには連絡することができた。娘の携帯を教えるから自分で連絡して、という家庭は一軒だけである。葬儀場では彼女たちを誰一人見かけることはなかった。でも、きちんと話は伝わったと思いたい。
 28年ぶりに大学時代の仲間に会う機会もあった。偶然、学園祭の3日目にOB・OG会を開催すると教えてもらったのだ。メールをくれた同期生に「私も行きたい」と返信したものの、想定外の答えが返ってきた。
「幹事は10歳ぐらい年下の後輩らしい。僕は、あちこちに転送されたメールを先輩から受け取っただけで、直接幹事に連絡することができないんだよね。会場も知らないし」
 なんだそれは。どこでやるかわからなくて、本当に集まれるのか?
 首を傾げながら当日を迎えた。運よく昼過ぎに会場のお知らせを受信し、懐かしい人たちに会うことができた。だが、私が参加することは幹事に伝わっていなくて、人数調整に苦労させてしまったらしい。
 あー、やだやだ。
 先月、妹から妙なラインが来た。
「昨日の夢に、この前亡くなった担任の先生が出て来たわよ。『お前の姉さん、4月から異動になるぞ』と言ってたけど」
 妹は私と同じ高校を出たので、元担任とは面識がある。霊感も強い。あの世から頼られるのかもしれない。
 クスッと笑いながらラインを返す。
「じゃあさ、今度、先生が夢に出てきたら、近い職場にしてくださいって言っといて」
 ここでも、やっぱり伝言ゲーム?


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (4)
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