これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

美容院とパン屋はつながっている(1)

2019年02月10日 19時56分45秒 | エッセイ
 毎日のように働かされた1月も終わり、ようやく美容院に行くことができた。
「今日は小説じゃなくていいんですか」
「はい。今日は雑誌にするわ」
 読みかけの本もなく、料理やファッションの記事の載った雑誌を開くと、「美味しいパン屋」のページであった。菓子パン、総菜パン、食パンなどなど、食欲を刺激される写真に吸い寄せられる。
 私だけでなく、美容師さんも写真が目に入ったようだ。
「そういえば、この辺で一番美味しいパン屋さんってどこなんですか」
 美容師さんはさいたま市に住んでいて、毎日練馬まで通っているそうだ。たまには、家族が喜んでくれるパンを買って帰りたいらしい。
「そうですね、アンジェターブルかな? いやいや、神戸屋も捨てがたいし、ポンパドウルも好きだわ」
 答えになっていない。実のところ、どこが一番かなんて考えたことはなかった。
「そうだ、検索してみよう」
 インターネットは便利だ。駅名とパン屋のワードを入れると、勝手に「美味しいパン屋ランキング」なるサイトを表示してくれる。
「えーと、一番は……」
 聞いたこともない店だった。駅から5分。帰り道と同じ北口にあるとはいえ、わが家とは逆の東側に歩いていく。ちょっと遠回りだけど、まだ3時だし、帰りに寄ってみよう。
 そんなわけで、まず自分が行ってみることにした。「お前が行くな」と言われそうだが、下見、下見。
 時計は3時半を指している。すでにケースの中はスカスカで、売れ残ったパンがいくつか残っているだけだ。「これだけ?」と少々焦った。本当に人気があるのだろう。
「えーと、クロワッサン2個と、クリームパン、マロンパイをください」
「はい」
 値段はリーズナブル。午前中だったら、もっとたくさんの種類があったに違いない。
 クロワッサンとマロンパイは紙袋に入れてくれた。サクサク感を長持ちさせる工夫なのではと察する。



 袋を開けてみると……。
 ジャーン。



 たしかに、ここのパンは美味しい。クリームパンなんぞ、深い色した、ほんまもんのカスタードクリームが詰まっていて、シュークリームのようだ。



 クロワッサンもほどよくハードな歯ごたえがあり、しつこくなくていい。チーズとゆで卵を挟んで食べた。
「いやあ、こんな店があったとは」
 何が幸いするかわからない。ひとまず、検索するきっかけを与えてくれた美容師さんに感謝かな。
 そもそも、「美味しいパン屋」特集にも目当ての店が載っていたのだが、それは次の機会に。


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コメント (8)
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