道草

一人でため息つきたい時もあるでしょ

何を言っても遅いけれど

2004-10-31 22:34:14 | 雑感
イラク人質問題。

わずかな現金しか持たず、白いTシャツの、いかにも海外からの旅行者と分かる、現地においてはあからさまに浮いた格好をして、親切に彼を思いやって「危険だから行くな!」と助言してくれた現地の人の言葉にも耳をかさず、「何とかなるさ」の軽い気持ちで、彼はイラクに向かってしまった。
実際に緊急事態に追い込まれ、本当に自分の力で事態を何とか出来る人以外、「何とかなるさ」という言葉を軽々しく口にすべきではないことを、今回の事件で思い知った。
人生において「なるようになる」と、ある程度開き直った思いで、あまり深刻に考え込まず、様々な試練に立ち向かうことは、大切なことだと思ってきた。
困難を前にしても萎縮せず、平常心を保っていれば、いざという時、機転のきいた行動力が出せるだろう…、そう思ってきた。
でも、それも、時と場合によることを、今回の事件で思い知った。
「何とかなるさ」の思いと行動は、戦争のない日本では通用するのだろう。けれど、イラクのような危険地帯の、自他の死を何とも思わないテロリスト達、殺人のプロ集団が相手では通用しない。
軽々しく考えて行動するべきではなかった。もっと賢く注意深く慎重でいてほしかった。
テロリスト達に拘束された当時の様子が、TVニュースで何度も流される。
家族でなくとも、いたたまれない、やれ切れない気持ちがこみ上げる。
彼の家族が、悲しみを堪えて御礼を述べられ、政府の選択を非難しなかったことが、せめてもの救い。

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