あらかじめ言っておく。
自分は京アニ放火事件の加害者の凶行を赦すつもりは毛頭ない。
彼のいのちを以てしても裁かれるべきだと思っている。
ただ、彼の生い立ちや履歴を辿ってゆけば、
もしかしたらどこかで「転落」から救うこともできたのではないか―――?
そして、かつての「秋葉原通り魔事件」の犯人心理に似たところを感じずにはいられない。
朝日新聞 2019年7月26日付記事
「京アニ放火、34人身元特定」より抜粋
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14113827.html?rm=150
■夜間高校通学、県庁で非常勤 30代で生活困窮「社会に嫌気」 青葉容疑者
殺人などの容疑で身柄を確保された青葉真司容疑者(41)の容体は重篤なままで、事件の背景を語れない。
知人らによると、10年ほど前から周囲と衝突するようになったという。
趣味は「テレビゲーム」で、将来の夢は「大金持ち」――。
青葉容疑者は、小学校の卒業文集やアルバムに、そう書いていた。
同級生らによると、現さいたま市の公立小中学校に通った。
小学校ではサッカークラブに所属していた。
中学は休みがちだった。
同級生たちは「目立たず、おとなしい人」と口をそろえる。
「まじめな青葉君がなぜ事件を起こしたの……」
青葉容疑者は10代だった1995年から、埼玉県文書課(当時)の非常勤職員として働いた。
上司だった女性は、事件を伝える新聞を読み、そうつぶやいた。
女性によると、青葉容疑者は庁舎の各部署や出先機関を回り、行政文書などを集配する「メールボーイ」を担当。
夜は県立高校の夜間部に通い、勉強する日々を送っていた。
「行ってきます」
「ただいま」。
部屋を出入りする時は元気にあいさつした。
同僚と郵便物を仕分ける時の笑顔も印象的で「気にかける必要がないくらい明るく働いてくれた」。
遅刻や欠勤も記憶にないという。
だが県は1997年ごろ、人件費の抑制などを理由に、メールボーイの仕事を外部委託する方針を決定。
非常勤職員の契約は更新されなかった。
「青葉君は、未成年で夜間学校生。親睦会などにも呼べず、つながりが切れちゃったんです」
青葉容疑者はその後、住まいを転々としながら、コンビニ店などで働いたという。
1999~2006年ごろに埼玉県春日部市のアパートで暮らしていた際、
大家だった女性は「トラブルは一切なかった。 私の記憶と報道されている青葉さんは違う」と話した。
■ ■
30代になると一転、近隣住民とトラブルを起こすようになった。
派遣契約の打ち切りなどで住まいを失い、ハローワークのあっせんで茨城県常総市の集合住宅に入居したころからだ。
生活保護を受けていたが、3万円あまりの家賃はほとんど滞納していた。
「ガラスを割る音や異常な物音があり、見て欲しい旨の連絡有。現場確認をする。外部にガラス片散乱」
「毎日夜中12:04に目ざましが5分位鳴る。気になる。住んでいるのか?」
管理人の男性(70)が書いた当時のメモには、近隣住民からの苦情内容が残されていた。
青葉容疑者の退去に伴って部屋に入ると、壁に穴が二つあり、まわりもぼこぼこにへこんでいた。
ノートパソコンの液晶は粉々に散乱し、室内にハンマーが落ちていた。
「仕事上で理不尽な扱いを受けるなどして、社会で暮らしていくことに嫌気がさした」。
青葉容疑者は30代半ば、周囲にそんな心情を漏らすようになった。
2016年夏ごろから住んでいるさいたま市見沼区のアパートでも、トラブルは絶えなかった。
同じアパートに住む男性(27)によると、
青葉容疑者の部屋からは毎日のように、ゲームの背景音のような音楽が聞こえた。
今月14日には玄関ドアをたたかれた。
「別の部屋の騒音を勘違いされたのだろう」と考え、青葉容疑者宅を訪ねると玄関先で胸ぐらをつかまれ、すごまれた。
「うるせえ、殺すぞ。こっちは失うものねえんだ」。
事件が発生したのは、その4日後だった。
(文章執筆:長谷川健、長野佑介、関口佳代子、野崎智也)
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この文章だけでわかる事は、やはり「失業」「(非正規雇用・年齢・性別などの)差別」が
人を悪魔に変える危険性が高い、という事ではないのか。
しかも、それは決して他人事ではない。
もしも、彼の勤務態度が評価されて非常勤公務員を解雇されずに「職種限定正規公務員」となっていたら、
良いリーダーになれたのかもしれない。
アメリカのような格差の激しい国ほど、人生に絶望してテロのような「自暴自棄型犯罪」が起きている。
日経の記事では「解雇の規制をどう緩和すればいいか」などが載っていたが、
その輩は「自分はそういう生活苦に遭わない」という“思い上がり”でモノを語っている。
それはすなわち「人の人生を奪うこと」だと言うのが、まだわからないのか?
まずは商法改正で、
「内部留保への上限設定と違反業者への罰則」
「直接税で富裕層や大企業への課税強化」 などが必要なのではのか?
北欧のように国で保険・教育費のフォローがしっかり整っている国がやはり治安が良いのだ。
もっとも、与党・為政者が原発・リニアモーターカーなど余計なものに投資せず、
国民のために必要な投資をして、過ちのないようにチェック機能がしっかりしている事が前提だが。
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2019年8月2日付訪問者数:259名様
お付き合いいただきありがとうございました。
自分は京アニ放火事件の加害者の凶行を赦すつもりは毛頭ない。
彼のいのちを以てしても裁かれるべきだと思っている。
ただ、彼の生い立ちや履歴を辿ってゆけば、
もしかしたらどこかで「転落」から救うこともできたのではないか―――?
そして、かつての「秋葉原通り魔事件」の犯人心理に似たところを感じずにはいられない。
朝日新聞 2019年7月26日付記事
「京アニ放火、34人身元特定」より抜粋
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14113827.html?rm=150
■夜間高校通学、県庁で非常勤 30代で生活困窮「社会に嫌気」 青葉容疑者
殺人などの容疑で身柄を確保された青葉真司容疑者(41)の容体は重篤なままで、事件の背景を語れない。
知人らによると、10年ほど前から周囲と衝突するようになったという。
趣味は「テレビゲーム」で、将来の夢は「大金持ち」――。
青葉容疑者は、小学校の卒業文集やアルバムに、そう書いていた。
同級生らによると、現さいたま市の公立小中学校に通った。
小学校ではサッカークラブに所属していた。
中学は休みがちだった。
同級生たちは「目立たず、おとなしい人」と口をそろえる。
「まじめな青葉君がなぜ事件を起こしたの……」
青葉容疑者は10代だった1995年から、埼玉県文書課(当時)の非常勤職員として働いた。
上司だった女性は、事件を伝える新聞を読み、そうつぶやいた。
女性によると、青葉容疑者は庁舎の各部署や出先機関を回り、行政文書などを集配する「メールボーイ」を担当。
夜は県立高校の夜間部に通い、勉強する日々を送っていた。
「行ってきます」
「ただいま」。
部屋を出入りする時は元気にあいさつした。
同僚と郵便物を仕分ける時の笑顔も印象的で「気にかける必要がないくらい明るく働いてくれた」。
遅刻や欠勤も記憶にないという。
だが県は1997年ごろ、人件費の抑制などを理由に、メールボーイの仕事を外部委託する方針を決定。
非常勤職員の契約は更新されなかった。
「青葉君は、未成年で夜間学校生。親睦会などにも呼べず、つながりが切れちゃったんです」
青葉容疑者はその後、住まいを転々としながら、コンビニ店などで働いたという。
1999~2006年ごろに埼玉県春日部市のアパートで暮らしていた際、
大家だった女性は「トラブルは一切なかった。 私の記憶と報道されている青葉さんは違う」と話した。
■ ■
30代になると一転、近隣住民とトラブルを起こすようになった。
派遣契約の打ち切りなどで住まいを失い、ハローワークのあっせんで茨城県常総市の集合住宅に入居したころからだ。
生活保護を受けていたが、3万円あまりの家賃はほとんど滞納していた。
「ガラスを割る音や異常な物音があり、見て欲しい旨の連絡有。現場確認をする。外部にガラス片散乱」
「毎日夜中12:04に目ざましが5分位鳴る。気になる。住んでいるのか?」
管理人の男性(70)が書いた当時のメモには、近隣住民からの苦情内容が残されていた。
青葉容疑者の退去に伴って部屋に入ると、壁に穴が二つあり、まわりもぼこぼこにへこんでいた。
ノートパソコンの液晶は粉々に散乱し、室内にハンマーが落ちていた。
「仕事上で理不尽な扱いを受けるなどして、社会で暮らしていくことに嫌気がさした」。
青葉容疑者は30代半ば、周囲にそんな心情を漏らすようになった。
2016年夏ごろから住んでいるさいたま市見沼区のアパートでも、トラブルは絶えなかった。
同じアパートに住む男性(27)によると、
青葉容疑者の部屋からは毎日のように、ゲームの背景音のような音楽が聞こえた。
今月14日には玄関ドアをたたかれた。
「別の部屋の騒音を勘違いされたのだろう」と考え、青葉容疑者宅を訪ねると玄関先で胸ぐらをつかまれ、すごまれた。
「うるせえ、殺すぞ。こっちは失うものねえんだ」。
事件が発生したのは、その4日後だった。
(文章執筆:長谷川健、長野佑介、関口佳代子、野崎智也)
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この文章だけでわかる事は、やはり「失業」「(非正規雇用・年齢・性別などの)差別」が
人を悪魔に変える危険性が高い、という事ではないのか。
しかも、それは決して他人事ではない。
もしも、彼の勤務態度が評価されて非常勤公務員を解雇されずに「職種限定正規公務員」となっていたら、
良いリーダーになれたのかもしれない。
アメリカのような格差の激しい国ほど、人生に絶望してテロのような「自暴自棄型犯罪」が起きている。
日経の記事では「解雇の規制をどう緩和すればいいか」などが載っていたが、
その輩は「自分はそういう生活苦に遭わない」という“思い上がり”でモノを語っている。
それはすなわち「人の人生を奪うこと」だと言うのが、まだわからないのか?
まずは商法改正で、
「内部留保への上限設定と違反業者への罰則」
「直接税で富裕層や大企業への課税強化」 などが必要なのではのか?
北欧のように国で保険・教育費のフォローがしっかり整っている国がやはり治安が良いのだ。
もっとも、与党・為政者が原発・リニアモーターカーなど余計なものに投資せず、
国民のために必要な投資をして、過ちのないようにチェック機能がしっかりしている事が前提だが。
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2019年8月2日付訪問者数:259名様
お付き合いいただきありがとうございました。