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<オホーツクREPORT>コロナ直撃の石北線 存廃議論加速を危惧(北海道新聞記事より)

2021-06-24 | 鉄道
北海道新聞 2021年6月22日付記事
「<オホーツクREPORT>コロナ直撃の石北線 存廃議論加速を危惧」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/558032?rct=n_jrhokkaido

JR北海道が「単独では維持困難」とする石北線(網走~新旭川間、234km)の苦境が続いている。

新型コロナウイルスの感染拡大で全国的に外出自粛が呼びかけられた影響などを受け、
昨年度は乗客数と収益が大きく落ち込んだ。
乗客の減少で特急は現在も運休を余儀なくされ、
地域では石北線の存廃の議論につながることを警戒する声が上がっている。

「乗客はかなり少ない状態だった。(収益が)落ち込むことは想像できた」。
JRが公表した昨年度の石北線の収支と利用状況を確認すると、管内の行政関係者はそう漏らした。

JRによると、石北線の昨年度の営業収益は、前年度比46.8%減の6億500万円。
収益から運行に必要な経費を差し引いた営業損益は同9,200万円膨らみ、45億3,400万円の赤字だった。
1キロあたりの1日平均輸送人数を示す輸送密度も同43.0%減の442人と激減した。

JRが「単独では維持困難」とする道内8線区の営業損益は合計で134億6,900万円の赤字だが、
石北線はその赤字の約3分の1を占める計算で、その大きさが際立っている。

石北線はビジネスや観光目的の利用が多く、「緊急事態宣言などの影響が直撃する格好だった」
(JR広報部)。
8線区の中でも高校生らの通学利用が多い日高線(苫小牧~鵡川)の輸送密度は前年度比9.9%減の476人、
室蘭線(沼ノ端~岩見沢)は同21.4%減の305人にとどまり、石北線と対照的だった。

乗客の減少は特急のダイヤにも影響を与えている。
乗客が少ないとしてJRは今年4、5月の平日3日間、特急「大雪」を運休していたが、
緊急事態宣言の延長で運休を継続。
通常運行に戻るのは7月上旬まで遅れた。

石北線の営業距離は8線区で最も長く、
長期的に見ると線路やトンネルの補修費や人件費などコストがかかる傾向がある。
北見の経済関係者も
「JRにとって石北線はお荷物と思われかねず、廃止の議論が加速しかねない」と危惧する。

地元自治体も手をこまねいているわけではない。
遠軽町などでつくる「遠軽町石北本線利用促進協議会」は2019年度から、
町外から石北線を使って訪れた個人客に乗車料金を最大で4千円補助する制度を実施。
今年4月からは町内にあるJR瀬戸瀬駅を町が管理してJRを支援している。
北見、網走、大空の各市町でも利用した住民らに運賃の一部を助成するなどの制度を整えた。
ただ、これらの乗車促進策も石北線の巨額な赤字を改善するまでには至っていないのが現状だ。


国交省は昨年12月、JRに対し2021年度からの3年間で1,300億円支援すると決めた。
ただ、この支援金は利益を出せる経営基盤への改善を促すもので、赤字の補填(ほてん)には使えない。
このまま石北線の赤字体質が変わらなければ、存廃が議論に上がるのは必至だ。

北大公共政策大学院の岸邦宏教授は
「最終的には地元住民がいかにJRを日常的に利用するかが大切。
乗車促進策や地元の負担を関係者で検討する段階だ」と話している。

(文章執筆:樋口雄大 氏)

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たいへん痛々しい内容であり、沿線住民の利用促進だけでは、もはや限界がある。
それは住民の数だけで見てもわかりきっているからだ。
本当ならば前に書いた「ユニバーサル料金」基金化が理想なのだが……
現状でなにか策はないものか。


まず、今まで以上に「JR貨物」との協力・関係強化が必要ではないのか。
秋に「玉ねぎ列車」として農産物運搬が有名だが、
北見・オホーツク方面の物流を鉄道に全面シフトしてゆく必要がある。
幸い石北線沿いの高速道路がない。

あと、歩行者&自転車のみに通行規制をして「警笛&遮断器施設」の撤去
または踏切そのものの廃止もやむを得ないかもしれない。

ちなみに、1,300億円の支援金の目的が『利益を出せる経営基盤への改善を促すもの』ならば、
旭川などの都市部輸送強化に投資することを本気で考えたらどうなのか。

石北線東旭川駅周辺から「旭山動物園」まで支線を建設する
(特急「ライラック」乗り入れを想定して電化仕様に)、
富良野線西聖和駅から「旭川空港」まで支線を建設する
(1時間1本ペースで旭川からの快速運転、西聖和駅で富良野からの乗り換え客対応)、

「女満別空港」に駅を建設し、石北線へ合流して北見駅への「快速列車」(60分サイクル)を作るなど、
道民の「マイカー&バス依存」から脱却できる体質を本気で作らなければいけないのではないか。


間違っても、「北海道新幹線」ばかりあてにして、在来線はつぶしても構わない、という
腑抜けた精神は絶対に許されない。


もし経営陣がそう考えているのなら、もう「総入れ替え」ものだ。

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