北海道新聞 2021年12月23日付記事
「“賛成” “慎重” 揺れる空知 新幹線旭川延伸、上川が要望 経済の活性化期待/在来線廃止を危惧」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/626344?rct=n_jrhokkaido(リンク切れ)
北海道新幹線の旭川延伸を巡り、上川管内全23市町村と商工会議所などで構成する
「北海道新幹線旭川延伸促進期成会」(会長・今津寛介旭川市長)が、
国の基本計画から整備計画に格上げするよう国土交通省に要望したことが
新幹線の沿線となる空知管内で波紋を広げている。
延伸後の経済活性化に期待の声がある一方、
並行在来線となる函館線の存続問題に直結しかねないだけに慎重な姿勢も出ている。
北海道新幹線は1973年、国が法律に基づき計画した整備新幹線の一つで、2016年に「新青森~新函館北斗間」が開業、
現在、整備計画に盛り込まれている札幌への2030年度末までの開通に向け、工事が進んでいる。
旭川延伸に向けては現在の基本計画から整備計画に格上げされることが前提となる。
同期成会は今年3月に発足、11月18日に初めて国へ要望した。
空知の旭川延伸賛成派は、経済団体が中心で、経済活性化を期待する。
岩見沢商工会議所の新谷誠悟専務理事は「道内全体の開発を考えた時、旭川延伸は必要」と期成会の活動を歓迎する。
岩見沢に加え、中、北空知の商工会議所も旭川商工会議所と共同で国へ要望しているといい、
滝川商工会議所の居林俊男専務理事も「人の動きがものすごく速くなり、経済活動も活発化する」と賛同する。
慎重論もある。
函館線の一部である「札幌~旭川間」は新幹線の旭川延伸時、
地元自治体の同意を得ると、JR北海道から経営を分離することが認められる並行在来線となるためだ。
札幌延伸では、函館線の「長万部~小樽間」は経営分離されることとなり、
現在・バス転換を含めた存廃協議中だ。
余市町が「小樽~余市間」の鉄路存続を望んでいるが、
第三セクターなどによる鉄路維持には相当な地元負担が必要とされている。
空知管内の商工会議所幹部は、北海道新聞社の取材に対し、
「話せることはない」と口をつぐんだ。
関係者はその意味を
「経済団体として旭川延伸を要望していても、在来線廃止が議論に上がることを意識すると、発言しづらいのでは」
と解説してみせた。
実際、今回の上川側の期成会設立と、国への要望を巡っては、空知側への配慮さえ浮かぶ。
事務局の旭川市は
「並行在来線の問題が出てくると、それぞれの自治体の思惑もある。まずは上川地域で機運を高める」
との判断から、空知側をあえて誘わなかったと、明言した。
空知側で延伸に対する温度差が出ることを警戒しているとも言える。
空知の自治体には「旭川延伸の実現性がどのぐらいあるのか」という懐疑的な声も少なくない。
実現しても、「距離的に管内への駅の設置は1カ所だけでは」との見方があることも問題を複雑化しかねない。
岩見沢市は
「コロナ禍もありJR北海道の経営は非常に厳しい状況で、まずは札幌延伸の効果を波及させていく必要がある」
と話す。
新幹線と在来線はレールの幅が異なるが、
国が一時期、西九州新幹線(長崎ルート)での導入を目指して開発を進めた
フリーゲージトレインならば、新幹線と在来線の直通運転が可能で、「札幌~旭川間」の時短が図れるとの考えも出ている。
(文章執筆:石橋治佳 氏)
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そこで、私なりの私感を述べさせていただきます。
もともと自分は整備新幹線は経済効果以上に失うもののほうが膨大という視点があり、
北海道新幹線そのものは「(並行在来線問題がある以上)不要」と思っております。
まず現時点で、「新青森~新函館北斗駅」間の開業時想定に対する赤字をどう埋めるつもりでしょうか?
それに対して、「東京~札幌間」の貨物輸送の経済効果のほうがはるかに高いのではないでしょうか?
何よりも、東京からの乗客が札幌を途中下車しないで、旭川に直行する乗客は1日平均何人か
キチンと算出できますか?
また、旭川延伸に伴い、「札幌~旭川間」の在来線を第三セクター化した場合、
現状のダイヤでも特急「カムイ&ライラック」無き後の「滝川~旭川間」は間違いなく鉄道存続の意味はなく、
稚内行き特急「宗谷」や網走行き「オホーツク」も存続不可能となるでしょう。
もちろん、上記特急走行分のJR貨物の営業路線もすべて失うことになります。
それだけではありません。
現状ではかろうじて維持できる「旭川~名寄」間も、JR北海道の状況次第では
「自社存続不可能路線」に転化する可能性もあり得るのではないでしょうか。
また、自分は絶対に忘れられない歴史があります。
どこかの整備新幹線建設推進議員が「スーパー特急」方式建設を寿司に例えて難くせつけた事だ。
「ウナギを頼んだのにアナゴが出てきた」と。
じゃあ、その寿司代は自分が払ったのか?
違うだろ?
国民の税金で食っているくせに何を言っているんだ⁈
以上、たいへんキツイ言い方になるかと思いますが、
「身の程を知れ」 が自分の意見です。
それでも欲しい、と言うのであれば、推進者である「旭川延伸促進期成会」などの
経済団体が自分たちだけで基金を造って
建設費と赤字を補填していただきたいと思います。
新幹線がなくてもスピードアップ&経済効果もアップする方法があります。
「札幌~旭川間」のすべてを「立体交差化(踏切解消)」&暴風雪柵/スノーシェルター等の設備工事をして、
「ライラック」「カムイ」は京成スカイライナーのような新型車両を新造して「時速160km運転」にする事です。
また、ライラック・カムイのどちらかを「岩見沢~旭川間」“ノンストップ運転”にすれば
1時間以内も充分可能になるのではないでしょうか。
何より、富良野線が間近にありながら鉄道が繋がっていない
旭川空港から富良野線・旭川駅までの連絡路線を建設・強化して、
石北線東旭川から旭山動物園まで連絡路線を建設し、旭川空港~旭山動物園間に60分サイクルの快速列車を運転すれば、
格段の経済効果が生まれるはずですし、万が一石北線が廃止対象路線になっても、
旭川~旭山動物園間だけでも免れる事は可能でしょう。
まず何より、東京~博多間の「飛行機 vs 鉄道 利用者比率 = 90.8 : 9.2 」、
新青森以北は車内販売が廃止されただけでもわかるように
整備新幹線の札幌延伸時に運行形態をすべて「新青森駅」で分断して効率化すべきでしょう。
東京からの列車到着から札幌行き発車まで約30分のインターバルを置き、
改札内コンコースに広島駅くらいのお土産屋・カフェ・飲食店を造れば
利用者の快適性を維持できます。
なにより過疎化と自然災害の増加により全国の鉄道ネットワークそのものが
存亡の危機にさえあります。
物流面、そして北海道は「国境の島」という側面もあり、
国費や鉄道利用者による収益からの「基金化」によって
最低限、現在のJR貨物の営業路線を維持管理する必要がある、と思うのです。
あーいう事ばかり考えているから、北海道の人間は貯蓄率が低いなんて不名誉な事言われるんだよ、もう。
キツイ言い方をしましたが、自分だって北海道を愛しているし、元気でいて欲しいんです。
そこはご理解を。
※ 「時刻表の達人」2019年6月13日付
「新幹線vs航空、シェアが多いのはどっちだ! 2019年版全国区間別鉄道と航空のシェア比較」より
https://jikokuhyo.train-times.net/column/travel_share_2019
余談:
TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」で、
みゆきさんの「ホームにて」と
トワ・エ・モア「虹と雪のバラード」が流れた。
・・・いいなぁ(涙)、自分の血肉になってる歌だ。
「“賛成” “慎重” 揺れる空知 新幹線旭川延伸、上川が要望 経済の活性化期待/在来線廃止を危惧」
北海道新幹線の旭川延伸を巡り、上川管内全23市町村と商工会議所などで構成する
「北海道新幹線旭川延伸促進期成会」(会長・今津寛介旭川市長)が、
国の基本計画から整備計画に格上げするよう国土交通省に要望したことが
新幹線の沿線となる空知管内で波紋を広げている。
延伸後の経済活性化に期待の声がある一方、
並行在来線となる函館線の存続問題に直結しかねないだけに慎重な姿勢も出ている。
北海道新幹線は1973年、国が法律に基づき計画した整備新幹線の一つで、2016年に「新青森~新函館北斗間」が開業、
現在、整備計画に盛り込まれている札幌への2030年度末までの開通に向け、工事が進んでいる。
旭川延伸に向けては現在の基本計画から整備計画に格上げされることが前提となる。
同期成会は今年3月に発足、11月18日に初めて国へ要望した。
空知の旭川延伸賛成派は、経済団体が中心で、経済活性化を期待する。
岩見沢商工会議所の新谷誠悟専務理事は「道内全体の開発を考えた時、旭川延伸は必要」と期成会の活動を歓迎する。
岩見沢に加え、中、北空知の商工会議所も旭川商工会議所と共同で国へ要望しているといい、
滝川商工会議所の居林俊男専務理事も「人の動きがものすごく速くなり、経済活動も活発化する」と賛同する。
慎重論もある。
函館線の一部である「札幌~旭川間」は新幹線の旭川延伸時、
地元自治体の同意を得ると、JR北海道から経営を分離することが認められる並行在来線となるためだ。
札幌延伸では、函館線の「長万部~小樽間」は経営分離されることとなり、
現在・バス転換を含めた存廃協議中だ。
余市町が「小樽~余市間」の鉄路存続を望んでいるが、
第三セクターなどによる鉄路維持には相当な地元負担が必要とされている。
空知管内の商工会議所幹部は、北海道新聞社の取材に対し、
「話せることはない」と口をつぐんだ。
関係者はその意味を
「経済団体として旭川延伸を要望していても、在来線廃止が議論に上がることを意識すると、発言しづらいのでは」
と解説してみせた。
実際、今回の上川側の期成会設立と、国への要望を巡っては、空知側への配慮さえ浮かぶ。
事務局の旭川市は
「並行在来線の問題が出てくると、それぞれの自治体の思惑もある。まずは上川地域で機運を高める」
との判断から、空知側をあえて誘わなかったと、明言した。
空知側で延伸に対する温度差が出ることを警戒しているとも言える。
空知の自治体には「旭川延伸の実現性がどのぐらいあるのか」という懐疑的な声も少なくない。
実現しても、「距離的に管内への駅の設置は1カ所だけでは」との見方があることも問題を複雑化しかねない。
岩見沢市は
「コロナ禍もありJR北海道の経営は非常に厳しい状況で、まずは札幌延伸の効果を波及させていく必要がある」
と話す。
新幹線と在来線はレールの幅が異なるが、
国が一時期、西九州新幹線(長崎ルート)での導入を目指して開発を進めた
フリーゲージトレインならば、新幹線と在来線の直通運転が可能で、「札幌~旭川間」の時短が図れるとの考えも出ている。
(文章執筆:石橋治佳 氏)
-------------------------------------------------------------------------------------------------
そこで、私なりの私感を述べさせていただきます。
もともと自分は整備新幹線は経済効果以上に失うもののほうが膨大という視点があり、
北海道新幹線そのものは「(並行在来線問題がある以上)不要」と思っております。
まず現時点で、「新青森~新函館北斗駅」間の開業時想定に対する赤字をどう埋めるつもりでしょうか?
それに対して、「東京~札幌間」の貨物輸送の経済効果のほうがはるかに高いのではないでしょうか?
何よりも、東京からの乗客が札幌を途中下車しないで、旭川に直行する乗客は1日平均何人か
キチンと算出できますか?
また、旭川延伸に伴い、「札幌~旭川間」の在来線を第三セクター化した場合、
現状のダイヤでも特急「カムイ&ライラック」無き後の「滝川~旭川間」は間違いなく鉄道存続の意味はなく、
稚内行き特急「宗谷」や網走行き「オホーツク」も存続不可能となるでしょう。
もちろん、上記特急走行分のJR貨物の営業路線もすべて失うことになります。
それだけではありません。
現状ではかろうじて維持できる「旭川~名寄」間も、JR北海道の状況次第では
「自社存続不可能路線」に転化する可能性もあり得るのではないでしょうか。
また、自分は絶対に忘れられない歴史があります。
どこかの整備新幹線建設推進議員が「スーパー特急」方式建設を寿司に例えて難くせつけた事だ。
「ウナギを頼んだのにアナゴが出てきた」と。
じゃあ、その寿司代は自分が払ったのか?
違うだろ?
国民の税金で食っているくせに何を言っているんだ⁈
以上、たいへんキツイ言い方になるかと思いますが、
「身の程を知れ」 が自分の意見です。
それでも欲しい、と言うのであれば、推進者である「旭川延伸促進期成会」などの
経済団体が自分たちだけで基金を造って
建設費と赤字を補填していただきたいと思います。
新幹線がなくてもスピードアップ&経済効果もアップする方法があります。
「札幌~旭川間」のすべてを「立体交差化(踏切解消)」&暴風雪柵/スノーシェルター等の設備工事をして、
「ライラック」「カムイ」は京成スカイライナーのような新型車両を新造して「時速160km運転」にする事です。
また、ライラック・カムイのどちらかを「岩見沢~旭川間」“ノンストップ運転”にすれば
1時間以内も充分可能になるのではないでしょうか。
何より、富良野線が間近にありながら鉄道が繋がっていない
旭川空港から富良野線・旭川駅までの連絡路線を建設・強化して、
石北線東旭川から旭山動物園まで連絡路線を建設し、旭川空港~旭山動物園間に60分サイクルの快速列車を運転すれば、
格段の経済効果が生まれるはずですし、万が一石北線が廃止対象路線になっても、
旭川~旭山動物園間だけでも免れる事は可能でしょう。
まず何より、東京~博多間の「飛行機 vs 鉄道 利用者比率 = 90.8 : 9.2 」、
新青森以北は車内販売が廃止されただけでもわかるように
整備新幹線の札幌延伸時に運行形態をすべて「新青森駅」で分断して効率化すべきでしょう。
東京からの列車到着から札幌行き発車まで約30分のインターバルを置き、
改札内コンコースに広島駅くらいのお土産屋・カフェ・飲食店を造れば
利用者の快適性を維持できます。
なにより過疎化と自然災害の増加により全国の鉄道ネットワークそのものが
存亡の危機にさえあります。
物流面、そして北海道は「国境の島」という側面もあり、
国費や鉄道利用者による収益からの「基金化」によって
最低限、現在のJR貨物の営業路線を維持管理する必要がある、と思うのです。
あーいう事ばかり考えているから、北海道の人間は貯蓄率が低いなんて不名誉な事言われるんだよ、もう。
キツイ言い方をしましたが、自分だって北海道を愛しているし、元気でいて欲しいんです。
そこはご理解を。
※ 「時刻表の達人」2019年6月13日付
「新幹線vs航空、シェアが多いのはどっちだ! 2019年版全国区間別鉄道と航空のシェア比較」より
https://jikokuhyo.train-times.net/column/travel_share_2019
余談:
TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」で、
みゆきさんの「ホームにて」と
トワ・エ・モア「虹と雪のバラード」が流れた。
・・・いいなぁ(涙)、自分の血肉になってる歌だ。