(ブログ初出:2023年3月21日付)
東洋経済オンライン 2023年3月21日付記事
『地元バス会社は「話を聞いていない」と憤る 北海道新幹線「並行在来線」代替バス案の理不尽』
執筆:櫛田 泉 氏(経済ライター)
https://toyokeizai.net/articles/-/660416
2022年11月、北海道庁は、
2030年度末に開業が予定される北海道新幹線の札幌延伸に伴う
JR北海道から経営分離により、廃止、バス転換する函館本線「長万部―小樽間」140.2kmについて、
バスダイヤの方針案を公表した。
北海道新幹線の並行在来線がずさんなデータに基づいて鉄道の廃止、バス転換が決定されたことについては、
2022年6月8日付記事(北海道新幹線「並行在来線」理不尽な廃止の裏事情)でも触れたとおりだが、
近年、ドライバー不足などを背景にバス路線の減便や廃止が相次ぐ中で、
特にコロナ前の輸送密度が2000人を超えていた余市―小樽間について
道庁が約束した通り本当に鉄道と同程度のバスの輸送力を確保できるのか、
関係者から疑問の声が上がっている。
◆声を上げ続ける余市観光協会◆
道庁が示した方針案では、バス路線を
「長万部―黒松内」、
「黒松内―倶知安」、
「倶知安―余市」、
「余市―小樽間」に4分割し、
特にJRの輸送密度が高い「余市―小樽」間については現行のJRと同等以上を確保する一方で、
「長万部―黒松内」、「倶知安―余市」については減便し、
一部についてはデマンド型交通で補完をするという内容であった。
しかし、「余市―小樽」間のバスダイヤ案については
「既存のバス路線の便数に少し手を加えただけで、事実上の減便となっている。
当初、道が約束した鉄道と
同程度以上の利便性の確保とはかけ離れた内容だ」と
憤るのは余市観光協会会長の笹浪淳史氏だ。
道が発表した案によると、「余市―小樽」間については
現行のJRの便数と同じ本数のバス便を設定するとしながらも、
鉄道代替便となる朝の便については「塩谷・最上経由」で小樽潮陵高校方面に直結する便となっており、
これまでの小樽駅利用者にとっては大幅な所要時間の増加を伴う内容だ。
2022〜2023年の冬の観光シーズン以降、
「長万部―小樽」間はインバウンド客を含めた観光客による混雑が常態化しており、
笹浪氏が会長を務める「余市駅を存続する会」でもSNSを通じて定期的に列車の混雑状況を発信している。
特に日中の倶知安から小樽に向かう列車の混雑が激しく、
2両編成の列車はすし詰めの状態で余市駅に到着することも多々あるという。
「全日を通じてバスの定員を上回る鉄道の利用者がいる中で、
鉄道を廃止しバスの台数を増やしたところで、
すし詰めで劣悪な車内環境に拍車をかけることになるのは明らか。
札幌、新千歳空港方面からの旅行者の利便性の確保という点からも問題がある」。
さらに
「塩谷・最上経由の高校直結便についても1時間も狭いバスに閉じ込められるうえ、
小樽中心部で用事が足せなくなることから高校生は敬遠する」と
自身も小樽潮陵高校出身である笹浪氏は指摘する。
交通体系が分断されることから、
倶知安町や共和町、仁木町から小樽市への高校生の通学も困難になると予想される。
◆一方的な不合理を道民に押し付けた協議会◆
函館本線の「長万部―小樽間」について廃止という方針付けがされたのは
道庁が国立社会保障・人口問題研究所(通称:社人研)が公表する人口推計に基づき、
北海道後志地方の人口推計値が将来3分の1になると予測し
「鉄道の利用はジリ貧、赤字は莫大」として、
鉄道維持のために沿線自治体に対して財政規模を上回る過大な費用負担を求めた結果である。
しかし
「新幹線開業効果を配慮せず人口激減と想定」
「鉄道の利便向上を放棄し低利便のまま需要推計」
「全国の同規模鉄道と比べ費用を過大に試算」したことの3点は不合理だ。
さらに「社人研」は、推計の方法について
「これまでの実績値に基づき推計」と、将来の環境変化については考慮されていないことを明記している。
新幹線開業という大きな環境変化を考慮せず、
そのままの推計値を鉄道廃止の根拠とした道の判断には疑問を持たざるを得ない。
また、同区間は2000年の有珠山の火山災害時、
道と本州方面を結ぶ貨物列車の迂回ルートとして活用された実績があることから、
災害対策の面から存続することができないかという声もあった。
JR北海道からは、当時とは異なり貨物列車を牽引するディーゼル機関車がDD51形からDF200形に大型化しており
「DF200形が走行できない個所が複数ある」との見解を示され、
鉄道施設の建築限界に触れることから、
機関車の入線自体が物理的に不可能であるという印象付けがなされた。
しかし、DF200形ディーゼル機関車が登場したのは1992年のこと。
2000年の有珠山の火山災害時、JR貨物からJR北海道運輸部運行車両課長に対して
同区間へのDF200形の入線可否についての調査依頼があり、
JR北海道が2000年4月13日に「長万部―小樽間」に高速軌道試験車マヤ34形を運行し調査を行った結果
「曲線部分に犬釘を打ち増して補強すれば通行可能」と回答していたことが、
JR北海道が2001年に出版した『有珠山噴火 鉄道輸送の挑戦』に残されており、
機関車の大型化に伴う建築限界による支障は
そもそも問題ではなかったことは明らかだ。
道庁によりまとめられた「長万部―小樽間」のバス転換の方針案は、
協議の場に地域の交通事業者を入れることなく道が独断で策定したもので、
沿線にバス路線網を展開する「北海道中央バス側は激怒しているようだ」
と余市町関係者は漏らす。
中央バスの行政に対する不信感はこれだけではない。
コロナ前の2017年、
中央バスは小樽市内や札幌市内の路線バスの大幅減便に踏み切った。
特に小樽市では、市側が一方的に中央バス対し便数の維持を求めるだけで、
中央バス側からの法定協議会の設置要請を再三にわたって無視。
行政の補助についても応じる姿勢がなかったことから、
「中央バスは小樽市に対して相当な不信感を抱き今に至っている」と
小樽市議会議員の中村吉宏氏は証言する。
その後も中央バスは神恵内線の減便や赤井川線の廃止を実施、
2022~2023年の年末年始にかけて、
小樽市内のほか「余市―小樽間」での路線バスの終日運休や大幅な間引き運転に踏み切った。
さらに、2023年9月末には積丹半島の「美国―余別間」の路線バスも廃止される。
北海道中央バス運輸部運行計画課の駒拓次課長は、
「並行在来線のバス転換の内容については事前に話を聞いておらず報道発表で初めて知った」
「中央バスのドライバー高齢化も年々深刻化しており、
新規のバス路線で鉄道と同程度の輸送力を確保するのは難しい」
という。
実際、中央バスのドライバー年齢比率は67.0%が50代以上。
この傾向は警察庁が公開する運転免許統計とも一致しており、
中央バスのドライバー定年は65歳となる。
◆国の方針はローカル鉄道の利便性向上に転換◆
2022年7月に国土交通省が発表した
「地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言」では、
「輸送密度が1000人未満の路線は見直し」という点ばかりが大きく報道されたが、
地方交通の再構築の方向性として他に重要な点が盛り込まれている。
鉄道として再生する場合には、
「地域戦略と利用者の視点に立った鉄道の徹底的な活用」と
「競争力の回復に向け、鉄道輸送の高度化に取り組んでいくこと」。
BRTやバスに転換する場合も、
「鉄道と同等またはそれ以上の利便性を実現していくこと」が示され、
地方交通の再構築の方向性については
「いずれも現状の鉄道よりも利便性向上を図ること」が前提とされた。
しかし、前出の余市町関係者は
「道庁にいくら正論を訴えても聞く耳を持たない」とため息を漏らし、
さらに
「余計な仕事を増やしたくないという理由で
並行在来線の廃止については国土交通省の提言が発表される前に滑り込みたかったのではないか」
と疑念を抱く。
実際に「鉄道軌道整備法改正の際、
道庁の担当部長が鉄道の災害復旧の補助率の引き上げについて衆議院会館にクレームを付けに来た」と
衆議院議員の菅家一郎氏も証言する。
鉄道軌道整備法は、全国の赤字ローカル線を激甚災害から救おうと法改正が実現し、
2022年10月には11年ぶりに福島県の只見線も復旧した。
法改正に当たっては、
豪雨による被災路線を抱えた福岡、大分、熊本、福島各県知事からの強い要請があった一方で、
北海道のみが日高本線「鵡川―様似間」と根室本線「東鹿越―新得間」の被災区間があるにもかかわらず
「道庁で策定している計画内容に変更が生じ、負担額が増えるようなことがあっては困る」
と主張してきたという。
しかし、鉄道の復旧費用については、道路や河川の予算と比較すれば大きな金額ではなく、
起債や交付税措置などにより都道府県の負担額を軽減する方法はある。
◆逃げ回る鈴木直道知事◆
北海道の鈴木直道知事は、夕張市長時代に石勝線夕張支線の「攻めの廃線」を実施し、
その後の道内の鉄道路線廃止を加速する流れを作ったこと。
さらに、鉄道廃止後の夕張市が人口の減少と産業の衰退に歯止めがかからない状況となっていることは、
2022年11月2日付記事(北の鉄路切り捨て鈴木知事「夕張市長時の問題点」)でも指摘したとおりだ。
こうしたことから、並行在来線問題と夕張市の現状などについて鈴木知事はどのような考えをもっているのか
道庁知事室秘書課を直撃取材した。
しかし、対応窓口とされた道政相談センターの西澤正所長から後日
「鈴木知事は夕張市長時代の件はすでに関与する立場にない」
「鈴木知事はあらゆる事実確認にも応じない」
と回答があった。
鈴木知事と道庁は、逃げ回るのをやめ
正面からの議論に応じていただきたい。
----------------------------
道新の記事を読むたびにため息と苛立ちを覚える。
本来、北海道はもっと温かみのある土地だったはずだ。
前回帰札したのは去年5月、
会合に参加するのと信頼できる整体の先生のお世話になるためだった。
ただ、札幌までの交通経路が明らかに悪化している。
コロナ禍という面もあったが、
快速エアポートはロングシート主体の「733系」になって飲食しにくくなっただけでなく
幸い座れてもすぐ前に立つ乗客との空間が狭い。
「721系」のリニューアルや「京浜急行16次20次1000系」や「東武鉄道50090系(TJライナー)」車両を見倣って
電車を新造して欲しい。
新千歳空港と札幌市街地を結ぶ高速バスが少ない。
札幌駅までの直行便が12時台から19時台までに「各1本」しかない!
停留所の少ない「北24条・麻生(あさぶ)行き」や「大谷地行き」も1時間に1~2本に半減してしまった。
(閑話休題)
札幌中心部の高層化・密集化が進む。
一方のそれ以外の地域の過疎化、
上記の「長万部~小樽間」や「富良野~新得間」のように
誤った道政やJR北海道の方針によって「過疎が作られる」現状。
やはり、インバウンドの観光客の利便性向上のためには
「ニセコ~小樽間」は鉄道が必要だ。
「富良野~新得間」だって富良野市民・南富良野町民の足なんて小さいスケールでなく
旭川(道北)~帯広(道東)間の物流・観光・ビジネス・本土防衛のためには
切り棄ててはいけないんだ。
東京で頑張っているのは
こんな「格差に満ちた人間の冷たい」北海道に帰るためじゃない。
札幌の街だってシンガポール的高層化よりも、
ヘルシンキやストックホルムのような空間が欲しい。
やはり、小さな漁村や酪農の従業員が安心して暮らせるために汗を流せる人が
為政者でなければならない。
「鈴木直道氏を道知事から解任すること」
机上の空論で描いた「整備新幹線」の夢色一色の視点こそ冷静に検証し転換させること。
(東京~博多間の鉄道利用者数だけ見ても
北海道新幹線の札幌延伸後の経済効果なんて「たかが知れている」。
むしろこれだけの為に犠牲になるものの多さ損失こそ禍根を残す)
これがないと真の北海道再生はあり得ず、
かえって札幌の過密と他地域の過疎化という格差は拡大するのだろう。
最後にもう一言。
「スギ花粉のバカヤロー、エクショ!!」
2023年3月21日付訪問者数:176名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。
東洋経済オンライン 2023年3月21日付記事
『地元バス会社は「話を聞いていない」と憤る 北海道新幹線「並行在来線」代替バス案の理不尽』
執筆:櫛田 泉 氏(経済ライター)
https://toyokeizai.net/articles/-/660416
2022年11月、北海道庁は、
2030年度末に開業が予定される北海道新幹線の札幌延伸に伴う
JR北海道から経営分離により、廃止、バス転換する函館本線「長万部―小樽間」140.2kmについて、
バスダイヤの方針案を公表した。
北海道新幹線の並行在来線がずさんなデータに基づいて鉄道の廃止、バス転換が決定されたことについては、
2022年6月8日付記事(北海道新幹線「並行在来線」理不尽な廃止の裏事情)でも触れたとおりだが、
近年、ドライバー不足などを背景にバス路線の減便や廃止が相次ぐ中で、
特にコロナ前の輸送密度が2000人を超えていた余市―小樽間について
道庁が約束した通り本当に鉄道と同程度のバスの輸送力を確保できるのか、
関係者から疑問の声が上がっている。
◆声を上げ続ける余市観光協会◆
道庁が示した方針案では、バス路線を
「長万部―黒松内」、
「黒松内―倶知安」、
「倶知安―余市」、
「余市―小樽間」に4分割し、
特にJRの輸送密度が高い「余市―小樽」間については現行のJRと同等以上を確保する一方で、
「長万部―黒松内」、「倶知安―余市」については減便し、
一部についてはデマンド型交通で補完をするという内容であった。
しかし、「余市―小樽」間のバスダイヤ案については
「既存のバス路線の便数に少し手を加えただけで、事実上の減便となっている。
当初、道が約束した鉄道と
同程度以上の利便性の確保とはかけ離れた内容だ」と
憤るのは余市観光協会会長の笹浪淳史氏だ。
道が発表した案によると、「余市―小樽」間については
現行のJRの便数と同じ本数のバス便を設定するとしながらも、
鉄道代替便となる朝の便については「塩谷・最上経由」で小樽潮陵高校方面に直結する便となっており、
これまでの小樽駅利用者にとっては大幅な所要時間の増加を伴う内容だ。
2022〜2023年の冬の観光シーズン以降、
「長万部―小樽」間はインバウンド客を含めた観光客による混雑が常態化しており、
笹浪氏が会長を務める「余市駅を存続する会」でもSNSを通じて定期的に列車の混雑状況を発信している。
特に日中の倶知安から小樽に向かう列車の混雑が激しく、
2両編成の列車はすし詰めの状態で余市駅に到着することも多々あるという。
「全日を通じてバスの定員を上回る鉄道の利用者がいる中で、
鉄道を廃止しバスの台数を増やしたところで、
すし詰めで劣悪な車内環境に拍車をかけることになるのは明らか。
札幌、新千歳空港方面からの旅行者の利便性の確保という点からも問題がある」。
さらに
「塩谷・最上経由の高校直結便についても1時間も狭いバスに閉じ込められるうえ、
小樽中心部で用事が足せなくなることから高校生は敬遠する」と
自身も小樽潮陵高校出身である笹浪氏は指摘する。
交通体系が分断されることから、
倶知安町や共和町、仁木町から小樽市への高校生の通学も困難になると予想される。
◆一方的な不合理を道民に押し付けた協議会◆
函館本線の「長万部―小樽間」について廃止という方針付けがされたのは
道庁が国立社会保障・人口問題研究所(通称:社人研)が公表する人口推計に基づき、
北海道後志地方の人口推計値が将来3分の1になると予測し
「鉄道の利用はジリ貧、赤字は莫大」として、
鉄道維持のために沿線自治体に対して財政規模を上回る過大な費用負担を求めた結果である。
しかし
「新幹線開業効果を配慮せず人口激減と想定」
「鉄道の利便向上を放棄し低利便のまま需要推計」
「全国の同規模鉄道と比べ費用を過大に試算」したことの3点は不合理だ。
さらに「社人研」は、推計の方法について
「これまでの実績値に基づき推計」と、将来の環境変化については考慮されていないことを明記している。
新幹線開業という大きな環境変化を考慮せず、
そのままの推計値を鉄道廃止の根拠とした道の判断には疑問を持たざるを得ない。
また、同区間は2000年の有珠山の火山災害時、
道と本州方面を結ぶ貨物列車の迂回ルートとして活用された実績があることから、
災害対策の面から存続することができないかという声もあった。
JR北海道からは、当時とは異なり貨物列車を牽引するディーゼル機関車がDD51形からDF200形に大型化しており
「DF200形が走行できない個所が複数ある」との見解を示され、
鉄道施設の建築限界に触れることから、
機関車の入線自体が物理的に不可能であるという印象付けがなされた。
しかし、DF200形ディーゼル機関車が登場したのは1992年のこと。
2000年の有珠山の火山災害時、JR貨物からJR北海道運輸部運行車両課長に対して
同区間へのDF200形の入線可否についての調査依頼があり、
JR北海道が2000年4月13日に「長万部―小樽間」に高速軌道試験車マヤ34形を運行し調査を行った結果
「曲線部分に犬釘を打ち増して補強すれば通行可能」と回答していたことが、
JR北海道が2001年に出版した『有珠山噴火 鉄道輸送の挑戦』に残されており、
機関車の大型化に伴う建築限界による支障は
そもそも問題ではなかったことは明らかだ。
道庁によりまとめられた「長万部―小樽間」のバス転換の方針案は、
協議の場に地域の交通事業者を入れることなく道が独断で策定したもので、
沿線にバス路線網を展開する「北海道中央バス側は激怒しているようだ」
と余市町関係者は漏らす。
中央バスの行政に対する不信感はこれだけではない。
コロナ前の2017年、
中央バスは小樽市内や札幌市内の路線バスの大幅減便に踏み切った。
特に小樽市では、市側が一方的に中央バス対し便数の維持を求めるだけで、
中央バス側からの法定協議会の設置要請を再三にわたって無視。
行政の補助についても応じる姿勢がなかったことから、
「中央バスは小樽市に対して相当な不信感を抱き今に至っている」と
小樽市議会議員の中村吉宏氏は証言する。
その後も中央バスは神恵内線の減便や赤井川線の廃止を実施、
2022~2023年の年末年始にかけて、
小樽市内のほか「余市―小樽間」での路線バスの終日運休や大幅な間引き運転に踏み切った。
さらに、2023年9月末には積丹半島の「美国―余別間」の路線バスも廃止される。
北海道中央バス運輸部運行計画課の駒拓次課長は、
「並行在来線のバス転換の内容については事前に話を聞いておらず報道発表で初めて知った」
「中央バスのドライバー高齢化も年々深刻化しており、
新規のバス路線で鉄道と同程度の輸送力を確保するのは難しい」
という。
実際、中央バスのドライバー年齢比率は67.0%が50代以上。
この傾向は警察庁が公開する運転免許統計とも一致しており、
中央バスのドライバー定年は65歳となる。
◆国の方針はローカル鉄道の利便性向上に転換◆
2022年7月に国土交通省が発表した
「地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言」では、
「輸送密度が1000人未満の路線は見直し」という点ばかりが大きく報道されたが、
地方交通の再構築の方向性として他に重要な点が盛り込まれている。
鉄道として再生する場合には、
「地域戦略と利用者の視点に立った鉄道の徹底的な活用」と
「競争力の回復に向け、鉄道輸送の高度化に取り組んでいくこと」。
BRTやバスに転換する場合も、
「鉄道と同等またはそれ以上の利便性を実現していくこと」が示され、
地方交通の再構築の方向性については
「いずれも現状の鉄道よりも利便性向上を図ること」が前提とされた。
しかし、前出の余市町関係者は
「道庁にいくら正論を訴えても聞く耳を持たない」とため息を漏らし、
さらに
「余計な仕事を増やしたくないという理由で
並行在来線の廃止については国土交通省の提言が発表される前に滑り込みたかったのではないか」
と疑念を抱く。
実際に「鉄道軌道整備法改正の際、
道庁の担当部長が鉄道の災害復旧の補助率の引き上げについて衆議院会館にクレームを付けに来た」と
衆議院議員の菅家一郎氏も証言する。
鉄道軌道整備法は、全国の赤字ローカル線を激甚災害から救おうと法改正が実現し、
2022年10月には11年ぶりに福島県の只見線も復旧した。
法改正に当たっては、
豪雨による被災路線を抱えた福岡、大分、熊本、福島各県知事からの強い要請があった一方で、
北海道のみが日高本線「鵡川―様似間」と根室本線「東鹿越―新得間」の被災区間があるにもかかわらず
「道庁で策定している計画内容に変更が生じ、負担額が増えるようなことがあっては困る」
と主張してきたという。
しかし、鉄道の復旧費用については、道路や河川の予算と比較すれば大きな金額ではなく、
起債や交付税措置などにより都道府県の負担額を軽減する方法はある。
◆逃げ回る鈴木直道知事◆
北海道の鈴木直道知事は、夕張市長時代に石勝線夕張支線の「攻めの廃線」を実施し、
その後の道内の鉄道路線廃止を加速する流れを作ったこと。
さらに、鉄道廃止後の夕張市が人口の減少と産業の衰退に歯止めがかからない状況となっていることは、
2022年11月2日付記事(北の鉄路切り捨て鈴木知事「夕張市長時の問題点」)でも指摘したとおりだ。
こうしたことから、並行在来線問題と夕張市の現状などについて鈴木知事はどのような考えをもっているのか
道庁知事室秘書課を直撃取材した。
しかし、対応窓口とされた道政相談センターの西澤正所長から後日
「鈴木知事は夕張市長時代の件はすでに関与する立場にない」
「鈴木知事はあらゆる事実確認にも応じない」
と回答があった。
鈴木知事と道庁は、逃げ回るのをやめ
正面からの議論に応じていただきたい。
----------------------------
道新の記事を読むたびにため息と苛立ちを覚える。
本来、北海道はもっと温かみのある土地だったはずだ。
前回帰札したのは去年5月、
会合に参加するのと信頼できる整体の先生のお世話になるためだった。
ただ、札幌までの交通経路が明らかに悪化している。
コロナ禍という面もあったが、
快速エアポートはロングシート主体の「733系」になって飲食しにくくなっただけでなく
幸い座れてもすぐ前に立つ乗客との空間が狭い。
「721系」のリニューアルや「京浜急行16次20次1000系」や「東武鉄道50090系(TJライナー)」車両を見倣って
電車を新造して欲しい。
新千歳空港と札幌市街地を結ぶ高速バスが少ない。
札幌駅までの直行便が12時台から19時台までに「各1本」しかない!
停留所の少ない「北24条・麻生(あさぶ)行き」や「大谷地行き」も1時間に1~2本に半減してしまった。
(閑話休題)
札幌中心部の高層化・密集化が進む。
一方のそれ以外の地域の過疎化、
上記の「長万部~小樽間」や「富良野~新得間」のように
誤った道政やJR北海道の方針によって「過疎が作られる」現状。
やはり、インバウンドの観光客の利便性向上のためには
「ニセコ~小樽間」は鉄道が必要だ。
「富良野~新得間」だって富良野市民・南富良野町民の足なんて小さいスケールでなく
旭川(道北)~帯広(道東)間の物流・観光・ビジネス・本土防衛のためには
切り棄ててはいけないんだ。
東京で頑張っているのは
こんな「格差に満ちた人間の冷たい」北海道に帰るためじゃない。
札幌の街だってシンガポール的高層化よりも、
ヘルシンキやストックホルムのような空間が欲しい。
やはり、小さな漁村や酪農の従業員が安心して暮らせるために汗を流せる人が
為政者でなければならない。
「鈴木直道氏を道知事から解任すること」
机上の空論で描いた「整備新幹線」の夢色一色の視点こそ冷静に検証し転換させること。
(東京~博多間の鉄道利用者数だけ見ても
北海道新幹線の札幌延伸後の経済効果なんて「たかが知れている」。
むしろこれだけの為に犠牲になるものの多さ損失こそ禍根を残す)
これがないと真の北海道再生はあり得ず、
かえって札幌の過密と他地域の過疎化という格差は拡大するのだろう。
最後にもう一言。
「スギ花粉のバカヤロー、エクショ!!」
2023年3月21日付訪問者数:176名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。