まずは残念なお話から。
北海道新聞 2020年5月20日付記事
「新千歳~ヘルシンキ線運休延長 来年3月末まで フィンランド航空」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/422453?rct=n_economy
北欧航空大手フィンランド航空(フィンエアー)は、新型コロナウイルスによる観光自粛を受け、
新千歳~ヘルシンキ線の運休期間を、当初予定の6月末から来年3月末まで延長する。
フィンエアーは昨年12月中旬、新千歳~ヘルシンキ線に新規就航。
通年運航する計画で、週2往復していた。
欧州からニセコを訪れるスキー客や、欧州旅行に向かう道民の利用が好調だったが、
各国の出入国制限を受け、3月下旬から運休していた。
7月から、成田、関西国際、中部国際とヘルシンキを結ぶ路線は再開予定だが、
新千歳線は「欧州と道内、双方の需要が見込めない」(フィンエアー日本支社)と判断した。
(文章執筆:本庄彩芳氏)
・・・・・・悔しい、よくわかるけど(涙)。
何と言っても利用者の比率では自明の理。
感染者数やそれによる死者数の多数で、今ヨーロッパの人々はたぶん旅行どころじゃないだろうし、
旅行できたとしても地中海とか熱帯の通いなれたリゾート地であって、新規開拓の北海道じゃないのかもしれない。
また、今日本人全体が(感染者数のひどい)海外への旅行にはためらいがあるだろう。
あとは先の自分のコメントどおり、北海道内の社会人の公休と旅行に使える資金のなさ。
残念ながら、欧州のコロナウィルスの収束と道内の非常事態宣言の解除が「第一」なのでしょう。
・・・・・・ほんとうに悔しい。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
そして、先日の北海道新聞「ニセコのキセキ」の続編です。
北海道新聞 2020年5月20日付記事
「ニセコのキセキ 第3部 考察編」
脱訪日客依存、迫れられるニセコ コロナ後は国内に活路
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/422475?rct=n_hokkaido
海外から投資や観光客を呼び込んで急速に発展したニセコ地域は、
ヒト・モノ・カネの自由な移動がもたらす富の恩恵を最大限に享受してきた「グローバル化の縮図」といえる。
新型コロナウイルスの猛威を前に一転して「鎖国」の風潮が続くなか、
ポストコロナ時代に向け、この局面をどう乗り切ればいいのだろう。
(文章執筆:合津和之氏)
■「次元異なる」
コロナ危機以前のにぎわいがうそのような静寂に包まれるリゾートエリアの後志管内倶知安町ひらふ地区だが、
投資は活況だ。
町内の不動産業ニセコリアルエステートのベン・カー社長は
「新しい問い合わせが毎日あり、月2、3件ペースで成約している」 と話す。
投資需要が根強いのは、ニセコ地域が国際的にブランドを確立していることの表れだ。
カー社長は
「今は割安感のある株にお金が流れる動きもみられるが、
コロナが収束し、株価が戻れば投資家の目はさらに不動産に向く」 とみる。
グローバル化が急速に進展したのは2000年以降。
ニセコ地域も、その流れに乗って外国資本が次々と入り込み、国際リゾート化が進んだ。
国際貿易投資研究所(東京)の鈴木裕明客員研究員はコロナ収束後のグローバル化について
「数年間は後退する」と予測する一方、「観光や人の動きと金融の動きは次元が異なる」とし、
外国マネーがニセコ地域に流入する傾向は今後も変わらないとみる。
ただ、グローバル化の流れが戻っても、その質は変容する可能性がある。
北大公共政策大学院の遠藤乾院長(国際政治学)は、
トランプ政権が新型コロナの感染拡大に関して中国批判を強めていることなどを踏まえ
「各国との親和を重視する米国型と、囲い込もうとする中国型に二分される傾向が強まる」と予測する。
立ち位置によっては、一方の国が人の移動や投資の規制を強める可能性も否定できないという。
■自粛を好機に
新たなグローバル社会に備え、ニセコ地域が今できることは何か。
ニセコアドベンチャーセンター(倶知安町)のロス・フィンドレー社長は、経営戦略を見直す充電期間ととらえている。
「コンドミニアムの料金を下げて日本人にアピールするなど、
国内市場に活路を見いだすことも必要だ」
道内観光業界では、コロナ収束後の観光客の流れは道内、道外、海外の順に戻り、
このうち訪日客の回復は来年以降との見方が強まっている。
冒頭のベン・カー社長は
「外国人に照準を合わせた高額な飲食の料金設定を見直すなど、自粛期間は、ニセコが国内市場に目を向ける好機になる」
とみる。
大手旅行関係者は「ビュッフェの見直しなど、3密対策を意識した旅行形態を考えたい」と話す。
ニセコ観光圏(倶知安、ニセコ、蘭越の3町)のお金の流れを分析すると、
付加価値額1061億円のうち観光業や宿泊・飲食業など3次産業が4分の3(802億円)を占め、
稼いだお金の大半は圏内の企業や家計に分配されている。
民間消費・投資の段階では、外国資本を含む民間投資が圏外から50億円流入。
海外の観光客や投資への依存度の高さをみても、
コロナ禍後を見据えた観光戦略の見直しは待ったなしの状況といえる。
ニセコ地域は世界的なリゾートへと急成長を遂げた一方、
近年は夏場の集客力の底上げや訪日客頼みの態勢を見直す必要性が指摘されていた。
新たなグローバル経済下での観光の絵姿を描くことは現時点で難しいが、
コロナ禍前から横たわるこうした課題に道筋をつけることが、
あらゆる変化に対応可能な「強い観光地」づくりにつながる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
また、こんな話もあった。
倶知安町の「ファーストキャビンニセコ・ぽんの湯」(169室)ほか
全国で20以上の宿泊施設を運営していたファーストキャビン(東京)は24日、
事業を停止して東京地裁に自己破産を申請したことを明らかにした。
東京商工リサーチによると負債総額は11億3千万円。
競争激化や新型コロナウイルス感染拡大で客離れが進み、経営に行き詰まった。
倶知安の宿泊施設は、所有する大和ハウス工業(大阪)が営業継続を目指しており、別の運営会社を探す。
(北海道新聞 4月24日付記事より)
「ファーストキャビンニセコ」公式ホームページ(撤退、リンク切れ)
https://first-cabin.jp/hotels/31
(2021年5月訂正・追記)
上記「ファーストキャビン」は撤退し、
現在は「トリフィート ホテル&ポッド ニセコ」として
2020年11月に再生しました。
公式ホームページは、
https://torifito.jp/niseko/
新しくて日替わり温泉もあるのは良いけれど、国道5号線沿いでJR俱知安駅から徒歩だと25分の街外れ。
「アメリカンモーテル」色が強いけど、
「プレミアムクラス」以外はアコーディオンカーテンで仕切るために音はもれるうえに施錠できず。
悪く言えばスリ・置き引きには無防備。
全室ドアで施錠できなければ、残念ながら「宝の持ち腐れ」だろう。
この時代、求められるのは“プライバシー”なのだから。
あと、個人的には立って外の天気が見られる「窓」が欲しい。
灯りがないと真っ暗なのは耐えられない。
だから、自分は“ゲストハウス”の連泊はできないでしょう。
移動や街のイベントを楽しんで夜に素泊まりして、翌朝すぐ出かけるパターンなら良いけど。
ものすごい勢いで時代が変わってゆくのを感じる。
「駅前旅館」「民宿」は、昭和ふうの設備やサービスのままでは、淘汰は時間の問題だろう。
でも、新発想の宿でも上記のような道をたどった。
最後は「顔の見える、無駄のない快適なサービス」なのだろうか。
とにかく、旅に出て、いろんな人に会いたい。
北海道新聞 2020年5月20日付記事
「新千歳~ヘルシンキ線運休延長 来年3月末まで フィンランド航空」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/422453?rct=n_economy
北欧航空大手フィンランド航空(フィンエアー)は、新型コロナウイルスによる観光自粛を受け、
新千歳~ヘルシンキ線の運休期間を、当初予定の6月末から来年3月末まで延長する。
フィンエアーは昨年12月中旬、新千歳~ヘルシンキ線に新規就航。
通年運航する計画で、週2往復していた。
欧州からニセコを訪れるスキー客や、欧州旅行に向かう道民の利用が好調だったが、
各国の出入国制限を受け、3月下旬から運休していた。
7月から、成田、関西国際、中部国際とヘルシンキを結ぶ路線は再開予定だが、
新千歳線は「欧州と道内、双方の需要が見込めない」(フィンエアー日本支社)と判断した。
(文章執筆:本庄彩芳氏)
・・・・・・悔しい、よくわかるけど(涙)。
何と言っても利用者の比率では自明の理。
感染者数やそれによる死者数の多数で、今ヨーロッパの人々はたぶん旅行どころじゃないだろうし、
旅行できたとしても地中海とか熱帯の通いなれたリゾート地であって、新規開拓の北海道じゃないのかもしれない。
また、今日本人全体が(感染者数のひどい)海外への旅行にはためらいがあるだろう。
あとは先の自分のコメントどおり、北海道内の社会人の公休と旅行に使える資金のなさ。
残念ながら、欧州のコロナウィルスの収束と道内の非常事態宣言の解除が「第一」なのでしょう。
・・・・・・ほんとうに悔しい。
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そして、先日の北海道新聞「ニセコのキセキ」の続編です。
北海道新聞 2020年5月20日付記事
「ニセコのキセキ 第3部 考察編」
脱訪日客依存、迫れられるニセコ コロナ後は国内に活路
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/422475?rct=n_hokkaido
海外から投資や観光客を呼び込んで急速に発展したニセコ地域は、
ヒト・モノ・カネの自由な移動がもたらす富の恩恵を最大限に享受してきた「グローバル化の縮図」といえる。
新型コロナウイルスの猛威を前に一転して「鎖国」の風潮が続くなか、
ポストコロナ時代に向け、この局面をどう乗り切ればいいのだろう。
(文章執筆:合津和之氏)
■「次元異なる」
コロナ危機以前のにぎわいがうそのような静寂に包まれるリゾートエリアの後志管内倶知安町ひらふ地区だが、
投資は活況だ。
町内の不動産業ニセコリアルエステートのベン・カー社長は
「新しい問い合わせが毎日あり、月2、3件ペースで成約している」 と話す。
投資需要が根強いのは、ニセコ地域が国際的にブランドを確立していることの表れだ。
カー社長は
「今は割安感のある株にお金が流れる動きもみられるが、
コロナが収束し、株価が戻れば投資家の目はさらに不動産に向く」 とみる。
グローバル化が急速に進展したのは2000年以降。
ニセコ地域も、その流れに乗って外国資本が次々と入り込み、国際リゾート化が進んだ。
国際貿易投資研究所(東京)の鈴木裕明客員研究員はコロナ収束後のグローバル化について
「数年間は後退する」と予測する一方、「観光や人の動きと金融の動きは次元が異なる」とし、
外国マネーがニセコ地域に流入する傾向は今後も変わらないとみる。
ただ、グローバル化の流れが戻っても、その質は変容する可能性がある。
北大公共政策大学院の遠藤乾院長(国際政治学)は、
トランプ政権が新型コロナの感染拡大に関して中国批判を強めていることなどを踏まえ
「各国との親和を重視する米国型と、囲い込もうとする中国型に二分される傾向が強まる」と予測する。
立ち位置によっては、一方の国が人の移動や投資の規制を強める可能性も否定できないという。
■自粛を好機に
新たなグローバル社会に備え、ニセコ地域が今できることは何か。
ニセコアドベンチャーセンター(倶知安町)のロス・フィンドレー社長は、経営戦略を見直す充電期間ととらえている。
「コンドミニアムの料金を下げて日本人にアピールするなど、
国内市場に活路を見いだすことも必要だ」
道内観光業界では、コロナ収束後の観光客の流れは道内、道外、海外の順に戻り、
このうち訪日客の回復は来年以降との見方が強まっている。
冒頭のベン・カー社長は
「外国人に照準を合わせた高額な飲食の料金設定を見直すなど、自粛期間は、ニセコが国内市場に目を向ける好機になる」
とみる。
大手旅行関係者は「ビュッフェの見直しなど、3密対策を意識した旅行形態を考えたい」と話す。
ニセコ観光圏(倶知安、ニセコ、蘭越の3町)のお金の流れを分析すると、
付加価値額1061億円のうち観光業や宿泊・飲食業など3次産業が4分の3(802億円)を占め、
稼いだお金の大半は圏内の企業や家計に分配されている。
民間消費・投資の段階では、外国資本を含む民間投資が圏外から50億円流入。
海外の観光客や投資への依存度の高さをみても、
コロナ禍後を見据えた観光戦略の見直しは待ったなしの状況といえる。
ニセコ地域は世界的なリゾートへと急成長を遂げた一方、
近年は夏場の集客力の底上げや訪日客頼みの態勢を見直す必要性が指摘されていた。
新たなグローバル経済下での観光の絵姿を描くことは現時点で難しいが、
コロナ禍前から横たわるこうした課題に道筋をつけることが、
あらゆる変化に対応可能な「強い観光地」づくりにつながる。
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また、こんな話もあった。
倶知安町の「ファーストキャビンニセコ・ぽんの湯」(169室)ほか
全国で20以上の宿泊施設を運営していたファーストキャビン(東京)は24日、
事業を停止して東京地裁に自己破産を申請したことを明らかにした。
東京商工リサーチによると負債総額は11億3千万円。
競争激化や新型コロナウイルス感染拡大で客離れが進み、経営に行き詰まった。
倶知安の宿泊施設は、所有する大和ハウス工業(大阪)が営業継続を目指しており、別の運営会社を探す。
(北海道新聞 4月24日付記事より)
「ファーストキャビンニセコ」公式ホームページ(撤退、リンク切れ)
(2021年5月訂正・追記)
上記「ファーストキャビン」は撤退し、
現在は「トリフィート ホテル&ポッド ニセコ」として
2020年11月に再生しました。
公式ホームページは、
https://torifito.jp/niseko/
新しくて日替わり温泉もあるのは良いけれど、国道5号線沿いでJR俱知安駅から徒歩だと25分の街外れ。
「アメリカンモーテル」色が強いけど、
「プレミアムクラス」以外はアコーディオンカーテンで仕切るために音はもれるうえに施錠できず。
悪く言えばスリ・置き引きには無防備。
全室ドアで施錠できなければ、残念ながら「宝の持ち腐れ」だろう。
この時代、求められるのは“プライバシー”なのだから。
あと、個人的には立って外の天気が見られる「窓」が欲しい。
灯りがないと真っ暗なのは耐えられない。
だから、自分は“ゲストハウス”の連泊はできないでしょう。
移動や街のイベントを楽しんで夜に素泊まりして、翌朝すぐ出かけるパターンなら良いけど。
ものすごい勢いで時代が変わってゆくのを感じる。
「駅前旅館」「民宿」は、昭和ふうの設備やサービスのままでは、淘汰は時間の問題だろう。
でも、新発想の宿でも上記のような道をたどった。
最後は「顔の見える、無駄のない快適なサービス」なのだろうか。
とにかく、旅に出て、いろんな人に会いたい。