ひと晩たてば 政治家の首がすげ変わり
子分共は慌てふためくだろう
闇で動いた金を 新聞は書きたてるだろう
ひと晩たてば 国境線を戦火が燃えつくし
子供たちを飢えが襲うだろう
むき出しのあばら骨は 戦争を憎み続けるだろう
アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
アジアの片隅で このままずっと
生きてゆくのかと思うのだが
(「アジアの片隅で」1980 吉田拓郎
作詞:岡本おさみ)
東京新聞社説 2023年12月15日付社説
「安倍派4閣僚が交代 「派閥政治」と決別せよ」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/296127?rct=editorial
自民党各派閥の政治資金パーティー問題を巡り、
岸田文雄首相は「裏金づくり」を疑われる安倍派の閣僚4人と党幹部らを交代させた。
政権幹部の疑惑が軒並み追及されたリクルート事件に匹敵する異常事態である。
裏金づくりが疑われるパーティー収入の政治資金収支報告書への過少記載は安倍派に限らず、
首相が最近まで会長を務めていた岸田派や
麻生、茂木、二階の各派も告発された自民党全体の問題だ。
安倍派幹部を政権中枢から排除するだけでは、
変わらぬ腐敗の根を断つことはできない。
「派閥政治」と決別せねばなるまい。
1988年に発覚したリクルート事件に端を発した「平成の政治改革」の目的は、
政党・政策本位の政治に転換することだった。
衆院の1選挙区から複数が当選する”中選挙区制”では自民党派閥同士の争いが過熱し、
無理な政治資金集めが横行したとされ、”小選挙区比例代表並立制”に変更された。
政党が無理な政治資金集めをしなくて済むよう、
将来の企業・団体献金禁止と引き換えに、年間約300億円余りの政党交付金(助成金)制度も導入され、
カネとポストの配分で力を維持していた派閥は存在意義を失う”はず”だった。
実際、党分裂を経て1993年にいったん下野した自民党は
党改革の一環で1994年に派閥解消を打ち出し、各派閥も事務所を閉鎖したが、
政策グループ、親睦グループの存続は認められたことから、
完全に消滅することはなかった。
その後も、首相官邸や党執行部などの政権中枢に政治資金の配分や
選挙での公認権、閣僚・党役員人事などの権限や権力が集中したことで、
派閥は求心力を完全に回復することはなく、無派閥の議員も増えていった。
◆長期政権で勢力を拡大
現在につながる派閥復活のきっかけは2012年、
自民党の政権復帰にさかのぼる。
安倍晋三首相(当時)は、実質的に率いた清和政策研究会(現安倍派)を100人規模の党内最大派閥に育て、
長期政権維持の原動力にした。
その結果、起きたのが森友・加計学園や桜を見る会を巡る政治腐敗である。
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係を深めたのも、
自派候補への支援を得て派閥勢力を拡大するためにほかならない。
今回指摘された「裏金づくり」も安倍首相当時のものが含まれ、
それ以前から派閥主導で常習的に行われていた可能性も濃厚だ。
派閥政治復活の萌芽(ほうが)を再び開花させたのが岸田首相である。
岸田氏は安倍、菅義偉両首相による政治を「民主主義の危機」と訴えて首相に就いたが、
権力基盤の弱さから各派閥の意向を人事や政権運営で重視する政治を復活させた。
党総裁は派閥を離脱する慣例を無視して、岸田派会長に最近までとどまっていた。
派閥を重視してきた首相の政権基盤が、派閥の不祥事で揺らぐのは
当然の結末とも言える。
首相が問われるべきは、政治改革の熱意にほかならない。
首相は安倍派閣僚の交代に先立ち、派閥パーティー自粛や自らの派閥離脱を打ち出したが、
その程度で解消できる政治腐敗ではあるまい。
抜本的な改革が必要だ。
◆政治資金の透明化図れ
政治資金の実態を自ら明らかにすることはもちろん、
政治資金パーティーの是非も議論すべきだ。
直ちに禁止することが困難なら、
現在20万円超としているパーティー券購入者の氏名と額の公開基準の撤廃か引き下げが必要だ。
不記載・虚偽記入の厳罰化も避けて通れない。
政治資金の透明化は政治不信解消の大前提だ。
政党が政党助成金と企業・団体献金の
「二重取り」を続ける現状も改めなければなるまい。
平成の政治改革により、以前のような大型疑獄事件は鳴りをひそめたとはいえ、
自民党の「政治とカネ」の問題は後を絶たない。
2019年の参院選広島選挙区では公選法違反(買収)で河井克行元法相、案里元参院議員の有罪が確定し、
きのうも同容疑で柿沢未途衆院議員(自民党を離党)の事務所や自宅が家宅捜索を受けた。
政治資金パーティー問題で30年余りの政治改革が
結局、振り出しに戻った感はある。
野党結集の熱意を欠く政治状況は、以前より劣化しているのかもしれない。
それでも私たち主権者は政治に絶望してはいられない。
派閥政治や金権腐敗の一掃を求めて声を上げ続けることが、政治に緊張感を持たせ、
政治への信頼を回復させる一歩になると信じたい。
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「ため息しかでない。
自民議員の倫理感覚の無さに改めて絶望感を深めている。
安倍派の裏金づくりの問題で、総務大臣を辞めた鈴木淳司衆院議員(愛知7区)が
「キックバックは文化のようなもの」と恥ずかしげもなく言ってのけた(朝日12.16)。
全く反省がない。
悪いことをしているという感覚がないのだ。」
「裏金は通常隠しておくカネだから当然税金を支払ってるわけじゃない。
安倍派の総額5億円以上の裏金は1円も税金を支払っていない。
不記載だからばれないと思ってやってきたわけでしょう。
我々はたった10円のものを買っても税金払ってるし、
わずかな収入でも税は抜かれている。
国民はなぜ怒らないのか!」
澤田愛子さん(フリー研究者)のツイートより。
「ちょっと前に間違って振り込まれた4500万円程の給付金を
別口座に移して「使っちゃったのでもう返せません」って主張した兄ちゃんって、
パクられて執行猶予こそついたものの実刑判決出てましたよね?
金は殆ど町が取り戻してたのに。
千万単位で裏金を懐に入れてたんなら逮捕起訴が当たり前でしょ。」
立川雲水さんのツイートより。
「自浄能力ゼロ。
自民党全体を汚染していた裏金問題ついて自ら解明することはせず、
”これから気をつけるので選挙までに忘れてね”ということ。
空疎なやってるふり。
完全に国民を馬鹿にしている。
違法集団は政権を返上すべき。」
小沢一郎さんのツイートより。
「今の自民党を支持するというのは、
反社会的勢力を支持するようなものだということは
理解しておいたほうがいい。」
m TAKANO さんのツイートより。