が多少身体は強くなってきたようだ。
昭和48年3月
卒業を目前に控えた式リハーサルの時のことである。
前からイマイチ仲良くなかったＮ木から会場で絡まれた。
反射的に
「表に出ろ！やったろうじゃねえか！」
と怒鳴ったのだが
自分でも思いのほかデカい声が出た。
回りもびっくりしたが何より驚いたのは俺である。
体育館の端々まで楽に届いていただろう。
千村先生が
「なにやってんだ！(卒業式の)予行演習だぞ！」
『はいはい、すみませんです』
当のNは黙って引いていた。
空手の気合が地声まで強くデカくしていたようだ。
「弱い犬ほどよく吠える」
とは言われるが
弱い犬が吠えなくなったらおしまいである。
キツイ時ほど声を出せ。
が多少は身についてきたようだ。
