以前、大きな試合で勝利した
ボクサーに女性がインタビュー
していた。
女性は「試合中、このパンチで
相手が怪我をすると考え躊躇する事が
ありますか」等と質問した。
そのボクサーはゆっくり間をとって
「試合中は通常の心理ではない。
とても人にお話し出来る
心理状態にない」
と答えていた。
私はハッとした。
顔面を殴られれば、通常の心理は
消えてしまうのだろう。
相手を倒す事のみ
を考えるようになるのだろう。
それはそのボクサーだけでなく
この私もそうなのかも知れない。
ボクシングの試合でも
そうなのだから、戦争中とも
なれば異常な心理、行動を
とることになるのだろう。
何だか怖い。人間が獣になってゆく
ような気がする。
ああ、そうか。
もともと人間は獣だったのか。
私の体には、消化器官、呼吸器官、
交接器官などが存在すると共に、
どこかに虐殺器官があって、
普段は奥深く隠れているが、
ひとたび何かの合図があれば、
たちまち、浮かび上がり、
その器官が動き出す。
普段は理性とやらで覆い隠されているが、
自分の何かを守る為にそれは存在する。
私は最近テレビを見ないようにしている。
それでは情報に疎くなりそうなので
ラジオを復活させようと思う。
間違った合図を受けて
しまわないように。
注意 ボクシングを否定する記事では
ありません。ボクシングの試合は私も良く
見ています。不快に思われたらすみません。