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みかんのつぶやき。植物とか妄想とか愚痴とか情報のゴミ。

春の闇

私は今ここにいるのだが

ここではない世界にいたことがある。

確かな記憶と曖昧な記憶が混在しているが

それらは私の記憶である。


だから、ここが私にとってはとても奇妙な

場所にも思える。


空がない。海がない。人がいない。

私の周りにいる者はそれらは何かと

不思議に思うだろうがそれらを

説明するのは面倒なことだ。


例えば、私がかつて、いたところは

天体の表面を取り巻いている気体の

層があった。

地上1000キロまで存在して恒星の

強烈な紫外線やX線を遮るとともに

保温の役割を果たす大気があった。

組成は主に窒素 N2 (約 80 %) と

酸素 O2 (約 20 %) からなる。

それらを地上から見上げると

青く、時には厚い雲を伴ったり

日々様々な変化が見られ、

切ないほど美しい。

などと言っても毛ほども

解っては貰えないだろう。

ましてや海の美しさ、

人間という生き物の心の

複雑さなど

伝える気力もない。


ああ、そうだった。

私は今、言語を持っていない。

私だけでなく、周りを取り巻く

者たちも。


ただ時折、己の心の憂さを

打ち捨てるような不思議な

音を発するだけだ。


私は何時までここにいるのだろう。

私の記憶が消えるまでだろうか。

それとも私という概念が

なくなるまでだろうか。


いずれにしても、また私は

何処かの世に生まれ落ちる。

なぜなら何処の世にも

私のような者が必要だから。

世の中をひっくり返すために

我が手を血で汚す事を躊躇わない。

そんな仕事が出来る者。


前の世では独裁者、ならず者等と

呼ばれてもいたなあ。



戦場のニュースに慣れて春の闇

戦場の夢に起こされ春暑し

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