雄一郎の半生
社員寮では、朝4時に起きて
朝食を作り、その後は清掃や、
宅急便等の受け取りや送付など
色々な仕事をこなしながら、
夕食を提供して一時の休憩が
ある、この時は食堂には誰も
いない。夕食の準備は
済んでいて、味噌汁やご飯も
すでに食堂内にあり、帰寮した
寮生が自由に食事が出来るように
なっていた。その少しの時間で
食事を注文していない寮生が
おにぎりを何個かにぎって部屋に
持ち帰ると言うことあった。
どうも、食事を申込みしている人が
ごはんが足らないことがあった。
その頃はまさか夕食を注文していない
寮生がご飯を取っているなど
夢にも思わなかった。
しかし、食事の準備が終わり私たちが
管理室内に戻ってから、一人の寮生が
食堂に入っていく事がしばしばあり
その日に限って、ごはんが足りない。
それで、その寮生が食堂に入って
いったのを確認してから、食堂のドアを
開けてみると、案の定、その寮生が
大きなおにぎりを2つにぎっていた。
「○○さんは、食事の申込みをして
いませんよね」と声を掛けると、その手が
止まった。バツが悪い顔をしている。
これより後のご飯の足らないことは
無くなったが。
次回につづく
次も楽しみにしてます。