雄一郎の半生

こんな人生もあるのですね。ノンフィクションの半生記
全ては、書けませんが。。。

寮の日常

2021年06月29日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
社員寮では、朝4時に起床し
就寝の0時まで色々な仕事が
ある。ある春に玄関まわりの掃除を
していると、いつもと違い綿毛の
様な物が床に沢山たまっていた。
初めは何なのだろうと思っていたが
これが後に毛虫と分る。
近くの桜の木にも大発生していて
近所からもクレームが有るほどだ。
これを先方の総務課に伝えて
業者が入り駆除してもらう事に
なるのだが、業者が来るまでは玄関や
駐車場、食堂の入り口まで、まるで
綿毛とでも言うような毛虫が
沢山転げ回っていた。
 
また、ある日には、裏庭に行ってみると
地面に大きな穴が開いていることもあった。
地下の水道パイプから漏水していたので
暫くは分らなかったが自然に陥没したらしい。
 
様々なことが起きる寮生活だった。
この頃は、シザーのメンテナンスを弟子とも
言うべく以前のNPOの知り合いに全てを
引き継いではいたが、ありがたいことに
5年経っても以前の常連客からメンテナンス
の依頼があるほどだった。無論当時は
忙しい日々を過ごしていたので、知り合いに
任せていたが。
 
次回につづく

飯泥棒

2021年06月25日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
社員寮では、朝4時に起きて
朝食を作り、その後は清掃や、
宅急便等の受け取りや送付など
色々な仕事をこなしながら、
夕食を提供して一時の休憩が
ある、この時は食堂には誰も
いない。夕食の準備は
済んでいて、味噌汁やご飯も
すでに食堂内にあり、帰寮した
寮生が自由に食事が出来るように
なっていた。その少しの時間で
食事を注文していない寮生が
おにぎりを何個かにぎって部屋に
持ち帰ると言うことあった。
 
どうも、食事を申込みしている人が
ごはんが足らないことがあった。
その頃はまさか夕食を注文していない
寮生がご飯を取っているなど
夢にも思わなかった。
しかし、食事の準備が終わり私たちが
管理室内に戻ってから、一人の寮生が
食堂に入っていく事がしばしばあり
その日に限って、ごはんが足りない。
それで、その寮生が食堂に入って
いったのを確認してから、食堂のドアを
開けてみると、案の定、その寮生が
大きなおにぎりを2つにぎっていた。
「○○さんは、食事の申込みをして
いませんよね」と声を掛けると、その手が
止まった。バツが悪い顔をしている。
これより後のご飯の足らないことは
無くなったが。
 
次回につづく

社員寮では

2021年06月22日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
社員寮の管理人は、朝が早く、
夜は遅い。ある朝起床ラッパが
鳴った。何でと思ったら隣が
自衛隊の駐屯地なので時々
起床ラッパが鳴るらしい。
新米さんが吹くラッパは途中で
調子が狂う、こちらも聞いていて
ずっこけてしまう。
 
寮内には、ゴミの収集所がある。
その近くではやたらにゴルフボール
が落ちている。寮生に尋ねると
駐屯地の自衛隊が休み時間に
ゴルフをして、こちらに飛んでくる
んじゃあないかと言うが、まさか
こちらにあれだけのボールが
飛んできていたら、窓ガラスなどが
割れるだろうと、思っていた。
犯人が分った。屋上に上がったとき
ここにもゴルフボールがあった。
そばには、アイスクリームの箱や
紙くずなども落ちていた。
それで、犯人はカラスと言うことが
分った。
ある日、屋根裏を何かが走る音がする
バタバタと、猫が入っているのかと
思っていたが、屋根裏を開けて
ライトで照らしてみたら、狸だった。
どこから上がったのだろう。建物の
縁の下にいくつか穴があったので
そこから、入ったのではないか。
などなど、色々なことが起きる。
 
次回につづく

管理人の仕事は

2021年06月18日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

社員寮の管理人として、夫婦で
住込みをしながら朝4時に起きて
朝食を作り、その後は片付けや
清掃。寮内の清掃や食事の材料の
買い出し、それが終わると夕食の
準備や、先方の課長が泊まる部屋の
準備などなど、毎日がめまぐるしく
過ぎていった。
そんな有る師走に寮生達がざわざわと
帰ってきた。「管理人さん、担架は
有りますか?」というので玄関に出てみると
寮生が、酔って戻しながらダウンしている。
おまけに、ズボンがずれ落ちていて
尻毛が見えている。かなりの剛毛で
みんなが笑っていた。仕方なく担架が
無いので、毛布を出してみんなで
寮生の部屋まで運んでいった。
かと思えば、必ずと言って良いほど
連休が来るたびにボイラーが壊れて
風呂に入れない事もあった。業者に
連絡してもなかなか来てもらえない。
雨漏りがして、配電盤の中に漏水し
ブレーカーが落ちて、停電するなど
築40年を過ぎたであろう建物には
トラブルが多かった。
夏は、庭の雑草が生い茂り除草剤を
撒かなくてはならない。しかし、噴霧器は
背に背負って噴霧するタイプで、
全ての庭に撒くのには5から6回は
継ぎ足して噴霧していた。時間も
3時間はかかっていた。真夏の暑い
日差しの中でよく、日射病にはならなかっと
当時を思うと感心する。
この頃はまだ50代で若かった。
住込みで入った頃から、床下に何時も
水道の蛇口から水が出ている様な音が
聞こえていた。前任者にも尋ねたが
知らない様子だった。暫くして、床板が
湿っているのに気づき、業者を呼んで
床板を上げてみたら、床下が水で溢れていた
なんと、水道のパイプが破損していて
そこからずっと漏水していたのだ。道理で
水道代が高かった。後に水道局から電話が
あり、急に水道代が少なくなったことを
尋ねられ、こんな事があったと伝えると
あっけにとられていた。
押し入れもカビが出ていたのもこの状態が
長く続いていたからだとわかった。
今時、部屋がカビるなんてと思った。
次回につづく

寮の管理人とは

2021年06月15日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

 
いよいよ、ある会社の社員寮に
管理人として、勤務したのだが
前任者からの業務の引き継ぎや
寮生の対応、清掃、パートさんの
管理、食事の提供などなど
多岐にわたる業務を未経験で
熟さなくてはならない。
ま、言ってはなんだけど、当時の
パートさんは、私たちが買い出しに
出かけてから帰ってくると、
図書室で寮生とたばこを吹かして
いるような人で、直ぐに辞めて
いただいた。
前任者も次に行くところが、決まらない
こともあり、なかなか出ようとはしない。
私たちも、トランク2つのみで来ている
ので、洗濯もままならない。
食事も前任者の食事では、納得が
いかない。
清掃も、4階までの各階のトイレや
大浴場の清掃を朝4時起きで
熟さなくてはならない。時間に追われ
ながら、日が暮れていく。
0時に就寝し、4時には起きる日々が
続いていた。毎日4時間ほどの睡眠で
事務処理を覚えるまでに2ヶ月を
要するほど、複雑な処理をしなければ
ならなかった。加えて、月一で地区の
運営会議にも出席しなければならない。
 
近くにある社員食堂のヘルプにも
出なければならない。こんなにきついとは
思わなかった。どうりで、管理人が
コロコロと変わっている訳が分った。
妻も嫌気が差し、この時はまだ
借りていた、アパートに車で帰ろうと
したらしい。
しかし、後戻りは出来ない。何とかして
業務を熟していかなければと、奮闘する。
 
1ヶ月ほどして、前任者は子供一人を
連れて出て行くことになる。
 
二人で合計体重を、20Kg減らしながら
この後、社員寮の管理人と
なるのだが、いろんな事が起きる。
 
次回につづく