社労士みょうみょうのちょこっとセミナー

社会保険労務士の仕事を通して思ったことや考えたことを書いています。また制度や法律について、自分なりの解釈でお伝えします。

介護保険が始まる前のこと

2015-06-28 06:04:32 | 介護保険制度
介護保険は社会保険と言われるものの中ではもっとも新しい保険です。平成12年にできました。(新しいとはいっても、はや15年経ったのですね)私はそのころ、保育士養成校に通っており、なんとな~く、ぼんやりと介護保険制度のことを知っている程度でした。なんか、そういうのできるらしいね~ぐらいです。卒業時老人ホームに就職するクラスメイトがいて、すっごく変わった子だなぁと思いました。自分がその後老人介護の世界に入るなんて夢にも思っていないのですね。ほんの5年先のことなのですが…

擁護教育の先生が(介護保険は)「悪く言われているけど、大変な時間と労力をかけて作られた制度なんだよ。何もしない人というのは、文句ばかり言うものだ」と言っていたのを覚えています。

介護保険は「保険」なので、保険料を払って、保険事故(要介護状態になる)が起きたら、保険給付(介護サービス)が受けられるというものです。利用者負担は1割です。医療保険は3割負担なのでちょっとというか、かなり安いですね。所得とかは関係ないです。応益負担といって、使った分だけ払うのです。今ではおなじみのものですが、介護保険ができる前はそうではなかったのですね。

人口に占める65歳以上の比率が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会と言います。日本は昭和45年には高齢化社会、平成7年には高齢社会になっているので、介護の問題は差し迫っていたわけですが、現実から目を逸らしていたのでしょうか…

当時総理大臣だった田中角栄は高齢化時代に老人の医療費を無料にしちゃってます…その結果、病院は老人のたまり場になっちゃいました…医療崩壊です…高齢化社会ですから老人の票というのは大きいわけです。

老人介護に関しては、医療と介護が分離していて、介護は市町村の権限で行われていました。措置といって、市町村が入所する施設などを決めていました。そして利用者負担は応能負担だったので、所得によって決められていました。なので、低所得じゃない人たちは「損している」「もったいない」と思ったのでしょう。施設そのものも足りなかったのですが。応益負担である医療施設を代わりに使う人が多く、社会的入院(医療の必要がないにもかかわらず、他にいくところがないので医療機関にいる)として問題となりました。

これじゃいかん!というわけで、介護保険制度ができました。

次回から介護保険について、思うところを勝手に書きたいと思います。

介護のことになると、おだやかでいられない…


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