ホイッスルバード あいざわぶん

トリクルダウンの具体例

昨日触れた安倍政権「トリクルダウン政策」に就いて、私が
体験した具体例を本日は書いてみたい。
尚、「トリクルダウン」の意味を知らない人は、昨日の文章を
お読み下され。

例えば、能登半島の復旧・復興や関西万博の会場建設の
ため全国から肉体労働者が集められる。忘れていけない
ところでは、福島原発事故現場での作業員も然り。

そういうところには政府から建設業の元請け企業(ゼネコン
と呼ばれている)に大金が注がれる。
それはワイングラスを重ねた上のグラスにワイン(お金)が
注がれるということである。
上のグラスが満ちたら、二段目のグラスにワインは流れる。
元請け企業はお金をたんまり抜き、二段目の企業もお金を
抜いて三段目の企業にお金が流れて行くのである。四段目の
企業もお金を抜いて、又、下請けにお金は流れていく。
で、酷い場合は、6次下請け辺りまでお金は流れるのだが、
最初の金額からすれば、潤う金額では無くなっている。

では、私が体験した具体例を挙げてみよう。

東日本大震災が起きた後、中学の後輩で小さな建設業を
経営している友人から、何もしていなかった私に「頼む
から助けると思ってうちで働いてくれないか」と言われた。
「俺は猫の手以下だから」と断ったのだが、「実は数年間、
仕事が少なくて借金して生活していた」と打ち明けられた
ので、「じゃあ一年だけだよ」と承諾したのだった。

私が提示されたのは日当8.000円。正直(少ないなぁ)と
思ったが、猫の手以下なのだから、それでも承諾した。

で、日曜以外は往復3時間も掛けて仙台市郊外まで行き、
8時間の肉体労働をしたのである。
そりゃ、(引き受けなきゃよかった)と何度思ったことか。

或る日、新しい二人の若者(20代と30代)も一緒の現場で
働くことになった。何日かした頃の休憩時間に、どちらかの
若者から日当額を訊かれたので何も考えずに、「たったの
8.000円だよ」と笑いながら言ったのだった。
そしたら、翌日から二人は来なくなった。

後日、彼らが辞めた原因を、私を雇った友人から苦虫を噛んだ
ような顔をされて説明された。
若者二人を雇ったのは、吾が友人が雇った子分的な男である。
その男は、吾が友人から三人分の24.000円を貰い、若者
二人には6.500円ずつしか日当をやらなかったのだ。
つまり、自分の取り分は8.000円+3.000円ということ。
吾が友人が4次下請けだとしたら、私が5次下請けで、更に
その下の6.500円も居た、ということ。

下に流れるのは雀の涙。
上の企業はうほうほと潤い、内部留保として貯め込んだ。
安倍政権のトリクルダウン政策とは、そういうこと、である。

さて、今年の新入社員から驚くほどの初任給が出るそうな。
もちろん、そういう金額を提示できるのは大企業である。
この変化には色々な見方があるだろう、と私は思っている。
表では「人材確保」と言われているが、(若者たちの票を
現政権に落ち着かせる効果を狙ってのこと)と私は見る。
全体からすれば少ない数字でも、政権維持の為の数字が
見込めるという作戦を、自民党と企業は目論むわけだ。

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