ホイッスルバード あいざわぶん

ビートルズを知っているということ

私が暮らす道後界隈では、24日の夜には金木犀の
香りは殆どしなくなっていた。
だから、僅か10日間の花の命で、桜花よりも切なさを
秘めているところも又いいのである。
 ・・・ 芳香剤でも買って来ようかなぁ ・・・

ビートルズが来日した時(1966年6月)の私は9歳で、
吾が家がレコードプイヤーを買ったのは2年後である。
中学生になると盛んに洋楽を聴き始めるが、何故だか
私は違う歌手ばかりに熱中していた。
で、中三の秋に同級生の俊彦君がレットイットビーの
LPを貸してくれたのがビートルズとの出逢いだった。
その衝撃たるや、驚いたのなんのって!
もっと驚いたのはLPを帰す際に「いや~凄かった」と
感嘆の声を洩らしたら、「んでも、解散するんだじぇ」と
俊彦君が言うものだから、更に驚いたのだった。

私はビートルズの良いファンにはなれなかった。
解散を恨めしく思い、ボブ・ディランの方に心は傾いて
いくのだった。
だけどジョン・レノンは別格で、ビートルズのレコードは
一枚も買わないのに、レノンのレコードは買うのだった。

大袈裟に言うのなら、ビートルズを知っているか否かで
人生は変わるのだ。で、私は少しだけ知っていることを
何故だか誇りに思っているのである。

昨夜のニュースで、「11月2日にビートルズの新CDが
発売される」と知った。
生前のレノンがピアノを弾きながら新曲を歌うのを録音
したテープを、AIを利用して、ポールとリンゴが加わり、
リリースするのだそうな。 ・・・ 楽しみだなぁ ・・・

50年後・100年後に残らぬような安い音楽に惚れては
いけない。
「ビートルズを知っている」とは、そういうことなのだ。

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