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合言葉はヒュッゲ

映画 マディソン郡の橋

BSで録画。

これ、29年前にも映画館で観たんです。当時すごく話題になった作品でしたよね。

クリント・イーストウッドが監督&主演。農場主の夫と二人の子どもを支えとして生きて来た主婦をメリル・ストリープが演じています。マディソン郡の橋を撮影するため、訪れたカメラマンがイーストウッド。切なく儚い絆で結ばれた数日の恋。

偶然と言うか、運命と言うか、たまたま夫と子ども達が牛の展示会へ泊まり込みで出かけていた留守に道に迷った彼が家を訪れた。道案内をしたお礼に花束をもらい女心をくすぐられたのか、その日すぐに家に誘いお茶を飲むあたりのスピードに大胆だなあと驚いた。
でも、この家は野中の一軒家で近所に家がない。だから人目は気にしない?こちらがハラハラしちゃいました。 笑

二人の接近はとてもスピーディーですが、食事をしながら人生を語り合う、なかなか深い台詞にうっとり。彼はバツイチで世界中を駆け巡るカメラマン。彼女は、結婚と同時に教職を捨て、20年近く家庭に尽くし
て来た。生活の場が大自然と家族だけに囲まれた狭い世界だから、そりゃあハメを外してみたいし、時には自分を変えてみたいよね。

不倫、逢瀬とか最初から色眼鏡で見てしまうとこの映画の良さはわからない。
彼女が長年守ってきた幸せの形がキッチンに表されている。すごくきれいでかわいさを醸しながら片付いているキッチンとダイニング。毎日を丁寧に生きながら、人生をもっとよりよく生きたいと願っている姿がみえた。

カメラマンの彼が滞在する期間と、家族が帰ってくる期間のタイムリミットが迫り、イライラして彼にからんだり、甘えたり、
彼から一緒に旅立とうと誘われ【駆け落ち】心が動くけど、彼女には今の生活を捨てる勇気はなかった。そりゃそうだよね。勢いだけで人は生きていけない。

町までスーパーに買い物へ出かけた雨の中、彼がぬーっと車の前に立つ。びしょ濡れのまま立ち尽くす彼と、車の中の彼女は微動だもせず見つめ合う。夫が戻ってきて運転席に乗り込むのを見て、彼は全てを察し自分の車へ戻る。信号待ちで青になっても動けない彼に夫がクラクションを鳴らすんだけど、胸が締め付けられるシーンでした。土砂降りの雨の中、進路を変えて彼は去る。切ない別れ。

この短いけど深い恋は、彼女が宝ものとして胸の中にしまい、夫を見送りそして自分も死ぬ前子ども達へとカミングアウトして残した。当時の母と同じ年代になった息子と娘は、全く知らなかった母の歴史に戸惑いながらも受け入れていく。

親が不倫の事実を突きつけるにあたっては、観ているこちらも複雑な気持ちにはなりましたが、イーストウッドも当時65歳。この役柄、よく頑張ったなあと変な感心をしてしまいました。メリル・ストリープの年齢の出た体型と表情豊かな演技も素晴らしかった。

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