ほんとに人の心の裏や奥底の欲望をさらりと表現してくれます。
火曜サスペンスは高視聴率で、岩崎宏美の♪マドンナたちのララバイが主題歌の頃。
1982年、なんとも懐かしい時代。その頃の東京風景は今よりうんと静かな印象。
主人公粕谷は、小さな不動産屋を営んでいた。もともとは会社を経営する父の息子として生まれそれなりに裕福な暮らしをしていたが、倒産により両親は自殺。その後の人生は辛酸を舐め、いつか一攫千金を狙う野望を抱き生きていた。
3年前に別れた恋人登代子と偶然再会し、登代子に好意を寄せる男が大手銀行員だと知り、2人に近づいて行く。
国有地の払い下げを狙い、汚い手を使い支店長に取り入り、代議士に賄賂を渡し、未曾有の土地開発を企むが、そのためには行きつけのスナックのママである恋人正子に身体を売らせる事も厭わせず、己の欲望だけに向かい邁進。
土地の払い下げがあと一歩と迫り、粕谷の計画は剥がれ落ち、登代子が銀行員に殺害され銀行員の遺書に託した密告が明るみに出て集結となる。
粕谷は、幻のユートピアに何を夢見たのか?あまりに犠牲が多かった。
ブローカー粕谷役は近藤正臣。当時40歳。
男の色気と無邪気さのバランスが絶妙なイケメン俳優。育ちの良さが滲み出ている男優。今は80歳のおじいちゃんですね。
登代子役は風吹ジュン。かわいくて小悪魔的な女優さんですね。
スナックママの正子役にはピンクレディー
のミーちゃんが抜擢。まだこの頃は24歳くらいだろうに、和服を着たママ役、初々しくも美しい。
不動産会社の部下役に若き日の石田純一が。短髪に細かいパーマ?がかかった独特のヘアスタイルに目が行きました。
しかし、このドラマを見終えた後の複雑な感情は何?【人衆ければ天に勝ち天定まれば人に勝つ】という諺がぴったりか?少し切なさも混ざりながらも。