始めにお断りしておきますが、私は堺市民でもなく維新の会の者でもございません。橋下大阪市長が掲げられている都構想をはじめとする維新の会の政策は関心を持って拝見しております。今回の堺市長選挙の結果、都構想に反対する現職市長が当選されましたが、この結果は選挙前から判っていました。第一に現職に対抗する新人の人選ですが、人選過程で最初に断られ代わって出場すると言ういささか事前準備の遅れと対応の拙さです。第二に都構想について「堺市が無くなる、財政を吸収される他、細やかな市民サービスに支障を来たす。云々」と言う現職の主張に対し、「堺だけでは衰退する、大阪全体でやって行こう。」と言う論理を比較した場合、市民にとって政令指定都市として発展した堺市を守ろうとする現職の主張の方が説得力があったのではないでしょうか。選挙に無関係な近隣住民が客観的に見て未だに橋下人気に頼る状況ではないと言う市民の空気を読み間違えている維新の会に猛省を促し、今後の活動の教訓として行く必要があるのではないでしょうか。
モモはシーズー犬で友人夫婦が14年8カ月に亘って家族同然に育てて来た。私が訪れると円らな目で顔を眺めながらしっぽを振って全身で迎えてくれた。3か月程前友人がモモの腹部にしこりを見つけ医師の診察を受けたところ癌(悪性腫瘍)で、しばらくは大丈夫との診断を受けた。友人夫婦は旅行等にも同行させたり定期的なトリミングを行う等可愛がってきたが、亡くなる間際友人の奥さんは膝の上で虚ろな目で亡くなって行くさまを目の当たりにして、まさにペットロス(飼い主に生じる心理的打撃)の心境に陥ったようだ。
いま全国自治体では年間22万匹余りの野犬や飼い主の居ない犬が引き取られ、14万匹余りが殺処分されていると聞く。こうした現状を減らすために「改正動物愛護法(通称)」では動物の飼い主や業者等についてきめ細かい規定が設けられている他マイクロチップ等を使った情報管理も検討されているようだ。こうしたことを考えれば、モモは飼い主に愛され幸せな一生を送ったわけで友人は飼い主としての責任を果たしたと言えるだろう。 う。 ニュース和歌山投稿11月1日掲載
私はやはりメディアの独善性はあると思います。とりわけ大新聞や公共の電波を使うメディアは第二の権力とか社会の公器と呼ばれ、日本文化の維持や民主主義の機能に不可欠との見方が有る一方、情報発信のしかたによっては世論を誘導し意図する方向へもって行くことも可能であることは否めません。秘密保護法案に対して報道の自由への配慮を呼び掛け、「国民の知る権利を守るためだ。」とか消費税増税に対して「新聞の軽減税率が必要である。」と言った理論は一見もっともなように思われますが、それが「視聴者や読者への措置だ。」と言い切り、常にポピュリズム(大衆迎合主義)を背景にものを言っているところに自らの独善性を感じるのです。もちろん各メディアにも社是と言うものが有って特異性を出し、それを世論とマッチさせていくために意を尽くされていることは営業と言う生臭い現実のためにはやむを得ないことかも知れませんね。
北京市内のタクシーの初乗り料金が最近10元(約170円)から 13元(約220円)に値上がりした。利用者が減りタクシーを拾いやすくなるかと期待したが、そんなことは全くなかった。その日も仕方なく知人と「三輪タクシー」に乗り込んだ。料金メーターの付いたタクシーと違って値段は交渉次第だ。目的地までの距離を考えれば、相場は10元。話はついたはずだが、運転手は走り出すと20元を要求してきた。安の定支払う段になって言い合いになった。知人が10元を渡すと激高した運転手は「いらない」と突っぱねた。それならと立ち去ると、しばらくしてその運転手が走って追いかけて来たので再び押し問答となった。
こちらの主張には全く耳を貸さず20元を要求する正当な理由は何も説明しない。しかも周囲の中国人に聞こえるように「日本人は、日本人は」と大きな声で連呼するのが、その運転手の見え透いた“作戦”だった。相手が根負けするまで、わめき続けるのが中国流の交渉手段の一つなのかも知れない。ツバを飛ばすその運転手の姿が尖閣諸島(沖縄県石垣市)や歴史問題をめぐり、一方的に日本政府を非難するばかりの習近平指導部の対日姿勢と重なった。 *7月5日(金)産経新聞朝刊掲載
国際社会はこの様な世界第二位の経済大国をどのように対処していくべきなのだろうか
永い間お世話になった耳鼻科の先生が閉院された。もう三~四十年前になるが、海水浴が原因で慢性中耳炎を患い、以来風邪をひいたりアレルギー性鼻炎を発症するたびに先生にお世話になった。色々な問いかけにも図面を書いて丁寧に教えて戴く等物腰の柔らかい先生で発症のたびに駆け込んだが、ニコニコ笑いながら対応して戴いた。在職中転勤等で他の耳鼻科へ行くこともあったが、手術を勧められることが多く仕事の関係等で中々踏ん切りがつかず休日を利用してこの先生の所へ通ったが、先生は「手術等しなくても大丈夫」と治療をして下さった。おかげで今では再発することも無く時々予防を兼ねてお伺いしていたが、血圧計を脇に置いて頑張っておられた。このたびお歳の関係もあって閉院を決意されたようだがそれでも知人の耳鼻科の先生に紹介状を書いて下さる等、行き届いた対応は患者に向き合う医師の理想像を見る思いであった。「永い間お疲れ様でした」と先生のご健勝をお祈りしてやまない。(6月29日ニュース和歌山へ掲載)