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江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「副校長補佐」という仕事ー14( 不登校児童と⑥ 「給食」)

2020-12-22 | 随想
給食はとっても楽しみにしている彼女だが、いつも完食はできない。
特に野菜は苦手で、食べられる物が極端に少ない。

最近の給食の主食であるご飯には、栄養価を高めるため必ず何かが混ざっている。
麦に限らず、チリメンや菜葉や胡麻などが美味しそうに散りばめられているのだが、彼女は箸で細かく選んで食べている。

牛乳は好んで飲むが、デザートの柑橘類は甘い物でないと積極的には手を出さない。
食アレルギーがあるわけではないので、いわゆる食経験不足なのだと思う。
(シングルマザーの手助けに祖母がサポートに通うが、自ずと限界があるのだろう。しかし、例によってここは未だ深入りしない。)

「これから給食委員会の人たちが、放送で今日の献立について放送するから耳を傾けてね。」
「うん、知ってる。赤の仲間とかいうやつでしょ。」
「そうそう!それで、今日は緑の仲間って何だか良く聞いていてね。」
・・・・

緑の仲間はほとんどが野菜で、「体の調子を整える働き」をしていることが分かったようだ。
そこで、私流の食育が始まるわけだ。

「緑の仲間はね、例えばビタミンCなんて言われるものがあってね、これをしっかり取っていると風邪が引きにくくなったりするんだ。それから濃い緑の野菜はね、カロテンと言って体の皮膚に栄養を与えたり肌をきれいにするんだよ。」
「肉や魚やご飯のように体を大きく成長させる力はないけど、クルマのオイルのように部品が楽に動くように助けているんだよ。人間で言うと、手足や体、それに頭の中の脳みそが良く動くようにしているんだよ。」

こんな説教じみた話に即効性はないのだが、いつかは何かの役に立つことを期待しての給食中の会話だ。
それも、互いに間を空けて並行に机を並べて・・・・。

(つづく)

<すばる>






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