江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

ヒヨドリとメジロを眺めて

2025-03-17 | 随想
我が家の居間のすぐ前は枝垂れ桃の木がある。
それを植えたのはちょうど東日本大震災の年、2011年にこの地へ引っ越してきた際だ。
濃いピンク色の桃の花もそれなりに奇麗だが、それ以上にこの木にやってくる野鳥たちを見るのが一番の楽しみである。

最も多くの鳥がやってくるのは冬から春にかけての時期である。
今の時期、特に目立つのはヒヨドリだ。
メジロやスズメもやってくるが、ヒヨドリのいないのを確かめてからやってくる。

ここに鳥たちがやってくるのは時々餌を与えるからだ。
最初は餌をあげるという意識はあまりなく、残ったご飯粒が少しあったのでそれをコンクリートのたたきにばらまいた。
すると、スズメたちがやってきて次々についばみ始めた。
その様子がけっこう可愛く感じた。

それからはエサ台を設置したり、突き出た短い小枝にミカンを半分に切って刺したりした。
さらに、主に小さい鳥たち用にブリキの巣箱も枝に掛けたこともある。

こうした試みは比較的心に余裕のある時に行ってきたものであり、常に餌が置かれているわけではない。
更に、暑い時期には全くここの存在を忘れていることの方が多い。
あえて言うなら、スズメたちがピーチク鳴きながら桃の木の周りに集まっている時に、「あっ、餌が欲しいのかな」と思うくらいだ。
次に鳥たちの餌を意識するのは、実りの秋から冬に移り変わる頃である。


さて、今は花粉が飛び交う時期、あまり外へは出たくないので暇な時には居間から外の景色を眺めている。
すると、ヒヨドリが二匹でやってきた。
窓を開けようとすると、サッと飛び去って行った。

残り物のご飯を餌のお皿に載せて部屋の中に入ると、まもなく先ほどのヒヨドリがやってきてガツガツと食べるのである。
AIによると、「ヒヨドリは昆虫、果実、花や蜜、野菜などを食べます」と書いてあるが、けっこうご飯も好きなようだ。

以前、小枝に刺したミカンを美味しそうに食べていたメジロを思い出した。
今年はほとんどメジロをゆっくり観察することがなかったので、翌日、このお皿にご飯とミカンの半切りを一緒に置いてみた。
ところが、やってきたのはまたしてもヒヨドリだった。












「今日はいっぱい餌が置いてある。食べてみたいが、ちょっと怪しいぞ。こんなに沢山あるとは・・・」
そう思ったのか、木の枝にとまってしばらく眺めていて容易に降りてこなかった。
私はカーテンの陰に隠れてじっと見つめ続けた。
すると、ようやく降りてきて食べ始めたが、終始辺りを気にしながら食べているようであった。
先日はつがいで来ていたが、今回は一匹だけだった。
オスなのかメスなのか明確には見分けがつかないが、一説によるとオスは頭部の毛が立っているというから、これはメスかもしれない。
繁殖の時期にはまだ早いが、今のうちから体力をつける必要があるのかもしれない。

しばらくして餌の入った皿を見たらミカンまですっかり食べられてしまった。
そうか、「ミカンはメジロさんに・・・」なんていうのは考えが甘かった。


彼らにあげてご飯やミカンは、今年は例年より大幅に値上がりしている。
「一粒を大切に!」なんていう標語を壁に書いて貼ってある孫っ子はどう思うか分からないが、私は最後まできれいに食べずに茶碗に付いたご飯粒に少し水を加えて指できれいに餌用のお皿に落とすのである。
また、パンを食べる際には端っこを少し残しておき、乾燥したころに細かく砕いてお皿に載せることもある。
因みに、ミカンは腐りかけた物をあげるのが鉄則である(笑)。


そんなことを続けていたある日の朝、待望のメジロたちがやってっ来た。
この日は小さなパンくずしかなかったのが幸いしたのか、いつものヒヨドリはやってこなかった。
時々、メジロたちが食べている時にヒヨドリがやってくると、かれらは一目散に逃げるしかないのだ。
因みに、メジロは人間よりヒヨドリの方を警戒するような気がする。











パンくずを食べる際にも周囲を警戒しながら食べていたが、ヒヨドリと違って二匹で仲良く食べていた。
オスの方が「顔の前面や下尾筒の黄色味が強く、腹中央部に黄色い線がある」とAIは教えてくれていたが、私には定かに見分けはつかなかった。
むしろ、しっかりした鳴き声を聞いた方が判断しやすいと思う。


こうして久しぶりに鳥たちの様子を眺めながらスマホで写真に収めたりしたわけだが、本当に可愛いものだと思った。

音楽を聴きながら飲むコーヒーとはまた違った今日のコーヒーだった。



<すばる>


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