
昨日の新聞やテレビ等の報道によると、正則学園高で早朝ストライキが実施されたとのこと。
第一義的には早朝の理事長への挨拶強要の拒否、つまりストライキで対応するというものです。
しかし、そればかりではなく多くの学校現場が直面している共通の問題もあるようです。
以下に掲げます。
①過労死水準の長時間労働(多くの教員が朝6:30〜夜9:30頃まで労働)
②残業代不払い(退勤時の打刻を本人にさせず、正当な残業代が支払われていない)
③労働条件の不利益変更(職員と協議することなく定昇停止、ボーナス減額)
④非常勤の低待遇(正規教員の欠員補充をせず、一コマ2000円の給料が払われるのみで授業外業務は無給、社会保険に未加入等)
正則の先生たちは1月の7日に「私学教員ユニオン」という労働組合に加入したばかりとか…。
ストライキとは言っていますが、勤務時間は午前8時からなので、実質は理事長への挨拶ボイコットです。
何しろ早朝6時半頃から理事長へ一人ずつ挨拶に行かなければならないのですから。
校長室の前に行列を作って挨拶に行く教員たちの心境はどんなものだったのでしょうか…。
学園側はホームページで「挨拶強要の事実はない」としていますが、教員たちによると「理事長へのあいさつに遅れてくる先生たちは、いつもどう喝される。『ばか』『あほ』と言われたり『ふざけるな』と言われる」
「理事長は強制的に出勤させていないと言うが、みんな軒並み6時半すぎには出勤している。強制は明らか」などと訴えています。
この挨拶が慣例化されていた事実は否定できないでしょう。
私学はある意味で公立より職員が容易に退職に追い込まれるようです。
誰だって早朝出勤して理事長挨拶なんてしたくないに決まっています。
しかし、拒否し続けて首切りされたら生活できません。
そんな状況の下で、教員たちは我慢も限界に達し、組合結成に及んだものと想像します。
「ストライキ」は6:30〜8:00という勤務時間前ですが、これまでの慣例を打ち破って決起した教員たちに拍手を送りたいです。
メディアは「授業には影響の出ない時間帯」ということを殊更強調していますが、この発想やものの言い方は誤っています。
例え「授業に影響が出る」ことがあっても、労働組合はストライキを決行しなければならない場合もあるのです。
仮に学園側が嘘デタラメな対応を続けた場合、組合はさらに戦術アップする可能性さえあるわけですから…。
敢えて言うならば、生産労働を拒否することで相手側の妥協を引き出すのが労働組合の争議原則なのです。
それにしても、学園側の嘘は酷いものです。
挨拶の他に、長時間労働も「許容していません」などと言っています。
要するに、「時間を超えて仕事を命じているのではなく、教員たちが勝手に遅くまで残っているんだ」と言ってるのです。
これって、正則に限ったことじゃありません。
公立学校でも教育委員会や管理職が言いそうな言葉じゃないでしょうか…。
この生まれたばかりの組合分会が、これだけの闘いに立ち上がったのです。
公立学校では立ち上がるどころか、労働組合にさえ加入しない教員が多いのが実情です。
公私立の境を越えて、共に連帯して闘いに決起してもらいたいものです。
<すばる>