年末のことだが、ニュースで「日本がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退することを決定した」と報じられた。
なんとも気味の悪いニュースだ。
政権に媚を売るメデイアが「日本、堂々脱退す!」などと伝えるのではという妄想が頭をよぎった人も少なくあるまい。
あの敗戦から70余年、日本は「国際主義」を原則に掲げてきたはずである。
憲法前文には次のように示されている。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
確かに自分は、給食で「鯨の竜田揚げ」を楽しみにした世代ではあるのだが、商業捕鯨を何が何でも再開させることは、国際主義を反故にするほどの問題だろうか。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
少なくとも、70余年前のあの未曾有の大戦のあと、世界の人々は、なんとか平和を維持したいと願ったはずだし、日本は自ら戦争を起こしたことはない。
だがここ20年あまり、憲法の「平和主義」の原則も大きく崩れてきた。
あっちの国でも、こっちの国でも「自国優先主義」が跋扈している。
「難民を受け入れよう」と訴えてきた政治家が政権を追われたり、「難民お断り」を唱える勢力が政権の座につくようになったりしてきたが、「難民お断り」ならば、「難民を生じさせない」ために何をすべきかが問われなくてはならない。
一方、ニュースは連日「レーダー照射問題」を報じている。
ここでも、事の後先や、軽重を無視した「意地の突っ張り」のような論調が幅をきかせている。
頭を冷やすのには、憲法前文を読むに勝るものはないのではあるまいか。
(東京教組 再任用再雇用非常勤教員部NEWS新年号より)
-K.H-
なんとも気味の悪いニュースだ。
政権に媚を売るメデイアが「日本、堂々脱退す!」などと伝えるのではという妄想が頭をよぎった人も少なくあるまい。
あの敗戦から70余年、日本は「国際主義」を原則に掲げてきたはずである。
憲法前文には次のように示されている。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
確かに自分は、給食で「鯨の竜田揚げ」を楽しみにした世代ではあるのだが、商業捕鯨を何が何でも再開させることは、国際主義を反故にするほどの問題だろうか。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
少なくとも、70余年前のあの未曾有の大戦のあと、世界の人々は、なんとか平和を維持したいと願ったはずだし、日本は自ら戦争を起こしたことはない。
だがここ20年あまり、憲法の「平和主義」の原則も大きく崩れてきた。
あっちの国でも、こっちの国でも「自国優先主義」が跋扈している。
「難民を受け入れよう」と訴えてきた政治家が政権を追われたり、「難民お断り」を唱える勢力が政権の座につくようになったりしてきたが、「難民お断り」ならば、「難民を生じさせない」ために何をすべきかが問われなくてはならない。
一方、ニュースは連日「レーダー照射問題」を報じている。
ここでも、事の後先や、軽重を無視した「意地の突っ張り」のような論調が幅をきかせている。
頭を冷やすのには、憲法前文を読むに勝るものはないのではあるまいか。
(東京教組 再任用再雇用非常勤教員部NEWS新年号より)
-K.H-