NPO法人大雪山自然学校ブログ

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【大雪山国立公園・旭岳情報】 笹と蚊と少しの雨との奮闘

2020-06-30 16:28:42 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2020/6/30(火)
【場所】旭岳温泉街
【天候】くもり時々雨

本日も,天女ヶ原登山道の草刈りを行いました.
雨に濡れるのは慣れっこな監視員ですが,蚊と笹が加わると結構大変です・・・


before

達成感のあまり,afterの写真は撮り忘れてしまいました.少しは道が開けたはずです.


【ミズバショウ Lysichiton camtschatcense

今日は,ようやく1合目まで辿り着く事が出来ました.雨に濡れて,透き通ったミズバショウが綺麗に咲いていました.


【チングルマ Sieversia pentapetala

姿見の池園地では,少しずつ増えてきているチングルマですが,この辺りはもう少し先のようです.
可愛らしい蕾が膨らんできていました.
綺麗なお花達を,近くで見ようと木道から出て湿原に入ってしまう方もいますが,湿原には立ち入らないようお願い致します.


【モウセンゴケ Drosera rotundifolia

お花は咲いておらず,まだ小さいものばかりでした.
粘る液で小さな虫を捕らえ,消化液で溶かして養分にする食虫植物です.

旭岳自然保護監視員:社本 麗南

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【大雪山国立公園・旭岳情報】天女ヶ原登山道、1合目まで

2020-06-29 17:18:19 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2020/6/29(月)
【場所】旭岳温泉街
【天候】くもり時々小雨

今日からまた旭岳ロープウェイは整備のため運休になりました。
ちょうどいいので天女ヶ原登山道の様子をお伝えしたかったのですが、草を刈りながら登山道を進んだところ、生い茂る笹のため1合目まですら行けませんでした。

時々花が咲いています。


シナノキンバイ


オオバタケシマラン


エゾイチゲ


ミツバオウレン


ツバメオモト


ムラサキヤシオ

最近雨が多いせいかぬかるみが多く、しかも深いです。

4合目周辺にはまだ残雪があり、一部道が分かり難いところもありますのでご注意ください。

今のところ笹が鬱陶しい道ではありますが、明日からも引き続き草を刈っていく予定です。
ジメジメした登山道がお好きな方は、楽しみにお待ちください。

 

旭岳自然保護監視員:藤このみ

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【大雪山国立公園・旭岳情報】アリの日 Ant Day. 受粉出来ます? Can They Pollinate?

2020-06-28 15:45:14 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2020/6/28(日)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】くもり時々小雨
【気温】~11℃
【風速】~2m/s
【積雪】~40cm

朝から霧でした。
このアリはミネズオウに送粉をしてそう。。。出来るかな。。。

The ant here is taking nectar from the Loiseleuria procumbens, could it also be pollinating? 

 

このアリはメアカンキンバイに送粉をしてそう。。。出来るかな。。。

The ant here is taking nectar from the Potentilla miyabei, could it also be pollinating?  

 

このアリはウラジロタゲに送粉をしてそう。。。出来るかな。。。

The ant here is taking nectar from the Aconogonon weyrichii , could it also be pollinating?  

出来るかな。。。

さて、アメリカの林業省によると、"アリは花を効果的に受粉させずに花の蜜を取る可能性が高い。研究者たちは、一部のアリが花を訪れ、花粉の粒が体に付着している可能性があるにもかかわらず、重要な受粉者ではないことを発見しました( USDA、2020年)。つまり、彼らは少しは運ぶかもしれないが、「重要な」受粉者とみなされるほどではない、特に大雪山に生息する在来種のマルハナバチと比較して考えてみると、そうなのかもしれない。 

マルハナバチ(Bombus spp. 例えば、くど(2014)は、高山でのマルハナバチの受粉は、異常に暖かい春であれば、働き蜂がコロニーから出てきて受粉する時間が少なくなるほど、ほとんどのマルハナバチの受粉は気候とシンクロしていることを発見しています。言い換えれば、通常、花が咲く6月中旬に花が咲くと受粉を開始するために出てくるはずなのに、異常に暖かい春で花の開花が予想よりも早かった場合、ほとんどのマルハナバチの種はまだ花のピークである6月中旬に出てきますが、暖かい春のために花の開花が遅くなり、働き蜂が受粉する時間が少なくなることを意味しているのです。思考のための食糧。

Well, according to the United States Forestry Department of Agriculture  "Ants are more likely to take nectar without effectively cross-pollinating flowers. Researchers have discovered that some ants are not important pollinators, even though they visit flowers and may have pollen grains attach to their bodies." (USDA, 2020). So, they might carry a bit but not enough to be considered "important" pollinators, especially when you'd think about comparing them to the native bumblebees which live in the Daisetsuzan range. 

Bumble bees (Bombus spp.) are studied extensively as indicator species which help us learn about the the climate as well. For example, Kudo (2014) found that most alpine bumble bee polination is in synchronization with the climate to the point that if it is an unusally warm spring, the worker bumble bee will have less time to pollinate as they emerge from the colony. In other words, if they would normally emerge to begin pollination as the flowers are blooming in perhaps mid-June for example, but it's an unually warm spring and the flowers blossom earlier than expected, most bumble bee species would still emerge in their expected mid-June peak of a flowers, however the flowers would be later in their blooming stage due to the warmer spring, meaning the worker bees would have less time to pollinate. Food for thought. 

 

 

まだキバナシャクナゲは咲いてます、黄色とピンクがあります。

 

まだ鏡池には雪があります。綺麗な景色です。

裾合平はちょっと雪ありますけど。

旭岳自然保護監視員:ブランコ ジェレミー

 

sources:

Kudo, G. (2014). Vulnerability of phenological synchrony between plants and pollinators in an alpine ecosystem. Ecological Research, 29(4), 571-581.
 
Fs.fed.us. 2020. Ant Pollination. [online] Available at: <https://www.fs.fed.us/wildflowers/pollinators/animals/ants.shtml#:~:text=Ants%20are%20more%20likely%20to,grains%20attach%20to%20their%20bodies.> [Accessed 28 June 2020].
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【大雪山国立公園・旭岳情報】強風と雲海

2020-06-27 17:55:55 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2020/6/27(土)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】くもり時々小雨
【気温】~13℃
【風速】~15m/s
【積雪】~40cm

朝から風強し。
このあとロープウェイに乗ったら揺れました。

姿見駅から第1展望台への散策路の残雪は、だいぶ融けましたがまだあります。

雪の下には空洞があり、踏み抜く危険があるのでスコップを使い雪を割ります。
この作業をしてるとなぜか鼻水がでます。そして自分も踏み抜きます。

雪の坂道を慎重に上がってくる散策のみなさま。
今日は一日中、雲海が見られました。

雪が融けたばかりのところでは、めちゃくちゃ小さいガンコウランの花が見られます。
黒い実は去年のもの。

第3展望台への散策路には、ぬかるみアリ。
防水の靴がオススメです。姿見駅にレンタル長靴(1足300円)があります。

キバナシャクナゲは花が終わったところもあれば、これから咲くところもあるので、まだ楽しめます。

ミネズオウとエゾノツガザクラ。隣り合って咲いているところで大きさ比較。

カラスに注意
ベンチやテーブルに置いたモノ、ザックはクチバシでジッパーを開けて、何でもかっぱらっていきます!

ハイマツの中に白い点々が…

ミツバオウレンでした。白い花びら…は、実は顎です。園地内のあちこちで咲いています。

チングルマ。毎年7月に見られるチングルマの花畑、今年はいつ頃でしょうか?

エゾノツガザクラの白花。アオノツガザクラもつぼみも大きくなってきています。

強風で煽られ、葉の裏の白さが際立つウラジロナナカマド。
標高が低いところは既に咲いています。園地内でもつぼみが増え、花も咲き始めました。

裾合平へ向かう登山道は、雪融け水が流れる川を渡ります。

雪の下が空洞のところもあるので、安全な方に誘導するロープを張りました。

その先では、現在キバナシャクナゲの群落が見られます。

姿見の池園地に戻って、キバナシャクナゲと鏡池と当麻岳。

コケモモが咲き始めました。

イワヒゲの後ろ姿。

夫婦池付近でたくさん咲いており、見頃です。

ミヤマリンドウのつぼみ発見。

散策路の残雪はスコップで崩したり削ったりして、歩きやすく。

密に咲くエゾノツガザクラ。
今年の花はマルハナバチに盗密されていないのか、ぜんぜん穴が開いてません。
受粉はできているのだろうか。

まだ雪が残る姿見の池と、強風で噴煙が真横に流れる旭岳。
園地内にも流れてきて、温泉卵とか花火みたいな…硫黄臭かった〜!

姿見階段の雪、なくなりました!

ショウジョウバカマの花も、終わった花あり、これから咲く花あり、まだ見られます。

エゾコザクラと旭岳。

エゾコザクラ、たくさん咲いています!(写真に撮るの、むずかしい…)

これは天女ヶ原登山道の、4合目〜姿見の池園地間の様子。
この箇所は、ピンクのテープが付いた目印を辿って歩いてください。道迷い・踏み抜き注意。


斜度があるので、登るのもちょっと大変。滑落にも注意。

Facebookでご要望がありました、ヒメタケシマランの花。
今、たくさん咲いています!

駅前の池のほとりでは、ワタスゲの花が咲いています。

ハクセキレイもきていました。

目も合いました。

「ミズバショウですか?」とよくきかれますが、バイケイソウです。
花が咲いたらお知らせします。

ロープウェイ山麓駅、駐車場脇のチシマザクラ。日本一遅いサクラかも?!

近くにクロツリバナの花も咲いてます。

明日は雨の予報です。
カッパや長靴など、雨具の用意をお忘れなく。

旭岳周辺情報

旭岳ロープウェイは 6/29(月)~7/4(土)整備点検のため運休
旭岳ロープウェイ ホームページ

旭岳温泉・天人峡温泉 営業情報(大雪山国立公園連絡協議会からの情報です)

旭岳自然保護監視員:羽馬 和美(今年は時々登場の予定)

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【大雪山国立公園・旭岳情報】 夏に向けて

2020-06-26 15:50:18 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2020/6/26(金)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】曇り
【気温】~15℃
【風速】~7m/s
【積雪】~40cm

 

雪に覆われていた旭岳も少しずつ夏の姿になってきていますが散策路内にはまだまだ雪が残り歩きにくい場所もあります

皆さんにはできるだけ足元を気にせず景色や花を楽しんでいただけるよう毎日散策路の整備をしています
ですが、日々道の様子は変化し整備が追い付かない場所や避けて通れない水たまりもあるため長靴の利用をオススメしています

 


残雪が少なくなり元の散策路が見えてくると雪の上ではなくコース上を歩くことになります

 


地熱と太陽の熱により上からも下からも雪解けが進みます
上から見ると厚さがあるように見えても均一な厚さではない部分もあるので注意が必要です
特に端は溶けやすいため簡単に崩れてしまいます

 


写真の奥側に雪を削り進み、乗っても崩れない厚さを確保してから階段を作ります

 


ロープを張り元ある道に誘導します
歩き辛いですが植生保護・地形保護のためご協力お願いします

 


ゴミは持ち帰ってください

 



キバナシャクナゲはピークを過ぎました
チングルマやエゾコザクラが増えてきています

 


エゾイソツツジが咲いていました

 

一週間で雪や植物の様子はかなり変化します

ブログを参考に丁度良いタイミングで散策にお越しください

 

 

旭岳自然保護監視員:大塚 航平

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