晴山雨読ときどき映画

“人生は森の中の一日”
山へ登ったり、本を読んだり映画を観るのは知らない世界を旅しているのと同じよ。
       

珍しい母からの電話

2008年06月10日 | 想い
昨日、滅多に自分からはかけてこない母から電話があった。離れ住んで35年ー、母から電話をもらったのは2桁あるかないかぐらいの記憶しかない。しかも宅急便が届いたとか帰省する予定を訊ねたりなどと、確実に用件がある時だけだ。だから今日のように前触れもなく電話があると、何か悪いことが起こったのかと身構えてしまう。

引き出しの整理していて、昨年私が母に書いた暑中見舞いを見て思い立ったのだと言う。思わず「へぇ~母ちゃんでもそんな情緒的な?事があるの!」と、咄嗟に口走ってしまった。2年前に80歳を迎えた母だが、娘の私には見せない彼女のプライドがたくさんあるのだろう。母が忙しかったので普通の母娘のように一緒にショッピングを楽しんだり台所に立って料理をしたりなどの機会に恵まれなかった。私も可愛くない娘であったしお互い不器用な性格ー。年齢を重ねて歩み寄り母がようやく解りかけて来た数年。

  
「親子は常に片思い」だそうだ。親は子を片時も忘れないで生涯を閉じるが、子供は親が亡くなって初めて親を想うものらしい。私だけでなく世の常と友人から聞き少し気持ちが楽になった。最近読んだ「光の指で触れよ」の中にも「人生というのは前借から始まるのだ」という一文があって救われている。

もう少し母に寄り添う時間を取ってあげれば良いものを・・・。離れているのを口実に先延ばししている私はきっと後悔するに違いない。

昨年母に出した葉書の内容をおぼろげに覚えていた。
父の一周忌のお返しに選んだ南部風鈴を今朝軒先に吊るしました。風が吹くと快い音を奏でます。飲んべぇの父には不似合いだったけどどこか父ちゃんを思わせます」というような意味合いの文章だったと思う。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
南部鉄の音色 (ばにら)
2008-06-16 11:11:45
 ばんぶーさん。南部鉄の風鈴が、お返しの品だなんて、素敵ですね。写真に思わず見入ってしまいました。いったいどなたが思いついたのですか。  ところで不器用なお母さんの寂しさとやさしさがなんだか、私にはわかるような気がします。私も超、不器用な母と長ーい間つきあいましたからね。あなたのママとうちのママはかなり違う不器用さだったけど・・・ところが私は、どういうわけか、実は娘が大好きなのです。毎日話したくて困ってします。・・・
返信する
ばにらさんへ (bamboo)
2008-06-16 11:49:48
ばにらさんへ

そんなアイディアが得意なのは勿論私ですよ
決定するまでも一波乱ありました。結構良い値がしたので赤字になると母が譲らなかったのを、「鳴る度に故人を想いだして貰えれば素敵だよ」で決まり!
ばにらさんが娘さんを好きなのは充分分かりますよ。
ところで私はまだまだ全然原稿に手を付けていませんが、ばにらさんは出席されますか?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。