テレビに映し出された写真に見覚えがあった。原爆投下直後の写真を撮影した米国人がこの少年を探していると、長崎の地方版に掲載されていたのは何年前だっただろうか。彼がおぶっているのは原爆ですでに亡くなった弟の亡骸ー、火葬場で弟の順番を待ちながら、唇をかみしめじっと一点を見つめている少年の目に私は釘付けになってしまった。
結局この少年が現在も名乗り出ず、何の手がかりも得られないというのは彼もまた亡くなってしまった可能性が高い。
焼き場に立つ少年
NHKスペシャル番組で放映された「封印を解かれた写真が語るNAGASAKI 米軍カメラマンの苦悩」という番組の冒頭に紹介された少年の写真はまさしくそれだった。
撮影したのはアメリカ人カメラマン、ジョー・オダネル。去年8月9日、奇しくも長崎に原爆が投下された同じ日に亡くなった。彼は占領軍として原爆投下後の長崎に入り、その破壊力を記録するため写真を撮影する一方で、軍に隠れ内密に自分のカメラでおよそ30枚の写真を記録した。帰国後、被爆者の記憶に悩まされ、悲劇を忘れ去ろうと全てのネガを自宅屋根裏部屋のトランクの中に閉じこめ、43年間封印してしまう。しかし晩年になって原爆の悲劇を訴え母国アメリカの告発に踏み切っていく。原爆投下を信じる周囲から非難の声を浴びながら、85歳の生涯を閉じた。
なぜオダネルは、軍の規則に違反して写真を撮影したのか。
なぜその写真を長年隠し、晩年になってトランクを開け母国を告発したのか。
オダネルの息子もまた父の遺志を受け継いで原爆の悲惨さを世に問うことを始めている。非難中傷は父に浴びせられたのと同様に後を絶たないが、彼を支持する若い人も少しずつではあるが確実に増えていると語った。来崎して子供達に「笑って!」とカメラを向けている彼の姿があった。
それは父が生前「いつか長崎で笑っている子供達の笑顔を撮りたい」と願っていたこと。
何という崇高な勇気、気高さ!
(一部NHK公式サイトより引用)
結局この少年が現在も名乗り出ず、何の手がかりも得られないというのは彼もまた亡くなってしまった可能性が高い。

NHKスペシャル番組で放映された「封印を解かれた写真が語るNAGASAKI 米軍カメラマンの苦悩」という番組の冒頭に紹介された少年の写真はまさしくそれだった。
撮影したのはアメリカ人カメラマン、ジョー・オダネル。去年8月9日、奇しくも長崎に原爆が投下された同じ日に亡くなった。彼は占領軍として原爆投下後の長崎に入り、その破壊力を記録するため写真を撮影する一方で、軍に隠れ内密に自分のカメラでおよそ30枚の写真を記録した。帰国後、被爆者の記憶に悩まされ、悲劇を忘れ去ろうと全てのネガを自宅屋根裏部屋のトランクの中に閉じこめ、43年間封印してしまう。しかし晩年になって原爆の悲劇を訴え母国アメリカの告発に踏み切っていく。原爆投下を信じる周囲から非難の声を浴びながら、85歳の生涯を閉じた。
なぜオダネルは、軍の規則に違反して写真を撮影したのか。
なぜその写真を長年隠し、晩年になってトランクを開け母国を告発したのか。
オダネルの息子もまた父の遺志を受け継いで原爆の悲惨さを世に問うことを始めている。非難中傷は父に浴びせられたのと同様に後を絶たないが、彼を支持する若い人も少しずつではあるが確実に増えていると語った。来崎して子供達に「笑って!」とカメラを向けている彼の姿があった。
それは父が生前「いつか長崎で笑っている子供達の笑顔を撮りたい」と願っていたこと。
何という崇高な勇気、気高さ!
(一部NHK公式サイトより引用)
ジョー・オダネルの写真集『トランクの中の日本 米従軍カメラマンの非公式記録』です。
この本は、1995年発行。
13年前、私もこの直立不動の少年の写真に衝撃を受けました。
本を買って、しばらくは時々開いていたのですが、ここ数年はまったく本書を手に取ることはありませんでした。
bambooさんのブログを読んで、久しぶりに本書を開き、感慨を深くしております。
「長崎原爆の日」の今日、世間は北京オリンピック一色。
私も世間の風に流されるところでした。
bambooさんのブログによって、流されずに済みました。
感謝!
はなかったのでしょう、オダネル氏自身も病魔に犯されていたのでしょうね。
この少年、おぶった子が火葬されるさまを直立で見送っているんですね、オダネル氏は真珠湾の復習心に燃えていたとものべ、投下後の地獄の悲惨さにこのような地獄はやるべきではなかったとも・・・・
オダネル氏がこの疑獄のさまを永眠するまで苦しんで背負っていたのでしよう、この封印されたトランクの重み、原爆投下はアメリカの汚点です。
8月になると毎年戦争のモノクロ映像がさまざまな
視点で放映されます、もうたくさんと目を覆いたい自分と、凝視してみている自分とがいるのです。
今の幸福の犠牲の映像なのです。
返事が遅くなりましたが、このような堅苦しい投稿にコメントを下さったことにこちらこそ感謝いたします。おそらく何も返ってこないだろうと思いながら書きましたのでとても嬉しくコメントを拝見し嬉しくなりました。
そしてジョー・オダネルの写真集『トランクの中の日本 米従軍カメラマンの非公式記録』をお持ちだったと・・・さすがタクさんですね!
実は昨日山王神社のボランティアの方から、直立不動の男の子が名乗り出られていたことが分かりほっとしました。でも彼はそっとしておいて欲しいとおっしゃり、現在どうされているかは分からないそうです。
兎にも角にも彼がその後命を紡いでいらっしゃったと知り、救われた気がしましたが大変な人生を歩まれたことでしょう。被爆者団体代表Tさんが献花の花輪を踏みにじられた事件は記憶にまだ新しいものがあります
お母ちゃん、私もまったく同じ気持ちです。せめて年にこの時期だけでも平和への思いを確認しないと、後世につなげられないとつくづく感じています。
「封印を解かれた写真が語るNAGASAKI 米軍カメラマンの苦悩」の番組を見られたのでしょうか?
オダネル氏を非難する投稿の中に唯一彼を支持する投稿があった。「非難する人たちは図書館に行き原爆の事をもっと良く知れ・・・」。それは彼の息子が書いた投稿でした。涙がいっきに溢れ出ました。父親の想いは息子へ受け継がれ伝わったのですね。
はい凝視してみているお母ちゃんでした。
お父様のオダネル氏の遺志をしっかり受け継いだ
息子さんはお父様に代わり、投下側の語りべですね
苦しみのオダネル氏と同様に苦しんだ米兵は
もっといらっしゃるのではとそう考えるのです。
人間として。
戦争は精神をも狂わせる破壊の何ものもありません
イラク戦争にしてもどれだけの兵士が精神的
ダメージで治療しているか。