
とてもとても私の心に響いた映画でした。大好きな女優ダイアン・キートンが監督した映画だったので録画してすぐ観ましたがやはり期待を裏切らなかった!
原題:UNSTRUNG HEROES製作国:1995年アメリカ映画
(物語)
12歳のスティーヴンは、科学者の父親シドと、優しい母親セルマ、妹のサンディと暮らしていた。幸せな一家は、ある日、突然の不幸に襲われる。セルマががんに冒されていたのだ。母親の余命が少ないことを隠すシド。しかし、ふとしたことから母親が不治の病だと気付いたスティーヴンは、二人の伯父さんの所へ家出する……。最愛の母親の死に直面して動揺する少年が、変わり者の伯父たちとの生活を通して個性と価値観を学び、大人へと成長していく、ほろ苦くも心温まる上質のハートフル・コメディ。
テーマはシリアスですが、暗さを排除し、下手なお涙頂戴に終らせずに"死”をきちんととらえた作品でした。スティーヴンという一少年の成長物語としても撮られていたように思えます。母親のセルマが、病院ではなく自宅の日常の中で去っていったのが印象的でした。彼女は取り乱すことなく、息子であるスティーヴンのホットケーキが焼きあがるのを待って、3人にキスをして隣の部屋に入っていき一人で死を迎えたのに深い感動を覚えました。あのように自分も去っていけたらと望みます。2人の叔父の存在がキーポイントとなっていました。精神疾患に陥っているとも思える不可解な伯父たちとの生活を通して、スティーヴンは母親が死ぬかもしれないという現実を乗り越えていきます。2人の視点はとても細やかで温かく子供の心を失っていないのです。部屋中に読みきれない新聞を積み重ね、ゴムボールを山のように収集しています。「耳にボールを当てると、子供の声が聴こえる気がする」というセリフは秀逸でした。たぶんユダヤ人迫害を受けて強迫観念の病を抱えているのでしょうが、変人であるからこそ、その繊細な優しい視点がスティーヴンの心に響き、和やかにさせ、生きる術を教えていったと思われます。
ラストに父親のシドと少年がお母さんを撮った映像を観るシーンで悲しさがひたひたと押し寄せて来ます。母親がスクーリーンいっぱいに微笑を浮かべているのです。それを観ながら「記録は無くしたらいけないのだ」と父親を慰めるスティーヴン!メルヘン的で観ている方も心がほっとする映画でした。こんなタッチの映画が好きな私はマイベスト10に並べたい。
なお原作者はスティーヴンでフランツ・リッツと記されています。自分の母親の想い出をつなぎ合わせて書いたということでした。在り来たりの邦題ですが原題のUNSTRUNG HEROESより分かり易いと思えます
片付けは一段落したものの、来客があったり買い物行ったり、肩の治療に行ったりと気ぜわしいです。
台風一過、数日涼しかったけどまた暑くなりましたね。
長崎も暑いのかな?
何だか良さそうな映画ですね。
bambooさんのベスト10に入るんだもんね。
まだ映画を観る時間がないので、覚えておかなきゃね。
bambooさんのベスト10に入るんだもんね。
まだ映画を観る時間がないので、覚えておかなきゃね
Jellyさんにも観て貰って感想を聞きたいです。本にしても人にしてもそうなんだけど、私は全部がすっきり分かるのよりも、少し不可解な部分を残したのが好きなんですよ。
今日もオオキツネノカミソリのご機嫌伺いに山へ登ってきました。明日はどうしょうかしら?足の向くまま、気の向くままでということでお休みなさい
>変人であるからこそ、その繊細な優しい視点がスティーヴンの心に響き、和やかにさせ、生きる術を教えていったと思われます。
おじさん達が居なかったら、彼はあの時期をどう過ごした・乗り切ったのでしょうか?
本当におじさんたちが居てくれて、そういう人たちで良かったですね♪
>こんなタッチの映画が好きな私はマイベスト10に並べたい。
おぉ~すごい!そんなにもお気に入りになったのですね♪
>なお原作者はスティーヴンでフランツ・リッツと記されています。
事実に基づいて、フィクションを交えているのでしょうね~。
>在り来たりの邦題ですが原題のUNSTRUNG HEROESより分かり易いと思えます
女優はこうして細かい配慮の生き届いた映画を、作る事が出来るのですね!ビックリしました☆
私は記事にはしませんが、とても良い映画だと思いました。
bambooさんの記事を読ませてもらって、ますますこころほっこりしました☆ 有難うございました☆
>おぉ~すごい!そんなにもお気に入りになったのですね♪
本当にそうでした!
ナルニアも大好きで3章を昨日レンタルして観れました。本当は劇場で鑑賞したかったのですが、最近映画館が遠のいてしまっています。なかなか時間が取れずに困っています
幸せな家族の風景から始まり、母親の病気によってそれが変わってしまうところなんかがリアルでしたね。
叔父さんふたりのところに家出してしまった時は、母親からも離れてしまうのか・・・と思ったけれど、毎日電話で報告する様子にほっとしたり。名前を変えてしまうのはちょっと酷い気がしましたが。
ただ、個人的に真っ赤な口紅とかマニキュアが嫌いなのもあって、綺麗にしている母親が病人に見えませんでした。彼女の最期は抑えた感じでよかったですね~。
>個人的に真っ赤な口紅とかマニキュアが嫌いなのもあって、綺麗にしている母親が病人に見えませんでした。
私も派手目な人は苦手なのでその気持ちは分かりますよ。私は似たような経験をしていますが、暗く陥っていく自分が嫌で嫌でしかたがありませんでした。自分の弱さに腹が立ちました。特に子育てをしなければならない母親なのに、当時、自分の事だけで精一杯な自分が不甲斐なく思えていました。そんなところから、逆に、彼女が化粧をしたり明るく振舞っていたのに敬服したのです/clover/}。
それって、強い人にとっては当たり前かもしれませんが、結構難しい生き方だと思いませんか。
私も宵乃さんにとっては「深夜に近い時間帯」だったのでは?と、ちょっと心配になりました(笑)
っていうか、パソコンを開けてコメント書かれたのが、すごいなぁ~と思いました。
でも、きっと大丈夫だったのですね!?
お母さんのお化粧は、私もやはり「病人で汚くなってゆく自分」が辛くて、かえって赤い口紅をさしていたように思いました。
ただ、タバコは気になりましたが、卵巣がんではあまり関係なかったし「自分らしく、最後まで生きたい」という気持ちの表れだと思いました。
スティーブンが、お母さんから離れたように見えたのは、あの時期は、必要な時間だったと思うのです。電話していたのは、本当はべったりそばに居たかったけど、今はこうしなければならない、という意味だったのだと思いました☆
長々失礼いたしました。記事にしないつもりだったのですが、他の映画と一緒に書きましたので、もし良かったらお願いします☆
http://saisenseisuki.blog97.fc2.com/blog-entry-1728.html
この日はたまたまパソコンが空いていてコメントさせていただきましたが、ちょっと眠くて突き放した感じになってしまったかな。決して彼女自身が嫌いというわけじゃなく、私とはかけ離れた強い人で感情移入できなかったというか・・・。
彼女の叔父さん二人への印象は悪かったし、あの家は(優しい気持ちが溢れていたけれど)積み上げられた新聞など子供が安全に暮せる場所とは思えないし、息子はみるみる元気になって名前まで変えてしまうし・・・わたしが彼女だったら”息子が手の届かない所にいってしまうんじゃないか、自分の事を忘れてしまうんじゃないか”と不安で一杯になってしまうと思ったんですよ。
だから、叔父さんふたりと息子(と夫と娘)をまるごと信じて、最後までちゃんと生きた彼女は、わたしにはそれこそ異星人のように感じてしまいました。
わたしがヘタレすぎて感情移入できなかっただけで、作品としてはよかったと思いますよ~。
あと、プロヴァンス物語のほうも観終わったらコメントさせていただきます。
ところで、今月も「ブログ DE ロードショー」 のご案内に参りました。
リクエスト企画で選ばれた作品は・・・さて、何でしょうか?
こちらにてご確認ください→http://anoken.blog18.fc2.com/blog-entry-687.html
今回は参加できないということなので、投票結果を知るワクワク感だけでも味わってください♪
また、引き続きみんなで一緒に見たい作品のリクエストを募っています。どうかお気楽にリクエストくださいね~。
>「自分らしく、最後まで生きたい」という気持ちの表れだと思いました。
スティーブンは誇れる母親を持てて、これからの人生を歩む時支えになるはずです。
>スティーブンが、お母さんから離れたように見えたのは、あの時期は、必要な時間だったと思うのです。電話していたのは、本当はべったりそばに居たかったけど、今はこうしなければならない、という意味だったのだと思いました
悲しい事態を受け入れるのには風変わりな伯父さんたちのところが一番だったのでしょうね。彼は母親と一時的に離れることで、やがてやってくる母と別離の準備をしたのだと思います。母の居ない生活でもやっていける自信を付けたのですよね。子供ながら凄い!と思わされました。
miriさんがこれからTBする記事にして下さって本当に良かったです
>彼女の叔父さん二人への印象は悪かったし、あの家は(優しい気持ちが溢れていたけれど)積み上げられた新聞など子供が安全に暮せる場所とは思えないし、息子はみるみる元気になって名前まで変えてしまうし・・・わたしが彼女だったら”息子が手の届かない所にいってしまうんじゃないか、自分の事を忘れてしまうんじゃないか”と不安で一杯になってしまうと思ったんですよ。
だから、叔父さんふたりと息子(と夫と娘)をまるごと信じて、最後までちゃんと生きた彼女は、わたしにはそれこそ異星人のように感じてしまいました。
本当にそうですよね。私は最初あなたの『それこそ異星人のように感じてしまいました』に戸惑いました。でも、あなたは自己肯定できる強さを持ててる女性なのだろうと思い直したのです。彼女の死への向かい方は理想形であってほとんどの人ができないのですよね。それを求めて止まない私は、かなり無理をしているのかもしれない・・・。
異星人と云って同調しない宵乃さんも素敵です。
>"息子が手の届かない所にいってしまうんじゃないか、自分の事を忘れてしまうんじゃないか”と不安で一杯になってしまうと思ったんですよ。
彼女にはもう時間がなかったから、自分の事を忘れてしまうという不安より、これから息子が強く生きる術を培って欲しいと願う気持ちが強かったのではないでしょうか?私も、後に遺される人たちには寂しいけれど、自分を忘れて再スタートをできるだけ早くきってもらうことを望んだのは事実です。(今はちょっとニュアンスが違ってきましたが)
一つの映画で、宵乃さんやmiriさんとあれこれ語りあえて本当に嬉しい限り!。自分の感想を正直にぶつけてもらえたからこそ出来ることだと思います。自分の気持ちも整理できて、感謝します。