3159.~個を生かす~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「待ってみること」(5月24日)~
おはようございます。津田沼教室の酒巻です。
描画を始めようと自由画帳を開いたとたん、突然絵ではなく漢字を書き始めたEくん。
Eくんは漢字を書くことに自信が持てず、漢字の課題プリントを目の前にするといつも憂鬱そうな表情をし、
自ら書いて見せるなど今までなかったことなので目を見張りました。
こちらが何か質問しても聞こえていないかのように一心不乱に、
それは楽しげに習った漢字をどんどん書き続けていました。
授業のプランは少々崩れますが、本人が満足するまで見守ることにしてみました。
しばらくし、タイミングを見計らって授業に戻れるよう言葉がけをしたら
「これ、とっておいてね!先生にあげる」と言いながら、きりのいいところで納得して切り替えることができました。
上手に書いた漢字を褒めた時のEくんの満面の笑みは忘れません。
個別授業だからこそできることで、
待つことも時にはその日の心理状態を把握でき、Eくんの知的欲求も満たされたのだと思います。
「これをやりたい!」と思って行動する時間の中にこそ、
言葉にできない思いやひらめきが隠れていたりするのかもしれません。
Eくんにとって苦手意識の強かった漢字ですが、最近では漢字を書くことがご家庭でも趣味のようになっているとのことです。
待ってみること…生徒さんがのびのびと学ぶことができるよう、忘れずに持っていたい視点です。
◇ワンポイント・メッセージ◇
・・・(子ども自身が)「これをやりたい!」と思って行動する時間の中にこそ、
言葉にできない思いやひらめきが隠れていたりするのかもしれません・・・
その通りですね。すばらしい気づきです。「えっ?」と思うような行動や、「なんで?」と思うような行動に意味を見出すこと。通常の考えや道筋、自らの思いからの“ずれ”の中にこそ、未だ気づいていないものが含まれています。ひとり一人の生徒さんについてそのような意識を持って対応すれば、本当にそれぞれの個を生かすことができます。
※上田薫『ずれによる創造 人間のための教育』をもう一度学び直したいと思いました。