130.東京タワー(2)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
東京タワーに行ってきました。ほぼ半日の東京タワー体験でしたが、生徒さんと一緒だったらこんなふうに楽しめるな、と思われることがいろいろありました。
1)まず、驚きや感動を共にしましょう。
2)高さ333メートル、地上150メートルの大展望台、地上250メートルの特別展望台:面白い数の要素がたくさん
あります。
3)展望台からの風景と景観図とを照合してみましょう。
4)方角の学習をしましょう。
5)入場料など、予め用意して自分で支払いましょう:お金の学習
今日は、1)「驚きや感動を共にしましょう」
人は、気持ちが大きく動いたときに言葉を発します。
「おおきーい!」:
「東京タワー」のバス停から歩いて1~2分、東京タワーのフットタウンの入り口に着きます。真下から見上げるように聳え立つ東京タワーは、「たかーい!」というより、「おおきーい!」といった感じです。
4本の足元(基礎)のうち、2本は一度に見ることができますが、基礎と基礎の間には、何台もの観光バスがずらっと並んで止っています。それほど広いのです。1つの基礎の傍らに立つと、もう1つの基礎があるのはずーっと向こうです。だから、とても「大きさ」を感じます。なにしろ、足元にはまさに「4階建てのフットタウン」が建てられているのですから、相当な大きさです。
「上っていくよ!」:
150メート上の大展望台にはエレヴェーターで上ります。エレベーターの中の細長い窓からは、鉄塔を見ることができ、まさに、タワーの内側を上っているのが実感として分かります。「鉄を組んで、たくさんのビスで留めて作ってあるんだ!」ということも、間近で感じられます。あっという間ですが、「さあ、上っていくよ!」という感じです。
「わー、すごい!」:
大展望台に着いてエレベーターを降りると、目の前にビル群の世界が広がります。快晴の日でしたので、視界いっぱいにビルが輝いています。「わー、すごい!」、この言葉は、いろいろな場面での驚きを代表して表しているような言葉です。「わー!」という感嘆は、気持ちの動きの表れです。「言葉」の前の、「声」です。
「動き」と「言葉」(「声」)はシンクロナイズする、というのは造形リトミックメソッドの理論のひとつですが、感動が先か「わー!」という声が先か、片方がもう片方を同調的に引き起こしているのです。感動して、「わー!」と
思わず声が出ることもあれば、「わー!」と声を出すことによって、いっそう感動し、感動を共にすることもできるのです。
ためしに、今パソコン画面を眺めながら「わー!」と声を出してみてください。「わ~」では、ダメです、「わー!!」とです。どうでしょう、胸郭が上がり横隔膜が開くような感じがするでしょう。表情も明るく「わー!」というお顔になっていることでしょう。そして、感動したときのような気分になります。
東京タワーに限らず、何かすばらしいものに出会ったら、お子さんのお顔を覗いて、「わー!」と言ってみてあげてください。話しかけるように。「わー!すごいねー」「わー!よく見えるね」「わー!きれいだね」・・・と。
※言葉は、お子さんにぶつけるように言うのではなく、お子さんの中に浸透していくように言いましょう。ぶつけるように言ったのでは、ポンとぶつかって、はねっ返ってしまうのです。日頃も、同じです。
日記や作文を書くときに、「事実ばかりを羅列して気持ちを書くことができないのですが、」という相談を時々受けます。ならば、このように「感じる体験」を少し意識して折に触れて行っていきましょう。体験を通して感じた言葉を獲得し、育てていけばよいのです。
そんなことをしなくてもどんどん気持ちの表現ができるお子さんもいるでしょうけれど、そこが少々苦手であるならば、親子でこんなふうに楽しみながら「気持ちの言葉」を育てていきましょう。
前に一行日記のお話をしましたが、日記の最後に「東京タワーって大きいんだなー」と思いました、と書けば、ひとつお子さんらしさが添えられますね。そこに書かれた「大きい」は、その日、家族で一緒に体験した「大きい」なのです。同じ「大きい」でも、ひとりひとり「大きい」は異なっていていいのです。しかしそこには、共にいた人との共感性はあります。だから、言葉はおもしろいのです。ご家族で、驚きや感動を共にしましょう。
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