87.年賀状を出しましょう(3)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
造形リトミック教育研究所
*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー
おはようございます。
だれに出すか、何枚出すか、そして年賀はがきの用意ができたら、今度は年賀状作りです。
「まだ文字が書けない」「文字は書けるけど、はがきに書くような小さな文字は書けない」と言われるかもしれません。では、どうやったらできるかを考えてみましょう。
[表面]
・宛名ラベルを利用したらどうでしょうか?
ラベルは年賀状にはふさわしくないかもしれませんが、それより、お子さん自身ができるということを優先しましょう。ラベルをシートからはがす、適当な位置に、曲がらないように貼る。ワンステップずつ、心を込めて丁寧に楽しく行いましょう。
・自分の住所と名前は、あらかじめ裏にプリントアウトしておいてあげたらどうでしょうか?
・この機会に名前ラベルを作っておいて、そのラベルを貼らせたらどうでしょうか?年賀状に限らず、他の折にも使えます。
[裏面]
・絵の年賀状にするのは、どうでしょう?
色鉛筆かサインペンで描きましょう。筆圧がまだ弱い場合は、サインペンのほうが適当です。
・スタンプの年賀状にするのはどうでしょう?
いもスタンプやオクラなど野菜のスタンプ、消しゴムのスタンプ、または市販のスタンプで楽しみましょう。
・貼り絵の年賀状にするのはどうでしょう?
お正月らしいイラストや、気に入ったかわいいイラストを切って貼りましょう。お子さんによっては、切ってあげたものを貼るだけでもよいでしょう。
・1文字ずつキーの配置を教えてあげながら、パソコンで入力するのはどうでしょう?
「あけまして おめでとう」「ことしも よろしくおねがいします」など、年賀状は、少ない文字数で打てます。枚数を指定する、「印刷」とリターンキーを押す、という諸々の操作をタイミングよく指示して、自分で行えるように仕向けましょう。パソコンへの導入のよいチャンスです。
教室でも印刷のリターンキーを押すと、多くの生徒さんはプリンターの下に手を差し出してプリントアウトされるのを待っているほど、わくわくしてくるようです。
「まだ、ムリ!」とか「できない!」というのは、療育では、禁句です(療育に限られたことではないかもしれません・・・)。どうやったらできるかを考えましょう。その方法を考える作業は、療育者にとって楽しい作業です。
造形リトミックの教室では、生徒さんにも上のようにやり方の候補を示します。生徒さんは、「う~ん」と言ってしばらく考えながら、ぴんときたやり方があると「いいね~」と言って取り組みの意欲を示します。そんな生徒さんは、教室でも教室の外でも、何かにつけ前向きです。
ちょっとしたひと工夫で、楽しみながら世界を広げていくことができます。自分が年賀状を出していると、年賀状を受け取ったときの気持ちもまたひと味ちがったものとなるでしょう。出した相手から、返事が来るのも楽しみとなります。
年賀状作りも、社会参加の一歩です。
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