88.年賀状を出しましょう(4)
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」
造形リトミック教育研究所
*楽しいからのパートナー
*新しく知るからのパートナー
*ちょっと簡単からのパートナー
おはようございます。
年賀状に関連した学習の一環として、思いがけず、もう少し行動を広げることができました。ここでご紹介するのは、その一例です。
もう社会人の生徒さんですが、教室で年賀状作りを半分ほど進めた後、「書き損じた年賀はがきは、郵便局で取り替えてきましょう」と促しました。「書き損じる」ということば自体はじめてかもしれなかったので、自分でメモ用紙に次のように書いてもらいました。
「書き損じたので、取り替えてください。(3枚)」。「1枚5円で取り替えてもらえると思うので、5×3、15円払えばいいんだと思うけど・・・」と説明しました。九九の習得はまだなのですが、「かけ算ね」と言いながら、電卓でさっと「15円」という金額を出して納得できました。
次の授業のときには、きちんと新しい年賀はがき3枚と交換手数料を支払った郵便局のレシートを持って教室に来ました。先週、授業を終えてすぐに郵便局に行ったようです。授業の終了が10:30で、レシートの時刻が11:23です。100円出して、15円支払っておつりが85円。レシートを見ると、いろいろなことがわかります。それにしても、彼の行動力は大したものです。
その週、別の書き損じはがき1枚と練習用に裏面を使った古い通常はがき、この2枚をまた「郵便局で取り替えてもらいましょう」、と促しました。今度は自分の覚え書きとして「書き損じ、取り替える」とメモしました。今回も授業終了後、11:45には郵便局で交換できたようでした。ただ、彼の覚書メモの下に郵便局の方から次のようなコメントがありました。
「現在販売中の年賀はがきは同じものにお取り替えできますが、通常はがきは、年賀はがきには交換することができません。申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。」「○○郵便局」とゴム判も押してありました。
上記のこと、皆さんはご存知だったでしょうか?私は、知りませんでした。一緒にコメントを読みながら、「そうなんだ。知らなかったね」と確認しました。彼にとっては、「年賀はがき」に対して、普通のはがきのことは「通常はがき」というのだ、ということも学習できました。
郵便局の方のていねいな対応もあって、彼はこんなことでは全く気落ちしたりはしません。「先生も、知らなかったんだ」くらいに思っているかもしれません。でも、決して講師をとがめない優しさやマナーを彼は持ち合わせています。いい勉強ができました。
はじめから「ムリ!」とか「できない!」と言わずに、できる形で、折あるごとにちょっと一工夫して取り組んでいくと、ゆくゆくはこんな成果にもつながっていきます。もし、自分ではじめてポストに投函できたなら、それも大きな成果です。どんなことでも、そのお子さんにとっての成果であれば良いのです。
年賀状作りで、生き生きとした気持ちを育てましょう。成果は、後からついてきます。どうぞ、楽しんで行ってください。
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