大きな湖のある静かな郊外の町。シングルマザーの麦野早織は、小学生の息子・湊の不可解な言動から担任教師の保利に疑念を抱き、小学校へ事情を聞きに行く。しかし校長や教師たちの対応に納得できず、次第にいら立ちを募らせていく早織だったが…。
映画館 ★★★★
2時間片時も目を離すことのできない作品でした。
シングルマザーの視点、担任教師の視点、校長の視点、主人公の視点・・・4人の視点から物語は繰り返されます。それぞれの立場で全く違う話に見えますが、芥川龍之介の「藪の中」とはまたちょっと違うのですが、簡単に言えばあんな感じの演出です。
結論を言いますと、私は「怪物」とは現在の日本社会のことだと思いました。
コロナ禍におけるマスクやワクチン接種の問題、未だにマスクを強いられる雰囲気のある同調強制の日本人。好き嫌いなどの基本的な意見が言えない日本人、いじめられている子をかばえずに、自分がいじめられるのを恐れるために同じようにいじめに加担する日本人、PTAや世間からの評価を恐れるために真相をさがそうとはせず、長いものには巻かれてしまう日本人。みんなと同じということで安心してしまう日本人。
二人の小学5年生のうち、主人公麦野湊役の男の子が声変わりしているのがちょっと惜しかったなぁ・・・身長も高かったしね。撮影時実年齢が13歳だったから仕方がないけど。「岸辺露伴」にも出ていた柊木陽太クンは実年齢通り5年生時の撮影でした。
ちょっとBL風なところもドキドキさせられますが、明るい未来が開けていく予感がするハッピーエンドだと私は思います。
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