ぶらり旅スローライフを楽しむ

京都の紅葉名所 建仁寺

混雑を避けて楽しめる穴場紅葉スポット

有名な紅葉の名所にも、穴場や知られざる楽しみ方が潜んでいるものです。ここからは、混雑を避けられる時間帯や意外と知られていない、とっておきの名所をご紹介。ゆったりと贅沢な気分で楽しめる紅葉名所にご案内します。

新旧のアートと紅葉がコラボする京都最古の禅寺・建仁寺



花街祇園のメインストリートである四条通から、京情緒香る花見小路の石畳を南へ歩いてわずか1分ほどの地にある建仁寺。北門をくぐって境内に一歩入れば花街の華やぎが一変し、静謐な空気が漂います。

こちらは、日本に禅とお茶の文化を伝えた臨済宗の開祖栄西禅師により創建された、京都最古の禅寺。稀代の絵師・俵屋宗達が江戸初期に描いた躍動感あふれる「風神雷神図屏風」(国宝)を所有していることでも有名です(現在は京都国立博物館に寄託し、寺内には高精細複製画を展示)。

白砂や苔をもちいて仏の世界をあらわす禅寺特有の端然とした枯山水庭園や、桃山画壇の巨匠・海北友松らによる襖絵、法堂の天井一面に描かれた大迫力の双龍図など、境内の随所で新旧のアートに出合えます。



大書院から庭越しに望む小書院

紅葉の本数は多くはありませんが、ここだけの粋な観賞法があります。小書院と大書院を回廊で結んだ、四方正面の潮音庭の紅葉を楽しむ方法です。

苔むす潮音庭には仏様をあらわす三尊石が配され、数本の紅葉が刻一刻と表情を変えながら凛と立っています。小書院には、染色画家・鳥羽美花氏によって型染めの技法で描かれた襖絵「舟出」があり、大書院側から庭越しに小書院を見ると、色づいた紅葉と「舟出」が重なって見えて、唯一無二の美を奏でるのです。

お寺の方によると、「平日のお昼ごろや閉門前の16時台は比較的ゆっくり拝観してもらえるのでは」とのこと。例年の見ごろは11月下旬から12月上旬で、散りもみじも風情があります。

建仁寺で紅葉とアートを観賞した後は、祇園で京懐石の夕食をいただくのがいちおしのコース。旅のひとときがより思い出深いものになりそうです。

建仁寺

住所      京都府京都市東山区大和大路通四条下ル小松町584
電話
075-561-6363
拝観時間
10:00~17:00(受付終了16:30)
拝観料
大人800円、小中高生500円 ※小学生未満は無料
アクセス
京阪「祇園四条駅」下車 徒歩約7分
web
建仁寺 公式サイト
紅葉の見頃予想
11月下旬~12月上旬

神社仏閣と紅葉がおりなす美しい景色、風流なライトアップなどさまざまな表情の紅葉に出合えるのが、秋の京都旅の醍醐味です。欲張っていくつもの場所を訪れるのもいいですが、同じ場所を訪れて、日中と夜の変化を楽しむのもまた一興。紅葉シーズンに向けて、気になるスポットをチェックしてみてください。

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