⇔1日1クリックで応援お願いします!ブログランキング
⇔こちらもクリックを!にほんブログ村
昨年12月12日に、通算で6回目となる一般質問を本会議で行い、
その質問原稿については前回掲載いたしました。それから時間が経ってしまいましたが、県側の答弁と再質問の議事録そして若干の説明を掲載致します。
★1.県人口200万人台に備えるための取り組みについて
(1)「将来世代の視点に立ったフューチャーデザインとしての長期ビジョンの策定」について
○
吉林章仁・副知事 県人口二百万人台に備えるための取り組みについてのうち、将来世代の視点に立ったフューチャーデザインとしての長期ビジョンの策定についてお答えをいたします。
本県は、本格化する人口減少を克服し将来に向けて持続的な発展を実現するため長期人口ビジョン及び総合戦略を策定いたしまして、その対応に向けた取り組みを推進しております。本県の長期人口ビジョンは国に先駆けて設置した有識者会議からの提言を踏まえ、人口減少を抑制する戦略と人口が減少しても快適で安全な社会を創造する人口減少社会への適応戦略の両面からの取り組みにより、相乗効果の発揮と好循環の確立につなげていくという本県独自の視点に立ったものであります。
長期人口ビジョンにおいて示されました二〇六〇年に三百万人程度で均衡するとの長期的な展望を背景に、その社会に適応するため今後五年間の取り組みを示す総合戦略にはコンパクトなまちづくりの推進や集落ネットワークの形成促進、インフラ資産の長寿命化の推進、公共施設の総量適正化などを掲げております。これはまさにフューチャーデザインとしての長期人口ビジョンとバックキャスティングの視点からの施策を取り組んだ総合戦略を一体的に策定したものでございます。
しかしながら、本県の明るい未来を県民の皆様と切り開いていくためには長期人口ビジョンで展望する将来の姿をより一層明確化する必要があります。そうしたことから本年一月に次代を担う若者たちによる県民会議を立ち上げ、人口減少社会に対し将来どのような社会を目指していくのか、未来の主役である若者たちとその戦略について議論を深めているところでございます。
今後は、将来の世代に加えまして専門家にも参画をいただきながらフューチャーデザインについての検討を深め、最終的に長期人口ビジョンで展望する将来の姿に産業構造や就業環境、社会インフラなどを加えまして、よりわかりやすく県民の皆様にお示ししてまいりたいと考えております。
こうした長期的な取り組みに加えまして、来年度は後期アクションプランの最終年となりますことからこれまでの若者県民会議での意見を参考に本県の未来の姿をシミュレーションをし、その結果を次期総合計画に的確に反映させることによりまして県民の誰もが幸せと感じ世界から憧れを呼ぶジャパニーズドリームの理想郷づくりに取り組んでまいります。以上であります。
〇
鈴木智再質問 長期ビジョンについて再質問したいと思います。
昨年よりは前向きな答弁をいただいたかと思いますが、より具体的な答弁をいただきたいと思います。
先ほど、長期人口ビジョンの話が出てまいりました。私が言っている長期ビジョンというのはあくまでもその長期人口ビジョンに対してどう対応するかというところでございますのでその点をもう少しはっきり言っていただきたいんですが、その長期人口ビジョンでは先ほども話がありましたが二〇六〇年ごろには県人口は二百万人台にも突入するということでございます。つまり人口が二割減るわけですから、単純に考えればそのころまでにインフラも少なくとも二割は減らしていかなければ維持管理はかなり難しくなるということになってしまいます。
ただ、言うのは簡単ですが例えば道路や水道等を人口減少に合わせて減らすのは決して容易ではありません。だからこそ将来世代の視点に立ってフューチャーデザインとしての包括的で具体的なビジョンをつくり今から備えることが必要だと考えておりますが、再度答弁をいただきたいと思います。
○
森貴志・政策企画部長 将来世代の視点に立ったフューチャーデザインとしての長期ビジョンの策定の再質問にお答えいたします。
長期ビジョンといいますかフューチャーデザインの話でございますけれども、フューチャーデザインとして二〇六〇年に我々は長期ビジョンとしての人口減少のビジョンを持ってございまして、確かにそこはまだ人口減少の話だけでございますので、そこに産業構造、それから就業環境等社会インフラに含めましてですね、その人口ビジョンをより充実させていきたいというのがフューチャーデザインの我々の考え方ですけれども、そのフューチャーデザインそのものにつきましてそれをバックキャスティングで実行していくというこの考え方は、例えば地球温暖化防止とか非常に大きな地球のうねりの中で考え出されたものというふうに聞いてございます。
確かに、人口減少の問題につきましては大きなうねりの中で減少をいたしますので、実際に減少をとめる施策とそれから減少にあっても適応する社会というのは実現しなければならない。そのために総合戦略というものをバックキャスティングの形で今現在行っているところでございますけれども、期間というのがございまして人口減少の問題につきましては二〇六〇年、長期を今考えて、その中では足りないものをこれから含めて長期ビジョンを充実させていこうというのが一つございます。
それから、総合計画がまた来年度以降ですね、新たな総合計画を立てるわけですけども、これは大きなめどとして十年間、それも十年先を見据えてバックキャスティングの方法で検討したいというふうに現在考えてございます。以上私どもの考えでございます。以上でございます。
★1(2)「「次代を担う若者たちによる県民会議」の役割と運営の在り方」について
○
森貴志・政策企画部長 県人口二百万人台に備えるための取り組みについてのうち、次代を担う若者たちによる県民会議の役割と運営のあり方についてお答えいたします。
次代を担う若者たちによる県民会議は、人口減少社会に対し将来どのような地域を目指していくのかを未来の主役である若者が委員として参画し、みずからが考え意見を交わす場とするために設置したものであります。七月に開催した第二回の会議では、より論点が明確になるよう全体会議の前にグループ討論を実施したところ、委員同士による活発な議論が行われました。委員からは引き続きグループによる議論を深め、若者の望む社会のあり方として県への提言を取りまとめたいという意欲的な申し出をいただいております。
このため、今後県では委員を中心にワークショップを継続的に開催し、静岡県の理想の未来像についてより長期的な視点に立った検討を進めてまいります。検討に当たりましては議員御指摘によりますフューチャーデザインの考え方に基づき議論を一層深めることができるよう、グループ討論への場に専門家の派遣や先進事例調査をあわせて行ってまいります。さらに将来の経済社会の動向に関する具体的なシミュレーションや分析結果を当会議に提供するなど議論を喚起する工夫を図り、本県の将来ビジョンへの有益な提言をまとめていただけるよう運営方法の充実を図ってまいります。以上であります。
■評価 具体的に県側がどのようなフューチャーデザインとしての長期ビジョンを策定していくのか、現時点では不明です。しかし森部長が答弁した通り、
新たな形での若者たちによる県民会議ワークショップがこの2月5日から開始され、その第1回目では、議論のための材料提供として、私が質問で紹介した千葉大学の倉阪秀史教授から、未来シミュレーターで見る静岡県の未来の紹介やデータの提示がありました。詳しくは改めてご紹介しますが、他県ではほとんど見られない取り組みが始まっており大変期待しています。
★2.豊かな人口減少社会を実現するためのまちづくりについて
(1)人口減少対策にもなる防災型土地利用規制の推進について
○
村松篤・交通基盤部長 豊かな人口減少社会を実現するためのまちづくりについてのうち、人口減少対策にもなる防災型土地利用規制の推進についてお答えいたします。
本格的な人口減少時代を迎え、超高齢化が加速し、また過去に例を見ないような自然災害が発生していることから、これらの課題に総合的に対応するため災害リスクの低い地域に都市機能や住居がまとまって立地する集約型都市構造への転換を進めていくことが重要であります。
こうした中、平成二十六年五月に都市再生特別措置法が改正され立地適正化計画制度が創設されました。この制度は人口減少社会に適応したコンパクトなまちづくりを推進することを主眼としたものでありますが、防災対策としても有効であり居住や都市機能を災害リスクの低い地域に誘導することで危険性の高い地域からの住みかえが徐々に進み、効率的で利便性が高くかつ災害にも強いまちづくりを実現させることができます。
このため県では、これまで土木事務所単位で協議会を設置し、コンパクトシティー化の必要性、重要性や防災対策としての有効性を説明するなど市町に立地適正化計画の策定を促してきたところ、十六の市町で計画策定に向けた取り組みを進めており、来年度には四市において計画が策定、公表される見込みとなっております。
県といたしましては、今後も引き続き市町への情報提供や助言、意見交換などを重ね、災害に強いまちづくりが進むよう取り組んでまいります。以上であります。
〇
鈴木智再質問 防災型土地利用規制についてでございます。
本当は、防災型土地利用規制について直接御答弁いただきたかったんですが、これはやはり部がまたがってしまうということでまちづくりという方向で御答弁いただきましたけれども、ぜひ深い答弁をいただきたいと思います。というのは先日の我が会派の代表質問に対する答弁もそうでございましたけども規制については国の調査や対応を待つという姿勢がどうしても見られております。ただ御案内のとおり静岡県は皆さん防災先進県と言っているわけでございますからぜひですね、国や他県に先んじて政策を実施するべきだと思っています。
例えば、断層についてこれ前回質問させていただきましたけども、県独自で調査をしてそして建築基準法第三十九条に基づいて災害危険区域に指定すれば県独自の土地利用規制もできるわけですからぜひとも防災先進県らしい積極的な対策を行うべきだと考えますが、ぜひ知事の答弁をお願いしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○
村松篤・交通基盤部長 人口減少対策にもなる防災型土地利用規制の推進についての再質問についてお答えいたします。
議員の御指摘は国のいろんな法とかそういうものを待たずにということで、県独自でいろいろ進めていったらどうかということが一つございました。現在でもですね、建築や開発等の土地利用の規制につきましては土砂災害特別規制法――土砂法によるものですとか地すべり防止区域、これは地すべり等防止法です。それから急傾斜危険区域、これも急傾斜の法でございますが、それから現在津波対策特別警戒区域というところで新たな法が出ているものもございますが、その中で一定の規制をかけているといったところでございます。
それから、断層の点について今議会の中でもあった点かと思います。これにつきましては危機管理部長がお答えしてましたけども断層についても特定についてなかなか難しいという話がございました。これらについても徳島県でしたっけ、やっている条例があるというような話も伺っておりますので、いずれにしましてもいろんな規制がですね、危機管理部それからくらし・環境部のほうとも関連がございますのでいろんな関係機関と調整しながら今先生が言った御趣旨を踏まえて検討していくというふうにしていきたいと思います。以上でございます。
■評価 防災型土地利用規制についてはほぼゼロ回答とも言うべき答弁でした。規制を掛けることは、対象となった地域の印象や評判を悪化させることにもつながりかねず、行政側が慎重になるのはある意味やむを得ない部分もあります。しかし、正にフューチャーデザインとして長期的な視点からまちづくりを考えた場合、防災型土地利用規制の推進は不可欠です。今後も引き続き質問等を通じて働き掛けていきたいと思います。
★2(2)「包括的な人口減少・超高齢化社会対策としての「ごちゃまぜ」の地域づくりの推進」について
○
川勝平太知事 鈴木智議員にお答えいたします。
豊かな人口減少社会を実現するためのまちづくりについてのうち、包括的な人口減少・超高齢化社会対策としてのいわゆるごちゃまぜの地域づくりの推進についてであります。
静岡県では、個人が人としての尊厳を持って家庭や地域の中で年齢や障害の有無にかかわらず誰もが住みなれた地域で安心して暮らせる社会を目指し、福祉関係者だけでなくて企業を初めNPO、ボランティア、地域住民などさまざまな方々が福祉活動や住民活動にかかわり支え合う共生の地域づくりを理想とし、それを進めております。
具体的には、ふじのくに型福祉サービスとして地域の方々だけでなく障害を抱えた方や長寿者の方々が自由に気軽に交流できる居場所、あるいは年齢や障害の有無にかかわらずサービスが受けられる共生型福祉施設を地域に設置するなど垣根のない福祉サービスの提供に取り組んでおります。また自治会や老人クラブなどと連携し地域の支援を必要とされる方々を日常的に見守り支え合う取り組みや、身近にある地域包括支援センターで介護のほか医療や生活保護など複合的な課題に対応できるワンストップ相談を行うなど、ともに支え合う地域づくりを推進しているところであります。
希望の丘にお触れになりました。希望の丘、平成二十七年四月二十五日にグランドオープンしたわけですが、私はその記念式典に参りましてまことに感心いたしました。病院、介護施設、障害者施設、特別支援学校、保育園、総合相談窓口などさまざまなサービスを提供する施設が一カ所に集まっており、かつ交通の便も非常にいいところに位置しているわけでありましてすばらしいと思いまして、そして先般総合防災訓練を行いましたが、掛川で行いましたときにもここを重点的に視察をさせていただきました。ここでトリアージほか、中東遠の総合病院に持っていく前にこちらで患者さんを、あるいは障害者、あるいはけが者の方々を助けるというようなことが合理的に行われていたわけです。さらに十月非公式ではありますけれども福祉に関心のあるイギリスから――実際はスコットランドでございますけれども御視察がございまして、そのときにも掛川市の御協力を得て私はここのところを見てほしいというふうに推薦した場所が希望の丘でございました。
議員御指摘のとおり、CCRCこれは高齢者を対象としたものでございますけれども、この長寿をことほがれている方々が小さな子供たちなどと一緒に、かつ病院も近くにあるということ、大変すばらしいもので、これは金沢で始まったシェア金沢からかもしれませんけれども本県の誇るものではないかと、これからのCCRCのモデルにするべきものではないかというふうに思っているところであります。
この取り組みというのは、ふじのくに型サービスをさらに進めるものでありまして、村上龍さんが言われたんですか、ごちゃまぜとは。なるほど。いろんなものを相和すということですからある意味で日本型と言っていいかと思います。さまざまなものが一緒になって、かつそれぞれの独自性、独自の役割を持ちつつもお互いに支え合うという形、大いなる和と、大和、やまとの言ってみれば福祉サービス拠点として育てていき、またPRしていくべきものであるというふうに思う次第であります。呼び名はともかくといたしまして、こうした議員御提案のごちゃまぜの地域づくりを推進していくことが大事だと考えております。
本格的な人口減少・超高齢社会が到来する中で、県民の皆様が快適で安心して暮らせる地域を実現するには新しい社会システムを創造するという発想を持って、既存の分野にとらわれず子育て、教育、働き方、福祉、社会インフラなど包括的な観点に立ち、人口減少社会に適応した地域づくりを進めることが重要です。
県としましては、今後も子供や女性、若者、高齢者、障害者など全ての県民が支え合いながら生き生きと活躍できる豊かな人口減少社会の実現を目指し、よりよい福祉サービスの提供に努めるとともに、議員御提案のごちゃまぜという観点も参考にしながら地域コミュニティーの活性化や多世代の世代を多くまぜた交流の促進、都市機能の集約など地域のさまざまな主体が参画する未来型のまちづくり戦略に市町と一体となって取り組んでまいる所存であります。以上であります。
■評価 具体的に何かが変わるような答弁があったわけではありませんが、川勝知事が「ごちゃまぜの地域づくり」について理解を示したことは大変意味があると思っています。今後の展開が楽しみです。
★3.非現用文書を含む公文書の保存・公開の強化及び徹底について
(1)審議会等の議事録等に係る作成・公開の基準について
(2)歴史的公文書の保存・公開の機能強化について
○
伊藤篤志・経営管理部長 非現用文書を含む公文書の保存、公開の強化及び徹底についてのうち、審議会等の議事録等に係る作成、公開の基準についてお答えいたします。
本県では、情報公開制度の充実のため公文書開示制度と情報提供施策の両面から制度を運用しております。情報提供施策のうち政策形成過程における情報を公開する取り組みとして平成十年度から審議会等の議事録を公開しております。
議事録の作成及び公開の対象となる審議会等には、法律や条例に基づき設置される附属機関だけではなく要綱等に基づき設置される懇話会等の附属機関に準ずる機関も含めており、議事録の作成、公開の方法は情報提供の推進に関する要綱等において定めております。このうち議事録の作成に当たりましては全文筆記または要点筆記のいずれかとしております。いずれの場合でありましても県民への説明責任の観点から審議の内容や経過をわかりやすく記載するよう全庁的に周知徹底を図っているところであり、所管課の恣意的な判断や裁量に委ねられる仕組みとはなっておりません。
議事録は公開が原則でございます。その上でホームページ上での情報提供につきましては会議終了後一カ月以内の日から公開し、対象審議会等が廃止され一年が経過したものはホームページから削除することとしております。現在活動している審議会等の議事録のホームページ上の掲載期間は当該審議会等の目的、性格や審議の内容等を勘案しまして担当課が適切に判断するべきものと考えておりまして、各課に一任しているところでございます。
今後とも、情報提供の推進に関する要綱等に基づきながらホームページ上での情報提供を含めた情報公開制度全体を適切に運用することにより積極的な情報の開示、提供に努め、県行政の透明性を高めてまいります。
次に、歴史的公文書の保存、公開の機能強化についてであります。
歴史的に価値ある公文書は県民共有の貴重な財産であり、これを適切に保存し県民の皆様がいつでも利用できるようにすることは県の責務であると認識しております。このため県では、平成三年度から保存期間の満了した公文書を対象に選別作業を開始し、平成二十一年度より順次公開してまいりました。
本県は、現在単独施設としての公文書館は有しておりませんが、まずは歴史的公文書を適切に保存し県民の皆様の閲覧等に供するという公文書の館機能を他の都道府県と比較して遜色のないよう整備していくことが必要であると考え、機能の充実に向け取り組んでいるところでございます。具体的には歴史的公文書を良好な状態で保存するため、今年度田町文庫に可動式書棚や空調設備を設けて保存機能の強化充実を図っているところでございます。
今後も、建築基準法に基づく地盤、外壁、屋根の劣化等の点検や文庫内の保存文書の状態の確認を定期的に行いまして、必要な対策を講じるなど適切な維持管理に努めてまいります。
議員から御指摘をいただきました、想定し得る最大規模の降雨による洪水が発生した場合などの対応につきましては今後検討してまいります。また現状では公開文書数や閲覧者数が少ないことは御指摘のとおりでございまして課題として認識しております。今年度は新たにマンパワーを投入して公開文書数の増加を図っております。さらに閲覧したい文書名など県のホームページから検索して閲覧等申出書を作成できるシステムを開発し、今月一日から運用を開始しております。年内には国立公文書館のホームページでも検索が可能となる予定であります。これにより対象文書へのアクセス機能は格段に向上し、閲覧者の増加にもつながるものと期待しております。
今後も、公開文書数のさらなる増加に向けまして精力的に作業を進めるとともに、閲覧場所や閲覧の方法、開発した検索システム等について積極的に広報を行い、県民の皆様の利用をさらに促進してまいります。以上であります。
○
鈴木智再質問 二問まとめて再質問したいと思います。
まずは、この一番のほうの議事録等にかかわる作成、公開の基準については、一言で言えばこれまで大丈夫だということだと思うんですが、ただ先ほども御指摘しました、これ教育委員会の話になってしまうんですけども中央図書館整備の検討に関する有識者会議については全く教育委員会のホームページに載ってないんですね。先ほど審議会あるいは審議会に準ずる会議等の議事録が載っているという話だったんですが、この点についてどのようにお考えかお答えいただきたいと思います。
それと、公文書館設置の必要性については最近では天野一先輩が本会議で何度も取り上げてきました。そのたびに正直今のような答弁をですね、経営管理部長――当時の土屋部長もされてましたけども公文書館機能を一層充実させると繰り返し答弁してきたわけですけども、いまだに先ほど指摘したように県の公文書館機能は隣の神奈川県とは雲泥の差があると言わざるを得ないと思っています。
その理由に、私は公文書は将来世代も含む県民の共有財産であるとの認識が残念ながら県庁内では不十分なのではないかと感じております。財政的な制約が恐らくあったと思いますしこれから検討するとは言われましたけども、公文書を長期的に保存するための施設をわざわざ洪水のおそれがある安倍川のすぐ脇につくるという発想そのもの自体がまさにそうした認識の示唆のあらわれではないかと思っています。また先ほど紹介しました昨年の文化・観光部における件におきましても、公開の是非や公開内容の判断がばらばらだったという背景にはやはりそうした同様の認識不足があるのではないかと考えております。
川勝知事御自身は、知事室のドアを開けっぱなしにしたり移動知事室ですとか知事広聴会を県内各地で実施しておりまして、その点については私まさに開かれた県政の実現のために努力されているということで評価をいたしておりますけども、ただ残念ながら県庁全体としては私は不十分でないかと思っています。
いま一度、知事のリーダーシップで積極的、具体的な基準の策定や公文書館機能の抜本的な強化を早急に行うべきと考えますが、ぜひとも知事の再答弁をお願いしたいと思います。以上よろしくお願いします。
○
伊藤篤志・経営管理部長 非現用文書を含む公文書の保存、公開の強化及び徹底についての再質問にお答えいたします。
まず、有識者会議等で議事録等の公開がなされていないものがあるということでございますが、こうしたその対応がですね、各部局、各課で徹底していないことは大変申しわけないなと思っています。積極的な情報公開というのは県のスタンスでございますので、こうした対応がなされないようにしっかりと各課、各部のほうに指導してまいりたいと思っています。
それから公文書館でございますけれども、対応がおくれていたことは事実でございます。そういった中で昨年度方向性を決定しまして少なくとも公文書の保管、そうした公開の機能につきましては新しい建物はつくりませんけれども他県には負けないような遜色のない機能をつくりたいということで本年度からでございます、本年度から施設の整備とともに公開のソフトのインフラ整備をしているところでございます。
ただ、これも確かに十分ではございません。現在公文書館を整備している都道府県が全部で三十五ございます。これらと比べて歴史的文書を選別している冊数だけでいいますと本県は中位というところでございます。その中で公開冊数につきましては下位から二つということで、非常に議員が御指摘のとおり公開機能が非常に薄いということでございます。
本年度、そこに向けた非常勤職員でございますけれども職員を増員しまして公開機能に向けた冊数をふやすという努力も進めております。それも決して十分だと思っていませんのでそういった対応をですね、少なくともことしそして来年以降も続ける中でしっかりと県の歴史的文書を良好に保存して、そして県民の方々に利用しやすい形で活用していただくとそういったことにつきましても心がけていきたいと思います。
その中で、現在教育委員会等におきまして図書館機能の検討をする協議会、懇話会等の中で公文書館の機能も検討されておりますので、そういった検討の状況も見きわめた上で今後の対応を検討してまいりたいと思っています。以上でございます。
■評価 公文書の保存、公開の強化については前向きの回答を得られませんでしたので、また改めて質問したいと思います。一方、公文書の公開については対応が遅れていることを伊藤部長が認めたことは大きな成果です。歴史的公文書の公開が更に進むよう、引き続き働き掛けていきたく思います。
★4.県情報の集積・発信拠点、県民のシンクタンクとしての県立中央図書館について
○
木苗直秀・教育長 県情報の集積・発信拠点であり、県民のシンクタンクとしての県立中央図書館についてお答えいたします。
県立中央図書館は、県民のさまざまなニーズにより的確に応えていくことが求められております。そのため東静岡駅南口に計画されている文化力の拠点では広く県民を対象に生涯学習、読書活動の推進等を行い、現在の谷田の施設では落ちついた環境を生かして歴史的資料の保存、公開と調査研究支援事業を行うことが望ましいと考え、それぞれの立地の特色を生かした整備を行う方向で検討を進めております。
現在、他県の先進的取り組みについて調査を行うとともに、図書館や読書活動の専門家、市町立図書館職員、さらに利用者等を構成員とする有識者会議を設置し、さまざまな見地から意見を伺っているところです。会議の中では市町立図書館資料を含めた歴史的価値の高い資料をデジタル化して保存、公開する機能や静岡県の公文書館的機能、豊富な資料と専門性の高い職員による課題解決型支援機能など時代のニーズに応える新たな機能の必要性について提案を受けております。
県教育委員会といたしましては、こうした意見を尊重するとともに、今後も引き続き図書館を利用するさまざまな団体の意見も伺い、新しい時代にふさわしい県立中央図書館のあり方についてさらに議論を深めてまいります。以上であります。
○
鈴木智再質問 まず、先ほど御指摘しました有識者会議の会議録、ホームページ上に全く反映されておりませんので早急にそれを反映していただきたいと思いますが、御答弁をお願いしたいと思います。
また、今さらに議論を深めていくということでございましたが、先ほど申し上げました半年で結論を出すというのは私は拙速だと思っていますので、ぜひその来年三月までに基本構想案や基本計画案をつくるというスケジュールは見直していただいてさらに時間をかけて検討すべきと思いますが、その点について具体的に御答弁いただきたいと思います。
また、先ほども御紹介しました神奈川県ではですね、平成二十四年十月に緊急財政政策として横浜と川崎にある二つの県立図書館を統合し一般の閲覧や直接の貸し出しをやめて市町立図書館を通じた貸し出しのみに機能を絞るという案を県が提案したのに対しまして、有志の方々が神奈川県の県立図書館を考える会を立ち上げまして考える会を中心に県民的な議論が盛り上がりました。そしてようやく四年たったんですけどもことしの十月に県の教育委員会は再整備に向けた考え方をまとめたわけでございます。
ですから、同様に静岡県でも全県的な会議体を設けるなり、あるいは県民の皆さんにそうした会の設置を促して神奈川県のような全県的な議論を行うべきと考えますが、その点についても答弁をお願いしたいと思います。以上についてお願いいたします。
○
木苗直秀・教育長 有識者による会議ということで検討ということは議論が拙速ではないかというような御質問いただいたんで、それについてお答えさせていただきます。
有識者会議については今年度は四回を予定しております。会議でいただいた意見を踏まえて基本構想案を策定していく予定でありますが、さらに来年度以降も基本計画案を策定していく上で検討を続けてまいりたいと思います。そのためには必要に応じて有識者会議を継続して意見をいただきながら、よりよい図書館づくりを目指していきたいと考えております。以上です。
○
鈴木智 要望とさせていただきますが、先ほど触れました有識者会議のホームページの掲載を含めまして、ぜひ本当のこれから目指すべき県立図書館は何なのか考えて、県民の皆さんに考えていただけるような議論を深めていただくことをお願いしまして私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
■評価 木苗教育長は慎重に議論していく趣旨の答弁をしましたが、具体的に今後どのように県民を巻き込んだ形で議論を進めていくかは現時点では不明です。そこで、
「すずきさとる新聞(すずしん)」最新号でこの質問と同様の趣旨で「県立中央図書館のあるべき姿とは?」と題して採り上げ、3月27日の朝刊に折り込んだり、街頭活動での配布やポスティングを始めたところ、県民の皆さんから電話やメールで賛同のご意見を頂きました。県民的な議論が少しでも盛り上がるよう、広く訴えていきたいと思います。
お読み下さり、ありがとうございます。